この絵を描くときに見た写真は、53才の時に撮ったものです。54才で乳がんが見つかり、私の健康な時代の最後のころです。
この後は、ずっと病気をしているか、治療をしているという感じでいました。
絵は、私には似ていません。50代前半の女性の絵という感じで見ていただくといいと思います。
40代で、自分のやりたいことは何だろうといろいろ悩み、やってみたのですが、何もわからず、50代に入る頃には、庭に薔薇を育て始めました。
生き物を扱うことはとても面白く、薔薇づくりにだんだんはまっていきました。本当は、庭仕事は嫌いだったのにです。
このころには、薔薇の庭もかなり思うようになり始め、薔薇のこともわかるようになり、面白いと思っていました。
そこで、病気です。薔薇も50本以上ありましたから世話も大変で、暗澹とした気持ちになりました。そして、薔薇からもだんだん気持ちがはなれていきました。
病気になったときに思うのは、いつ回復するかということです。将来は病気にかかわることしかありません。健康というのは、違うカプセルの中の物語、という気がします。
こうして、だんだん年を取り、病気があって当然という状態の中で、今は生きています。健康がどんなものだったかということも忘れてしまいました。
死の時まで、体が自由に動き、心が羽ばたいているという風であったらいいなあとずっと思ってきました。
この絵のころまでは、自分の老後はそんな風で、老後は夫と楽しい時間を過ごすつもりでいたのでした。今のような時を過ごすとは、夢にも思っていませんでした。そんなのんきな時の写真を見て描いた絵です。
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