バッハと音楽についての道草日記

~気になる音楽、ドラマ、書籍、雑誌等についての雑記帳~

クリスマス・オラトリオについて

2005-11-28 23:30:02 | 音楽
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もうあっという間に年末です。またクリスマスが来ます。特別クリスマスといっても何もすることは無いのですが、最近は、バッハのクリスマス・オラトリオをクリスマス・イブ前後に聞くようになりました。バッハの時代に思いを馳せながら、タイムスリップした気分で、その当時教会に礼拝に来ていたであろう聴衆の気分になりながら聞いています。特に気に入っているのはこの2つのCDです。左はジョン・エリオット・ガーディナーが1987年1月にロンドンで録音したCD(ARCHIV、POCA-9038/9)で、右はマルティン・フレーミヒが1974-75年にドレスデン・ルカ教会で録音したCD(ドイツシャルプラッテン、TKCC-15184)です。
2005年11月27日に日本キリスト教団松山教会で、松山バッハ合唱団によるクリスマス・オラトリオの第Ⅰ~第Ⅲ部の演奏会がありました。橋本眞行氏の指揮です。地方でこの曲が演奏されるのは非常に稀で、私も始めて生演奏を聞きました。CDでは合唱に掻き消されてしまうようなフルートやオーボエなどの繊細な響きが聞き取れて新たな感動を得ました。また、指揮者の橋本氏には演奏会後の慌ただしい中でサインを頂き、誠に有難う御座いました。
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グレン・グールドの映像(その2)

2005-11-27 19:55:30 | 音楽
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グレン・グールド(1932-1982)の新しいDVDがやっと出ました。キングレコードからで『グレン・グールド ロシアの旅』というタイトルです(KIBM-1026)。解説者の宮澤淳一氏によれば、2002年9月24日(グールドの誕生日の前日)にCBC(カナダ放送協会)で放映され、2003年3月、第21回モントリオール国際芸術映画祭グランプリ受賞をとった作品だそうです。1957年5月(グールドが24歳の時)、当時のソビエト連邦に訪問したときの経緯と足跡をたどったドキュメンタリーである。モスクワとレニングラードで4回ずつ、計8回のコンサートを行っている。
残念なのは、このDVDではグールドが実際に演奏している映像はごく僅かで、カット的に挿入されているだけで、その時の演奏旅行に携わった人々の証言が主な内容となっている。その中にはアシュケナージやロストロポーヴィチらも出演している。この映像を見ると、グールドのロシア人に及ぼした影響の大きさが手に取るようにわかります。特にバッハの演奏は新鮮で強烈な印象を与えたようである。それらの証言のなかでグールドの演奏を、“彫刻を作るような演奏”、“音の画家、詩人”、“誰にもまねできない天才”といった形容が出ているが、まさしく《空間の中から神の音を削りだすような演奏》といえよう。でも、もう少し長くグールドの演奏している映像が欲しいところです。まだまだ秘蔵で公開できないのかな~、あ~残念!。

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平均律クラヴィーア集について(その2)

2005-11-21 21:49:27 | 音楽
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最近、アシュケナージが平均律クラヴィーア集のCDをデッカから発売している(2004,2005年録音、UCCD-1148/50)。アシュケナージによるバッハの作品のCDは、日本ではほとんど発売されていないと思う。アシュケナージには1996~1998年に録音したショスタコービッチの24のプレリュードとフーガのCDがやはりデッカから発売されているが(POCL-1884/5)、その流れで今回の録音となったのであろうか。ちなみに、ムストネンが1997年にバッハとショスタコーヴィッチのプレリュードとフーガの両作品を取り混ぜた非常に面白い企画のCDを録音している(BMB、BVCC-34006/7)。
このCDはアシュケナージの初のバッハ演奏であり、興味深く聴いてみた。軽快なしかも正確なタッチで、特にテンポの速い楽曲では彼ならではの演奏である。CDも3枚で、演奏時間も短めである。しかし、グールドやグルダのような強烈な個性は感じられず、他の作曲家の作品と同様の彼なりの流儀で演奏しているように思われ、バッハに特別に愛着があるようには感じられないのが残念である。解説者の諸石氏は“彼にとって、この《平均律》は一つの到達点であると同時に、さらなる出発への決意表明としての意味を持つ、そんな気配を感じさせる。”と述べている。私も彼のバッハ演奏にはもっともっと可能性があるように思える。次の作品を楽しみにしている。

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グレン・グールドの映像

2005-11-08 23:59:45 | 音楽
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グレン・グールドのDVD映像を以前から探しているのですが、なかなか発売されず、心待ちにしています。昔、LD時代にはいくつか発売されていたように記憶しているのですが、DVDにはなかなか成りません。私が持っているのはこの3枚だけです。左が紀伊国屋書店からの“グレン・グールド 27歳の記憶”、真中がEMIからの“Glenn Gould The Alchemist”、右がSonyからの“The Goldberg Variations”です。左からそれぞれグールドの若い時、中年の時、晩年の時の様子が良くわかります。歳月を経るとこれだけ風貌が変わるのかと少しビックリです。“グレン・グールド 27歳の記憶”ではグールドの若さが魅力的で、特にイタリア協奏曲の録音風景が生々しく録画されていて感動的です。
この他に発売されているDVD、LDがあれば、是非教えて下さい。

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イタリア協奏曲BWV971(ピアノ編)

2005-11-06 19:47:46 | 音楽
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ここ1週間、アンジェラ・ヒューイットのピアノによるイタリア協奏曲を聞いています(hyperion:CDA67306)。これまで、グールドによる演奏(1959年録音)が一番と思っていましたが、ヒューイットの演奏もなかなか感激ものです。音の強弱、テンポの変化、左右の手が奏でる旋律のバランスの変化が絶妙です。第1楽章は単調になりがちですが、彼女の演奏には楽しさ、軽快さ、奥ゆかしさが感じられます。第2楽章も程よい緩除さで、深みを感じさせます。第3楽章もグールドと同様の早いテンポで、楽しく駆け抜けていきます。ただ、第3楽章で右手の旋律のタッチがやや荒々しい所があったり、左手の旋律がやや聞こえにくい所がありますが、個人的にはお気に入りです。
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グールドは、ゴールドベルグ変奏曲と同様に、若年期と晩年期の2回録音しています。1回目は1959年6月、ニューヨークでの録音(左の写真、未完のイタリアン・アルバム、Sony:SRCR1855)で、2回目は1981年8月、トロントでの録音(右の写真、シルバー・ジュビリー・アルバム、Sony:SRCR2289-90)です。若いときの録音の方がテンポが速く、第3楽章では特に息も尽かさず一気に駆け抜け、グールドの若さを感じます。この第3楽章は何回聞いてもまったく飽きません。グールドの繊細かつ大胆で、一点のミスや狂いもなく、1本1本の指の先端まで神経が行き届き、一定のリズムでコントロールしていく様は圧巻です。グールドの独特な解釈も魅力です。晩年の録音はやや遅めのテンポですが、左手の旋律をはっきり強めに弾いており、曲の構築がはっきりしています。
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ファジル・サイもこの曲を録音(シャコンヌ!~サイ・プレイズ・バッハ、TELDEC:WPCS10571)しています。サイの演奏も生き生きして魅力的ですが、グールド、ヒューイットに比べると、少し平凡にも聞こえるかな~?
是非、皆さんも3人のCDを聞き比べて見て下さい。特にヒューイットのイタリア協奏曲は期待していなかっただけに、グールドにはない魅力があり大変良かったです。


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