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拉致の解決を願って
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(6)真鍋貞樹 特定失踪者問題調査会専務理事のお話 その2

2005-07-17 | 藤沢市民集会


何故ですか?しかし悪口ばっかり言ったらゴメン、(真鍋氏自身も吹き出す)すいませんね、どうしても悪口言いたくなるんですけど。
しかし、支援室、いや連絡調整室の人たちが20人くらいいるんですが、我々と一緒に「じゃあ調査行きましょう」
行きませんよ!
どっこも行きませんよ!(吐き捨てるような口調)
この問題があるんだけど、これ重要だから一緒に調査、研究しましょうか?
しやせんですよ!

何の権限もないからです。
何の予算もないからです。
なーんの法律的根拠もないからです!
特定失踪者の問題なんて、どっこの法律にも書いてないから(対応が)できないわけです。
気持ちはあってもですよ?
気持ちはある人はたくさんいるけど、そういう法律制度になってるから、できませんということになってしまいます(会場からため息)。

警察。
この拉致問題解決するためにはですね。
この都道府県警の縦の垣根を取り外さなければ、絶対に無理です。
私が担当する場合なんかですね。
一人の失踪者のことを追っかけるためには、例えば山形県出身で、東京で育って、名古屋に転勤して、沖縄に行って失踪って方がいるんですよ。
だから私たちは、山形へ行って調査し、東京で調査し、名古屋で調査し、沖縄に行って調査せなきゃいかんわけです。
一人の調査にですね。

それで、一人の調査の記録をファイリングしてって、それで決め手として認定するという方法論取るわけですけれども。
警察もそれと同じことできるはずなんですけども、警視庁と神奈川県警めちゃ仲悪い。(笑い声)
警視庁と警察庁張り合って情報の交換ない?
そんなことばっかりでしょ?
で、警察庁は、全体をコントロールできるかというと、コントロールできないわけでしょう?
もう行政官庁ということで、捜査権を警察庁が握るってわけじゃないわけでしょう?
連絡調整するだけでしょう?
てなことばっかりやってるわけですね。

一人の拉致事件追っかけるのに、それだけの多くの県警の横の連絡がなきゃできないはずなのに、それができる体制にないわけです。
辛うじてなぜか知らないけど、神奈川県警と静岡県警は非常に関係がいいらしくってですね。
そういうケースもあって、そういう横の連携が上手くいくようなケースもあるらしいんですけれども。
総体で見れば、本当に縦割り、官僚構造そのままのことで、本当にいいのか?と。

それから公安調査庁ありますですよね。
公安調査庁の方々は、一生懸命やっていただいてます。
影ながら。(イヤミ口調でなく、特に「影ながら」を強調しての発言)
そういう人たちですから、影ながら一生懸命やっていただいてますけれども、決定的に限界があるのは、捜査権ないんです。
強制調査権ないんです。
逮捕権もないんです。
だからある意味ではもう工作員に面会して、「お願いしますから情報ください」ということを地道にやっていって、一生懸命集めた情報が、どこかでチョキンとされると。

そして公安調査庁と警察庁めっちゃくちゃ仲悪いでしょ?
おったがい(お互い:真鍋氏強調すると促音になる)の連絡はまったくない。
情報の交換まったくない。
言い出すときりないんですけど、もう一つだけ。
海上保安庁。
海上保安庁重要です、拉致問題において。
しかし、まったく情報の交換を警察と海上保安庁はないんですね。

だからある私たちが失踪事件を追っかけてて、これは船の事件かもしれないとなると警察はもう「あ、これは海上保安庁だから」っていうことになっちゃうわけです。
「そうですか、じゃあ」って言って、海上保安庁行きますでしょう?
そうすると「それは陸の事件だから」ってことになっちゃうわけです。
でもってチョン。
だから陸と海の情報重ね合わせれば、この失踪もしかしたらそうかもしれない、ていう話はたくさんあってもそこで途切れてしまう。

それからもう一つだけ、言い出すときりがないんですけど。
自衛隊の存在がまったくこの拉致問題の中では忘れられてるということです。
自衛隊の能力というのは、自衛隊の情報収集能力というのは、非常に優れたものがあるわけですが。
これが現在の自衛隊法の枠の中で非常に手足が縛られてる。
何よりも、これは仮定の話ですけれども。
北朝鮮に何か有事が発生した、要するにクーデターとかですね。
何かそんなことが発生した仮定しますでしょう。

