何と言っても、連なる山々の荘厳な映像に尽きる映画だと思います 雪のないときも、雪崩だったり雨だったりでも、太陽が雲海の中にそびえているのも、珍しい動物や虫が横切るのも。どれもこれも、溜息が出るほど美しかったです。これは映画館の大スクリーンで観るべき。
軍の要請で、日本地図完成に必要な三角点を立てるため、柴崎を先頭とする測量隊が、まだ未踏の地である立山連峰の劔岳登頂を目指す
雪崩や大雨や急傾斜やら、あまりにも過酷な命がけの登山 明治40年という時代、服でも備品でもたぶん性能も悪く重くて大きくて、それだけでも大変な負荷だっただろうな、と、登山には素人な私でも簡単に想像できる。
そんな大変なことに立ち向かい、成し遂げるには、信頼できる仲間――案内人達。 それから、競争しお互いを高め合うライバル――山岳会の面々。そういうものが必要不可欠ということなんでしょうね
登山家三浦豪太さんの、日経夕刊連載中のエッセイ「探検学校」を読んでいますが、そこでひしひしと感じさせられたシェルパとの信頼関係の重さ。それがこれか~、と納得した次第
点の記、というのが、三角点の記録だということも、お勉強になりました
ただ、CGなしの山々の美しさ、厳しさ、壮大さが素晴らしかった分、ドラマ的にはもう一つだったかな、という気はした。
浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオル、國村隼など曲者揃いだったせいで、どこかで誰かが「ふっふっふ」といつか変貌するのかも、なんて始終心配し通しで……(^^;) でもそれが案外みんな普通の人だったので、よかったんだか肩すかしだったんだか
手旗信号のエピソードも、六大学野球みたいにお互いの検討をたたえ合うのはよかったのだが、……長すぎない? あれだけ長い文章が正確に読み取れるのかな……とかこちらも要らぬ心配を 手旗って、一言二言伝えるくらいが適当なような気がして。
けれど、やはり充分異世界に連れてってくれる映画。映画館で観られて良かった。
ただ、私の行ったところは、空調が悪かったのか控えめすぎたのか、あの極寒の映画を汗だくだくで2時間20分。あやうく熱中症になるところでした……