バッハと音楽についての道草日記

~気になる音楽、ドラマ、書籍、雑誌等についての雑記帳~

ミサ曲ロ短調

2010-09-25 22:16:19 | インポート

Scan10005Scan10315 「ミサ曲ロ短調-ジョシュア・リフキン校訂、ブライトコップ版/2006-」(LINN CKD 354)(2SACDs)(ジョン・バット指揮、ダンディン・コンソート&プレーヤーズ)(録音:2009年9月11日-17日、グレイフライアーズ教会、エディンバラ)(左図)は、「a single voice to each part」の演奏のようです。レントゲンで見るように、作品の骨格が明瞭に浮き上がり、今までにない新鮮さをに感じます。ただ、繰り返して聞いていると、何となく重厚感がなく、宗教的雰囲気に欠けるように感じます。やはりミサ曲ロ短調はmultiple voicesの方が合うのでしょうか。「マタイ受難曲-1742年頃バッハ最終演奏版-」(LINN CKD 313)(3SACDs)(ジョン・バット指揮、ダンディン・コンソート&プレーヤーズ)(録音:2007年9月3日-6日)(右図)も「a single voice to each part」の演奏ですが、こちらの方はミサ曲ロ短調に比べてこの演奏様式が合っているように思います。ちなみにどちらもジャケットが素敵で気に入っています。


シフのパルティータ

2010-09-23 20:37:26 | インポート

Scan10003 今日は午前中に雨が少し降って、少し涼しくなりました。2,3日前から、以前に買っていた「J.S.バッハ:パルティータ全曲」(UCCE-7501/2)(ピアノ:アンドラーシュ・シフ)(録音:2007年9月21日、ノイマルクト、オーストリア)を引っ張り出して聞いています。2001年録音の「ゴールドベルク変奏曲」がとても良かったので、今回も期待していました。今回のCDも、ホールの音響が素晴らしく、録音も綺麗でした。ただ、「ゴールドベルク変奏曲」を聞いた時程の感動が不思議と沸いてきません。どうしてもグールドの演奏・録音(SONY)と比較してしまうのですが、パティータにはシャープで硬質な録音の方が個人的には合うように思います。今回の録音は一つ一つの音の反響が強く、ベールが掛かったようでロマンティックではありますが、スカーッとした爽快感がなく、やや物足りなさを感じます。でも、音質も良く、シフの新たな境地に立った今までにない魅力的な演奏です。


レイチェル・ポッジャーのヴァイオリン協奏曲

2010-09-20 22:03:59 | インポート

昨年暮れから色々な大変出来事が続いておりブログ更新が出来ていませんでした。まだまだ忙しい日々が続きますが、音楽だけは何とか聴き続けています。
昨年からはヘンデルを多く聞いているのでですが、最近、レイチェル・ポッジャーの「J・S・バッハ Scan10001ヴァイオリン協奏曲集」(CHANNEL CLASSICS:CCSSA30910)が東京エムプラスから出ていたので聴いてみました。女性ヴァイオリニストによるヴァイオリン協奏曲は、ハーン以外はいつも期待はずれでしたが、この演奏はチョット興味深く聴けました。まず、録音がとても綺麗で、独奏者と伴奏者の音が聞き分けやすく、各パートの絡み合いが美しく共鳴しています。装飾音が多く、抑揚もやや付けすぎた感じがあり、やや気になりましたが、演歌の節回しっぽくてこういうのもアリかなと思いました。ヴァイオリン協奏曲ト短調(BWV1056)のラルゴは美しい旋律で有名で、いつももっと甘美な演奏はないのかな~と思っていたのですが、ボッジャーの演奏は予想を超えてかなり甘美でロマンティクで結構気に入りました。やや恣意的な感じがしますが、ここまで甘美な演奏は他に聞いたことがないように思います。全体的に綺麗な録音と演歌調の甘美な演奏で、今までにはない新鮮で、ロマンチシズム溢れるヴァイオリン協奏曲でした。


G線上のアリア100% 第二弾

2008-01-16 13:17:22 | インポート

Scan10281 知らないうちに『G線上のアリア100%』の第二弾が9年ぶりに発売されていました(RCA、BVCC37710、07.11.21)。お店でふっと気が付いて買ってみました。第一弾がBGMとして結構気にいっていたので、期待して聞いてみたのですが、何となくありきたりの編曲が多く、ジャズバージョンもなく、今一でした。第二弾なので、もっと奇抜な刺激的な編曲を期待していたのですが......。でも、カバーはバラの花で、綺麗で気に入っています。
第3弾を期待しています。


バッハの息子たち(その3)

2007-03-15 21:42:47 | インポート

Scan10164

ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの肖像①(?)

