年度初めの忙しい時期はぼちぼち落ち着いてきましたが、制度の朝令暮改への対応には本当に困ってしまいます。音楽を聴く暇もなかなか取れないのですが、最近出版された「マタイ受難曲-1742年頃バッハ最終演奏版-」(LINN CKD 313)(3SACDs)(ジョン・バット指揮、ダンディン・コンソート&プレーヤーズ)(録音:2007年9月3日-6日)(左図)を聞いてみました。聴いた瞬間に思い出したのが、右図の「マタイ受難曲」(UNIVERSAL UCCA-1029/30)(2CD)(ポール・マクリューシュ指揮、ガブリエリ・プレイヤーズ)(録音:2002年4月)です。両者ともに、“a single voice to each part”(声楽パートが1パート1人)の演奏です。この演奏形態が本来のバッハの目指した演奏法なのかどうかという難しい議論は専門家に任せておきますが、個人的には、マクリューシュの演奏を聴いてから、1パート1人の方が、聞きやすく好きです。ジョン・バット指揮の演奏は、マクリューシュのきびきびとしたシャープな演奏に比べて、やや落ち着いた、しっとりとした印象です。
マタイ受難曲は大曲ですが、最近、BGMとして聴くと非常に心地よく感じるのに気付きました。少し音量を抑えて、何気なく聞き流すと、宗教的なイメージが薄らいで、美しいメロディーが微風のように流れてきて、軽快な感じがします。
“空前の超豪華装丁と実力派演奏者陣による史上最強のクリスマス・オラトリオ!”とのタイトルの「J.S.バッハ クリスマス・オラトリオ BWV248」(CHANNEL CLASSICS CCS SA 20103)が店頭にあったので、ちょっと値段が高かったのですが、あまりにも豪華そうだったので衝動買いをしてしまいました。ジョス・ファン・フェルトホーフェン指揮、オランダ・バッハ協会管弦楽団、オランダ・バッハ協会合唱団による演奏です。左の写真がCDが入っているケースで、右の写真が、分厚い、写真がいっぱい掲載されている解説書とCDケースがおさまっているフェルト風のCDボックスです。
期待を込めて恐る恐る聞き始めましたが、うーん、これが史上最強かなぁ....、。確かにいい演奏なんでしょうが、第一部の冒頭から、ウーハーなしでもティンパニーが妙に響き、高音がクリアでなく、全体がぼやけた印象です。全体を通じて、低音域が響きすぎて、高音域がぼやけていたため、アンプで調整してみた所、まずまず聞きやすくなりました。多分、私のオーディオがあまり良くないんだとはおもうのですが......。
低音を抑え、高音を増強して、全体を聞きなおしてみました。全体的にまろやかでマイルドな雰囲気が漂っており、静かに横になって休みながら聞くと、ふわーっと天に昇って、雲の中に入って天使に囲まれているようで、心安らかになる感じです(いつも感じるのですが、音楽の印象を言葉で表現するのは本当に難しいですね)。BGMとしても良いかも知れません。史上最強というより、オーソドックスな真摯な演奏のように思います。でも、良く分からないのですが、レコーディングというか、最終的な音の調整があまり良くないのではと感じますが、どうでしょう。一度、オーディオ専門店の高級機種で聞いてみたいと思っています。
やっと、αレーベルのカフェ・ツィンマーマンによる「J.S.バッハ:さまざまな楽器による協奏曲集-Ⅰ(α013)、Ⅱ(α048)、Ⅲ(α071)」が揃いました。最小編成で、本当に素晴らしい生き生きとした演奏で、各パートのメロディーも良く聞き取れ、感動的でした。一挙に何回も何回も飽きずに聞きました。ここ2,3日は夜中も早朝もこれらのCDをかけっぱなしの状態です。今も、管弦楽組曲第1番を聞きながらブログを書いています。特に、第Ⅲ巻のブランデンブルク協奏曲第4番は特に惹き込まれました。何ともいえない躍動的な心躍る感覚は天にも登る程の感激でした(チョット大袈裟ですが...)。カフェ・ツィンマーマンの演奏スピードは全体的に速めですが、バッハの音楽はやはり演奏テンポが速めの方が、バッハの持っている本来のエネルギッシュな面が伝わりやすいのではないかと思います。これらの3つのCDを聞いて、いままで何回も聞いていた曲が、またく別の曲を聞いているような感覚になり、非常に新鮮に感じられました。私のとって過去最高の協奏曲集です。本当に素晴らしいの一言です。
ゼレンカ(1679-1745)の新譜を見つけました。METRONOME(MET CD 1082)で、Penelope Rapson指揮、Fiori Musicaliの演奏です。CDのカバー写真は、エルベ川の右土手から見たドレスデンの風景で、Bellotto, Bernardo(1720-80)による1748年製作の油絵のようです。この絵画の全景も見たくなります。作品は、①Requiem in C minor ZWV 45 (First UK recording)、②Miserere in C minor ZWV 57 、③Lamentatio pro Die Veneris Sancto ZWV 53、の3曲です。これらの曲の詳しい成り立ちは良く解りませんが、とにかく神聖な感じで美しい曲です。(英語解説では、第1曲目のrequiemにはバロック様式より新しいギャラント様式の所があり、ゼレンカの作品かどうか疑問が残る部分があるようですが、全体的にバロック様式でありながら、少し新しい風が流れているように感じます。間違っていたらすみません.....)
