バッハと音楽についての道草日記

~気になる音楽、ドラマ、書籍、雑誌等についての雑記帳~

幻の結婚カンタータ

2005-10-28 22:13:48 | 音楽
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『バッハ幻の結婚カンタータ』というCDを見つけました(MAINICHI CLASSICS:MNCL104)。
この曲はカンタータ第216番《満たされたプライセの町よ》で、280年振りに復元初演されたものです。解説者の磯山雅氏によると、1728年2月5日、聖トーマス教会脇のワイン酒場で行われた結婚式のために書かれた曲です。2004年にピアニストである原智恵子さんの遺品から発見されたそうですが、総譜ではなく、ソプラノとアルトのオリジナル・パート譜のみで、器楽パートはありませんでした。ジョシュア・リフキン氏がこの曲を復元しています。
全体的に明るく、喜びに満ちた曲です。バッハとしては復元された器楽パートがやや深みに欠けるかな~っという気がしなくはないですが、復元世界初演ということでワクワクして聞き入りました。

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ミサ曲ロ短調(BWV232)について

2005-10-20 18:57:26 | 音楽
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今日、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、バイエルン放送交響楽団によるミサ曲ロ短調(SonyMusicJapan:SICC263-4)を聞いてみました。この曲はバッハが最晩年の1748年8月に完成した大曲で、バッハの作曲技法の集大成と考えられています。バッハは38歳(1723年)から死去する65歳(1750年)するまでライプチッヒにある聖トーマス教会のカントールでありましたが、当初からライプチッヒ市当局と仲が悪く、その事態を改善すべく、君主であるザクセン選帝侯フリードリッヒ・アウグスト2世に<ドレスデン宮廷作曲家>の称号を得るため1733年にこの曲の第1部のミサの部分を献呈しています。彼の他の宗教曲がドイツ語で書かれているのに対して、この曲だけはラテン語で書かれているのは、ドレスデンがローマ・カトリック教であったためと考えられています。ジュリーニ指揮のミサ曲ロ短調はゆったりとしたテンポで厳かに進行しています。演奏時間もTotalで127分18秒です。
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私の好きなミサ曲ロ短調はThomas Hengelbrock指揮、Freiburger Barockotchesterによる演奏です(DHM:05472 77380 2, 1997,BMG Music)。この演奏は、すか~っとした天空に抜けるような響きで、爽快感があります。是非このCDも聞いてみて下さい。

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平均律クラヴィーア曲集について

2005-10-19 21:40:33 | 音楽
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平均律クラヴィーア曲集はピアノ作品の旧約聖書と言われています。バッハの生存中には出版されず、作品完成から80年ほど経った1801年に出版されています。それまで、バッハの弟子たちを通じて、手写譜の形でピアニストの間では広く知られていたようです。最近、ダニエル・バレンボイムの平均律クラヴィーア曲集がWarnerClassicsから発売されています(第1巻:WPCS11764/5、第2巻:WPCS11873/5)。グレン・グールドの演奏とは違って、現代的でロマンチックな印象で、少し抑揚を付け過ぎているかなっという所がありますが、現代音楽のように聞こえるところもあり、バッハ音楽が時代を超越してることを改めて感じさせる演奏です。全体的にテンポが遅く、演奏時間は長くなっています。

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