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拉致の解決を願って
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戦略情報研究所講演会 恵谷治氏(7 )

2006-04-09 | 集会テキスト
「米軍の対北朝鮮軍事作戦と拉致被害者救出作戦 講師:恵谷治氏」レポート その7

『質疑応答 2』

★質問者2

今日は参加できて、先生の具体的で素晴らしい話が聞けてありがとうございました。
大変参考になりました。

先に申し上げたいんですけども、私はイラク戦争を支持しています。
独裁政権と言うのは倒さなければならない、と思ってアメリカ軍も頑張ってるんですけども、その北朝鮮への軍事作戦。
今日ちょっと遅れてきたんで前半の方話が聞けてないんですけども、アメリカ軍は北朝鮮の政権を倒す為に行動を起こすのはわかるんですけど、作戦を実際に起すにはいろいろと問題が起こるみたいで、韓国との連携の事もありますし、政府は北朝鮮寄りでもありますし。

拉致問題と言うのは日本だけじゃなくてタイとかイタリアも拉致の被害にあってるんです。
で、軍事作戦を起すんであれば多国籍軍の形で北朝鮮に進軍して行って、イラク政権の時のようにちょっと横暴かもしれないけど政権を倒す。
今の状態だとクーデターを起そうにも、結局軍とかに抹殺される状態なので、アメリカ軍がやったみたいに先制攻撃を仕掛けて倒すしかないと思うんですけども。
先生はその辺はどうお考えなんでしょうか?

★回答 恵谷治氏

今あなたの仰ったのは、拉致救出のために多国籍軍を作るということとは別に、と言うことですか?
同じ事ですか?

★質問者2

拉致被害にあってる国が複数あるので、拉致被害にあった国も巻き込んで、アメリカだけではやっぱり、まだアメリカだけではなくて他の国でも金正日政権を倒して、その後も軍事政権を倒すんであれば、イラク戦争をやったときもアメリカは占領軍みたいな形になってますけど暫定政権をおいて、宗教対立とかもありますので向こうはまたややこしいんですけども。
北朝鮮は行く行く先は朝鮮が一つになるのが望ましいと思うんですよ。
脱独裁政権、脱共産党政権を打倒、なくして新しい政権を置いていく必要があると思うんですね。

それと同時に今回は拉致被害者の救出と言う事でありますので、そのために日本は実際平和憲法9条がありまして、日本は他国を侵略してはいけないとか数々の問題があるんですけども、その辺の問題もクリアにして・・・

★恵谷治氏

侵略しちゃいかんと言うのは問題です。

★質問者2

いまでも憲法の方では戦争の放棄とかうたってますよね?
徐々に徐々に自主的に憲法が・・・

★恵谷治氏

分かりました、言わんとする事は分かります。
つまり拉致被害者を救出すると言うことは、今日の今回のテーマと言うか、これは軍事オペレーションとしてどの程度どういう形だと可能か?と言うことであって、それとは別にあなたは北を潰せばいい。
私もそう思います。
すぐ潰すべきです。
しかし、それは簡単には出来ません。
これは大変なイラクでもまだ成功していませんし、それを今度北でもやると言うわけには行きません。
ブッシュ政権もおそらく軍事作戦によって、今の現状ではですね。
倒す気はないと思います。

しかしそうであればあるほど拉致被害者をどうするか?と言う事を考える。
で、あなたの意見は多国籍軍にしてはどうか?と言うことですが、これは秘密保全上それは不可能です。
救出作戦を成功させると言うのは、本当の意味の秘密作戦でやらなければあのような国では出来ません。
ですから、お気持ちは分かりますけども先ほど来言って来たのは、作戦軍による作戦ではなくて特殊作戦でやるべきだと、言う事です。

★質問者3

すみません、川崎市に住んでいる○○と申します。
宜しくお願いします。

まずですね、先生が仰った話で行きますと、今アメリカのほうが北朝鮮に今すぐこの5030の作戦をもって締め付けるという事に出ているという事なんですが、この先ブッシュ政権の後の選挙になった場合に、どなたが選挙になるのか分かりませんけど、この作戦自体がそもそも継続されるか?と言う辺りをまず、先生はどう思っていらっしゃるのかと言うのをお聞きしたいのと。

あと、増元さんが先ほど仰ったんですが、川の向こうの満州側には中共軍がいると言う状況の中で、アメリカが締め付けを行っているんだけども、つまり目標地点としては金正日体制を潰したいとアメリカ側がする場合に、じゃあその混乱に紛れて中共軍が下りて来るのかどうかと言う危険があれば、分かっているのであれば、アメリカとしてはそことの絡みはどうしたいんだろう?と言うのが気になった所はありました。
つまりアメリカが中国にあげても良いと思っているのなら、金正日体制を潰すのも中国のバックアップになってしまう事を彼らは良しとしているんだろうか?と言う所が何となく気になりました。
それは私の考え方と言うのがちょっとおかしいのかもしれませんが、その辺のいわゆる中共と事を構える気があるのかどうか?アメリカが。
その辺がちょっと気になったと言う点があります。