Hyperionからアンジェラ・ヒューイットのDVD「バッハ・パフォーマンス・オン・ザ・ピアノ」(DVDA 68001)が出たので、早速取り寄せてチビチビと見てみました。以前まで、バッハのピアノ演奏はグールドが一番と、洗脳されていたのですが、最近、ヒューイットによるバッハ作品を聞き続けていると、グールドより魅力的では、と感じてきていた所でしたので、私にとっては非常にタイムリーこのDVDが発売されたので、すぐに取り寄せてみました。
DISC1でのレクチャーを聴いて、ヒューイットの魅力が何処から来ていたのかが、理論的に手に取るように解り、“なるほど”といった感じです。専門的な用語も多く、十分に理解出来ないところもあるのですが、非常に勉強になります。このレクチャーの中で、“バッハのピアノ演奏をノンレガートに音を切って演奏するのであれば、チェンバロで弾けばいいのであって、ピアノはチェンバロより豊かな表現が可能な楽器であり、そのような演奏法に拘らず、各声部が聴き手によく聞き取れるような工夫が必要である....”との趣旨の発言があり、グールドの演奏に対する批判とも取れなくはないところがあり、特に印象に残りました。
イタリア協奏曲の演奏を、ヒューイットとグールドで聴き比べると違いが良く分かるように思います。グールドの演奏はもちろん神業的で最高ですが、ヒューイットの演奏の方が不思議に魅力的に感じます。特に第2楽章(緩徐楽章)を飽きささずに魅力的に弾くにはかなりの技術を要するのではと思われますが、ヒューイットの演奏は今までのピアノによる演奏の中では最高と思います。この2人の演奏の違いが、このDVDを見て少しは解ったように思います。
今日、東京から出張で帰って来ました。東京は雨で、飛行機からの視界も悪かったのですが、途中で雲の切れ目から、赤石山脈(?)らしき山々が見えました(左の写真)。また、珍しく東京行きとおぼしき飛行機が反対方向に飛んでくる機影が、少しの間に2機も見えました。結構、早いのにビックリしました(右の写真の主翼の少し上です。シャッターのタイミングが遅れて、はっきりは写ってませんが....)。帰るとさすがに疲れがドーッと出ました。銀座若菜の漬物を買って帰ったので、久しぶりに食べましたが、やはり美味しいです。
会場は東京国際フォーラムで、立派な建築で綺麗ですが、何回行っても複雑な構造には参ってしいます。Office2007の簡易講習会もしていて、チョット覗いてみたのですが、結構、グラフィックの機能が強化されており、便利になっていたので驚きました。Vistaが発売されてからも、newパソコンを買うときには、いつもXP(professional)とoffice2003の組み合わせをあえて選んでいたのですが、今度はVista+office2007も検討しようと思いました。でも、純粋な仕事には必要ないのかなぁ......。
左の写真は、帝国ホテルのインペリアルフロアの客室です。最近、改装されたみたいで、雰囲気も良かったです。
さあ、明日からまた仕事です。
年度初めの忙しい時期がやっと一段落しそうな雰囲気です。
先月の3月29-30日は博多に久しぶりに出張に行ってきました。初めてN700系のグリーン車に乗ってみました。特に椅子のすわりごごちは最高に良かったです。もう少し乗っていたかった位です。照明も丁度良くて、落ち着いています。読書用の照明が肩の後から来るのは面白い趣向です。
会場は、左から、①福岡国際会議場、②福岡サンパレス、③福岡国際センター、④マリンメッセです。
かなり久しぶりに海辺のベンチに座って、海を眺めることが出来ました。
① ② ③ ④
宿泊は、ハイアット・リ-ジェンシー福岡で、エントランスに入ったら、綺麗な吹き抜けで、客室が円形に配置されていて、面白い建築です。若いスタッフの接待も良く、雰囲気も落ち着いていました。
出張後、口唇ヘルペスが出て、かなり痛かったです。
もう少しして、落ち着いたらまたゆっくりバッハの音楽を楽しみたいと思ってますが、今週末はまた東京への出張で、まだまだ忙しいかなぁ......。