この写真はBRILLIANT(99785/6)のCDジャケットの表紙です。解説書には出典の記載が無く、フリーデマンの肖像かどうかはっきりしませんが、下の彼の肖像画③や⑤と少し似ているので、フリーデマンではないかと勝手に想像しています。この肖像画の出典がわかる方がいらしたら教えて下さ~い。

      


Scan10168_2
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの肖像②

従兄弟のゴットリープ・フリ-デマン・バッハの作と考えられる水彩画です。(出典:春秋社「ヨハン・セバスティアン・バッハ-学識ある音楽家-」クリストフ・ヴォルフ著、秋元里予訳)   

   

                                                           

             

_scan10166_1 ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの肖像③

(出典:新潮文庫「バッハ」樋口隆一著)  

                                                                          

                                                

                  

                             

_scan10162

ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの肖像④

(出典:講談社現代新書「J・S・バッハ」礒山雅著)  

                                          

                                         

     

                                       

                                     

_scan10161

ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの肖像⑤

(デッサン、作者不明、バッハ・ハウス、アイゼナハ)

(出典:創元社「バッハ」ポール・デュ=ブーシェ著、樋口隆一訳)  

                                   

                                                  

以上の色々な肖像画がいつ、どこで、誰が書いたのか、また彼が何歳頃なのかは書物に記載が無く不明です。私の印象では肖像画が④→②→③→⑤→①の順に年を取っていっているのかと想像しています。イメージ的には兄弟の中では一番かっこいいようにも思います。

ウイルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-84)は、セバスチャン(父親)とマリア・バルバラとの間に生まれた長男で、バッハが25歳の時の子供です。バッハは彼に大変な期待をかけたようで、熱心に教育をしています。1720-24年に彼のために「ウイルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」を書いています。

彼の曲を確かにいい曲(?いい表現が見つかりません....)ですが、パッと聞いただけですが、エマニエル程の魅力が感じられません。礒山氏は、講談社現代新書「J・S・バッハ」の中で、彼の曲を「表現の欲求そのものは豊かである。なかなか情熱的だし、聴き手の意表を突く進行も、随所に出てくる。だが、それを統一する意思が、いかにも弱い。このため、音楽にシンが欠けてまとまらず、本当の意味での個性が感じられないのである。」と記載しています。うーん、そういう感じもします.....。


αレーベル

2007-01-31 21:21:37 | インポート

Scan10155 昨年発売されたαレーベルのCDを幾つか買ってみました。このレーベルは全体的に透明感があり、落ち着いた深みのある音質です。しっとりとしていて、夜にゆっくり聞くのにいいと思います。フランスやスペインのバロック音楽も数多く収録されており、興味深く聞きました。このCDは「さまざまな楽器による協奏曲集Ⅰ」(Alpha 013)です。カフェ・ツィマーマンと呼ばれるグループの演奏です。①チェンバロ協奏曲第一番ニ短調②オーボエ・ダモーレ協奏曲イ長調(チェンバロ協奏曲第四番イ長調の復元曲)③バイオリン協奏曲第二番ホ長調④ブランデンブルグ協奏曲第五番ニ長調の四曲が収録されています。チェンバロの音がやや小さく迫力に欠けるよう思いますが、表現が繊細で深みがあります。本来、撥音楽器であるチェンバロの余韻のある弦の響きを大切にしているような感じです。1台のためのチェンバロ協奏曲ではこのCDでも収録されている第一番が最も好きな曲です。作曲年代も最も古いと聞いています。バーンシュタイン指揮のグレン・グールドによるピアノの演奏がSONYレーベルから発売されており、モノラル録音ですが、お気に入りです。αレーベルの全CDを手に入れたいのですが田舎ではなかなか入手出来ないのが残念です。


2,3,4台のためのハープシコード協奏曲

2007-01-30 21:12:26 | インポート

Scan10052_2

久しぶりに投稿です。昨年は体調を崩して、1年間お休みでした。ボチボチまた新しくゲットしたCDを紹介します。

BRILLIANTの2,3,4台のためのハープシコード協奏曲を見つけました(BRILLIANT CLASSICS 93187)。値段も安く廉価版です。バッハの複数台のハープシコード協奏曲が全てまとまって収録されているCDは比較的少ないと思います。コープマンがハープシコードで、アンドラーシュ・シフがピアノで全録音しています。特に、ピアノではシフ以外には全曲録音はないように思いますが、如何でしょうか?。この録音はブリリアントの例に漏れずあまり特徴のある演奏ではありませんが、全体的に明るくカラリとした感じです。あまり感情移入は無く、各曲の第二楽章(緩徐楽章)もあまりロマンティックではありませんが、全体的にクリアで複数のハープシコードの音の分離が良いように思います。私のお気に入りはBWV1063の3台のためのハープシコード協奏曲です。人類が作曲した全協奏曲の中でも最高傑作と思います。特に第二楽章のアリアの旋律は大好きです。また、第三楽章はジャズ風のコントラバスの動きは驚きもので、エネルギッシュで独創的な音の流れは何回聞いても飽きません。ロマン派から現代音楽までの雰囲気をも漂わせています。バッハの時代のイタリア音楽とドイツ音楽が最高のレベルで融合した超最高傑作です。しかも何度聞いても新鮮で、今の時代でも斬新に聞こえます。凄いの一言です!!!。