あともうひとつ申し訳ありませんが、説明をお願いしたいんですけど。
韓国の状況、先ほど先生が毎年行かれてこういう状況に対して絶望的になっていくと仰っていましたけども、よく文献なんかで見ますと韓国側からすれば北朝鮮と統一される場合は経済格差の問題で、自分の国の国力が落ちてしまうから、北と統一したくないという意見は良く聞いていて、それもあるんだろうなと私も思っていたんですが、今の結局の盧武鉉政権以下の、いわゆる親北の寄り方と言うのは統一したくないからそうなのか?
それとも気持ち的に思想的に共鳴していてそうなのか?と言うその辺の、どういう意図なのかが良く分からないという事が素人目にもありまして、その辺の事を先生はどういうふうに分析していらっしゃるのか?拝見したいと思いましたのでよろしくお願いします。

★恵谷治氏

中国との事を考えなくてはならない。
そこからお話したいと思うんですが。
これは基本的にですね、現状維持といいますか。
北朝鮮はアメリカのいわゆる影響下には無いと、要するに中国の属国であると。
で、金正日政権が混乱に陥り、あるいは倒れ、あるいはその間に中共が進出なんかすると。
と言っても中共軍は絶対に38度線は絶対に越えません。

そうするとそこにあえて米軍は首を突っ込まないと言いますか、そのときに先ほど言いました5029は韓国軍の支配でやると、いう事になってます。
ですから簡単な結論で言うとアメリカ軍は中共と事を構える気持ちは全くないと。
それは北朝鮮においてもであります。
しかし、いずれにせよ21世紀は中国とアメリカの対決は定めなんです。
そんなところでは対決したくないと、言うのがあると思います。

それと最初の質問の5030が今も進んでいますけども、大統領選挙になったらどうか?と。
基本的には続くと思います。
しかし共和党政権から民主党政権に代われば何らかの影響、つまり予算の問題その他で内容が変わるかもしれませんけども、軍のオペレーションが続いている限りは私は続くというふうに考えています。

いずれにしても民主党政権も北は何とかしなければならないになるんです。
仮に民主党政権になったらなったで北は核の問題を含め、何らかの対処が必要であると言うのはこれはアメリカ人の一致した考えと思いますから、規模は変わるかも知れませんが作戦自体は私は続行されると言うふうに思います。

それと最後のは、韓国・・・

★質問者3

いわゆる盧武鉉政権が北よりなのは、統一したくないからなのか?
それとも別の意図、思想的なシンパシーがあるのか?その辺を、どのバランスなのか良く分からない。

★恵谷治氏

はい。
この南北統一問題と言うのは、統一はわれらの願いと言う歌があるように彼らは南北ともに思っています。
ところが今言われたように、ご存知のように東西ドイツ問題で西ドイツ側の負担が大変大きかったという事が判明した段階で、韓国は統一と言う事を言わなくなりました。
それはまだ赤化政権で無い時代。

ところがそれを逆手にとってですね。
金正日が考え出した戦略は民族統一、民族を主体に出して。
この通常民族と言う言葉は言う所の左ではなく右が使う言葉を先にですね。
金正日は民族と打ち出して南を揺さぶった。
誰も民族統一と言う物を反対と言うことは普通ありえない。
南北統一だったらさっき言ったように南と北で分けておこうと、言うことが言えますけども、民族統一でどんどんいわば洗脳されていったと。

ですから形としては南北統一と言うのに向かって反対は無いんですが、問題はですね。
この実態は何か?
すでに新聞その他でも、あるいは雑誌で解説があると思うんですけども、2001年の南北頂上会談で取り決めたことはですね。
金大中大統領が提唱した国家連合、南と北が連邦国家と。
低い段階で、言葉は別としてとにかく国家連合的な物を作ろうという約束をしました。
で、それが現在進んでいてですね。
進んでと言うか今度改めて、6月行くかどうか分かりませんが、金大中自体が北に行くと。
と言うことはその話をもっと具体的にすると言うことです。

この本質は何かと言うと、これを進めていくと北朝鮮主導による統一が完成する。
北朝鮮と韓国が名称は別として連邦国家を作る。
その連邦大統領と言う職責が出来る。
連邦議会が出来る。
連邦議会の代議員を人口比で行けば2対1で、韓国が100人北朝鮮が50人の代議員が選出されて平等な議院運営が出来る。
ある議題が提出される。
一つの議題について北朝鮮が提出する議題はですね。
50プラスいくつでも良い訳です。

で、現在の韓国の世論を見ると北朝鮮支持が3割。
これを連邦議会の代議員に当てると30人が北朝鮮の提案に賛成するだろう。
理論的には7対8で、北が提案する議題は全て可決される。
となると大統領は金正日がなる。
後は全て法律が北主導で可決されていく。
これが現在のシナリオです。

