「ペスト」
カミュ著、宮崎嶺雄訳、新潮文庫、1969年10月
カミュといえば文学史に出てくるような作家で、
著書は一冊も読んだことがありませんでした。
「ペスト」は感染症を題材にした小説です。
昨年来のコロナ禍で再び脚光を浴び、
新潮文庫の男性に売れた本第2位とのことでしたので、
自分も手に取ってみました。
小説の舞台は1940年代、フランスの植民地だったアルジェリアのオランという都市です。
カミュはフランスの作家ですが、出身はアルジェリアだそうです。
この時点ですでに日本人にはとっつきにくくなっている気がします。
主人公は医師で、周囲の人と協力してペストの脅威に立ち向かいますが、
一人また一人と亡くなっていきます。
あらすじは案外シンプルです。
ただ宗教的、叙情的な表現が多く、何を言っているのか分からなくなり、
あらすじを理解するのに一苦労です。
小説ではありますが、失業者が溢れたり、物事への興味・関心を失いがちになるのは、
いまの新型コロナに共通しています。
新潮文庫「紅白本合戦」第2位。
NHKの「100分 de 名著」のWebサイトが、政治的思惑も含んでいるようには見えますが、
分かりやすかったです。
名著77 カミュ「ペスト」:100分 de 名著
この本を読んでいる頃に食べた、らぁ麺はやし田の「のどぐろそば」(1,000円)。