不覚。
まさかこんなにやられるなんて……
以下の理由で、そんなことはあり得ないはずだった。
1.あざとく泣かせにかかるとわかる映画はシラケてしまうひねくれ者なので、泣けない。
2.幼児体験から、犬があまり得意ではない。
3.観る前からストーリーはほぼわかっている映画だった。
なのになのに~~~……、どうしてこんなにボロボロに泣けてしまったんでしょーか
ある大学教授に拾われた子犬のハチは、彼と共に暮らし、彼の行くところどこにでもついていき、心から彼を慕う。だが教授はある日、「5時にここで」と駅で別れたきり、帰らぬ人になる。けれどハチは待ち続ける……
ただただ、それだけの話です。いい話は一行のあらすじに集約できる、と言われたことがありますが。
もちろん、ハチには全くセリフはありません。
ハチが愛らしくて可愛いご面相だということはさておいたとしても。
待ち続けるハチのけなげな姿を、途中からとても正視できなくなってしまいました。特に、10年ぶりにその駅に降り立った奥さんがそんなハチに気付いて衝撃を受けたところなんか……もうぐちゃぐちゃでした
何だろう。ハチがいとおしい? 可哀想? 哀しい? 切ない……? 何かどれとも違う気がするんだけど、どうにも胸が詰まって涙腺が壊れてしまった。押しつけがましく「泣け」という感じじゃなかったのもまた一役で。。。
映画で号泣するなんてほとんどなかった私なので、どうしていいかわからなくなり、とにかく洟をかみっぱなし
ハチを応援する駅前の人々の優しさにも胸を打たれます。彼らがハチのやりたいようにできるよう一歩ひいて見つめているのが、アメリカっぽいなと。
犬の目線から、周りに起きたことを見るような演出も、淡々としていて良いです。
リチャード・ギアは、「愛と青春の旅立ち」の頃より年取った今の方がずっと好き。そして本当にハチと仲良さそうでした。
また、ギアを音楽の教授に設定したのもポイントですね。要所要所のピアノの調べがとても効いていました。
動物は、寿命が短いのでどうしても先に死なれてしまって哀しい。でも、主人に先に死なれた動物の方がもっと切ない。そんな風に思いました。
ただ、人間だったら大切な人を失っても、他に生き甲斐を見つけて生きて行かなくちゃいけない。でも、ハチは最期まで大好きな人を思い待ち続けることができて、ある意味幸せだなあと思ったりも。
下手な純愛映画よりよっぽど泣けてしまいます