これは現実的に稼動していてですね。
もし金大中が行き、先ほど行ったアメリカの圧力を感じて南北が首脳会談をする。
そうすると今の国家連合と言うのはもっと先に進む。
この間約束しました。
そうすると次は何年何月までにこういう形で選挙をしようとか、あるいは・・・(聞き取れず)を決めようとか、具体的になります。
そうするとこれは間違いなく、北朝鮮主導による統一朝鮮が完成するという、これは現実です。

誰もそんなことはならんだろうと、いうふうに思ってますがこれは今のままで行けば間違いなくそうなると。
ですから国民が望むとか望まないとか関係なく、南北で統一国家を進めようと言う約束はこれはしているんです。
そうすると金大中が次に行ったらもっと具体的なプログラムを作ると。
それしかないですから、そうすると韓国民が好むと好まざるとに関らず、そういう流れで行く。
と言うことだけ。
統一したいのかしたくないか、というのとは違う次元で進んでますからね。

★質問者3

どうもありがとうございました。

★荒木和博 調査会代表

今のお話に付け加えると言うか、ありますと。
去年の7月に韓国で世論調査をやって、1980年代生まれの人に対する世論調査をですね。
アメリカと北朝鮮が戦争をしたらどっちにつくか?と、6割くらいが北朝鮮につくというふうに回答しています。
で、ところがその一方で将来移民とか仕事で外国に住むとしたらどこがいいか?と言うと、北朝鮮と答えた人は全く一人もいなかった。
一番多かったのはオーストラリアで17・何%で、その次がアメリカの16・何%で、3番目が日本で15・何%。
オーストラリア・アメリカ・日本で殆ど変わらないと。
日本が、これだけ反日教育をやっても、それでも行きたいと思っている。
アメリカが2番目だと。

物凄いギャップがあるんですけども今恵谷さんが言われたように、仕組みとしてはまさにその仕組みで動いていて、特に来年12月が大統領選挙ですから、もし大統領選挙で負けてしまったら、当然今の政権側は報復を受けるだろうと言う事は十分考えているわけでそうしない為には絶対後戻りできない所に持って行こうと、言う事を至上命題にしている感じがします。
まさにそれに従って今恵谷さんが言われたような事が、進んでいると。

後余り時間が残っていないんですけども、今お話がありましたが、これから先やはりいろいろな情報がでてくる等々の事によってですね。
どういう事が出来るか?と言うのが変わってくる事もあるのではないか?
意思の確認とかそういうことまで出来るようになってくるまで可能性はあるのではないか?と言う感じは致しますので。
それが出来て場合によってはその人がある程度動けるような事が可能であれば、例えば東海岸のどこどこへ来てると、言う事でですね。
そこへ迎えに行くと言うことはひょっとしたら可能かもしれない。

あるいはもっと問題が何かあれば、先ほど恵谷さんが言われたゴ・コクレツの息子、ゴ・セウクが船で出たようにですね。
船で海上まで脱出してもらう方が、もし出来ればね。
そこでも引渡しが出来るようになるということ、まぁこれだと一番問題が無い。
と言うことなんですけども、それもこれから先の情報の出方によってはですね。
いろんな事が当然考えられるのではないだろうか?と。
情報をいかに収集できるか?
これは恵谷さんの方から工作員と言うことも言われましたが、これは朝鮮族とか脱北者とかそういう人たちの協力を得る事である程度のことはカバーが出来る可能性がある。
これは拉致問題の進展によって、北朝鮮の政府にも当然圧力はかかるわけですから、脱北者の人からしてみればそれによって金正日の政権を倒すことに近付くんではないだろうか?
と言うふうに思えばですね、お互いに共通の利害と言う事で可能性も当然あるのではないかと言うような感じが致します。
そこへ持って行かなきゃいけないと思うんですけども。

実は先ほどご挨拶に出ました山谷政務官のところにですね。
昨日行って参りまして、今恵谷さんの言われたそのオペレーション。
それからその前段階での、この中で言うと5029との絡みであります、崩壊の時の邦人保護。
それからそれ以前の段階としても情報収集と、言うことで自衛隊を是非活動する場を設けて貰いたいと。
言うような事をですね。
お願いと言いますか、ご説明をして参りましたので、政務官トップであります鈴木官房副長官にもお話を伝えてくださったそうですから、いろんな事が動いていく中で段々段々に全体が動いていく可能性があるのではないだろうか?と。
と言うか動かしていかなければいけないだろう、と言うふうな感じです。
恵谷さん、最後に何か・・・

★恵谷治氏

きちんといわゆるオペレーションと言う物を紹介出来なかったんですが、もしいつか機会があれば過去の救出作戦と比較しながら皆さんと考える機会が有ればと思います。
ありがとうございました。(拍手)

・・・講演会終了・・・
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