北朝鮮の国内が、もうほんとに混乱した時に、誰が助けに行けれます?
日本の(拉致被害者が)たくさんいるわけです、めぐみちゃんですとか、市川さんとか、増元さんとか、いるわけですよ。
国井さんとか、加瀬さんとか、藤田進さんとかいるわけですよ。
誰が助けにいけますぅ?(会場から「行かれない」)
ですねぇ?だあ~れも行けませんよ!今。
もうそういう混乱の時には、飛行機があって船があって、何よりも訓練がされて自分たちで(現地の物資や人員に依存せず、自己完結で)行動ができる。
私なんかトイレだって大変だし、ご飯作れったって作れないわけでしょう、私が行くとしても。
やっぱりそれは、自衛隊できちっと訓練を受けた、特殊なそういう救出訓練をしている者しか行けないわけですよね?
それが、今の体制じゃまったく行けないですよ。

自衛隊ってのは、ご存じの通りミッシング・ソルジャー、要するに戦闘で行方不明になった人たちを救うっていう訓練やるわけですよ。
そりゃ、どこの軍隊もやるわけです。
それと同じ方法論なわけです。
ただそれが日本国内でなくて、海外であるということですから、方法論としてできるけれども、ホ~リツ(法律)が、ない。
ケンポー(憲法)でそれができない(憤懣やるかたない口調)、ということです。
本当に私たちは、政府の官僚だとか何とかを、批判ばっかりしてますけれども、要請ばっかりしてますけども、彼らの本音ってのはそこにあるんじゃないでしょうか?皆さん。

この憲法で、この法律でどうしろというのですか!?
彼らはそりゃ言わないけれども、実際に私が、逆の立場になったらそう言いたくなりますよ!
この法律はこれしかできないと書いてあるんだから、できません、と。
言ったらまた家族会から怒られるから、言わないだけで本音はそこにあるんだと思います。
だからそこの所を変えない限り、この拉致問題の全面解決は、わたくしたちは無いんじゃないかなあというふうに思っております。

ちょっと、過激な話になっちゃいますけれども、実際、今憲法改正論議があるわけですけれども。
この拉致問題をどう解決するんだということを考えたら、やはりその線上の中にこの国の法律。
この国の憲法っていうのをやっぱり考え直さなきゃいけないんじゃないのか?っていうのを、やっぱり真剣に考えていかなきゃいけないんじゃないんでしょうか?

ところが、ていうことで、アメリカでですね。
制定されました北朝鮮民主化法がありますね。
非常にアメリカとしてですね。
戦略をそこに盛り込んでます。
戦術を盛り込んでます。
武力を使わないで、北朝鮮をどうやって民主化させるかという、予算もふんだんに取ってます。
NPOにも何千億円も拠出するっていうのを、既に具体的に始めてます。

日本はどうでしょう?
まあ議論がチロッて出ましたね。
民主党案ってのがチロッて出てる。
それに対抗して自民党案ってのが、チョロッて出てる。
その後どうなりましたか?
消えてしまいました。
国民の皆さんも、それをどうしろ、ああしろっていう声もほとんどなかった。

今、辛うじて北朝鮮の問題に関係してるNPO、NGOの皆さんでちょろちょろっと集まって、どうしようかという、相談と議論は進めてますけれども。
残念ながらとても大きな声にはなってません。
もし憲法とか、何とか、そういうややこしい話がこれも何年かかるかわからないんだとすれば、やはり日本版の北朝鮮民主化法みたいのを、きちっと作った上で。
国家として戦略を決めた上で。
予算も、戦術も、人員も、組織も北朝鮮問題どう対峙するかっていうことを決めてからやらないと。
何時まで経っても、ご家族が全国を訴えて回る。
特定失踪者のご家族がその影でひっそりとその状況を見守っている。
この状況がまたあと10年、あと20年続いてしまうってことをほんとに許していいんでしょうか?
そうなりますよ、今のままだと。
この集会も、あと10年くらい続けなきゃいけないかもしれませんよ。
もうそんな時間はないし、そんなバカなことはもうそろそろやめにしたい、と思っております。

あ、いささかちょっとすいません。
長くなってしまいましたけれども、要するに私が言いたいことは、この国、この国家のありようというものは、やはり根本から考え直さないと、この拉致問題というのは、全面的に解決しない。
拉致問題が事例になって、この他にもた~くさんあるわけです、似たような問題は。
国家政策の中で排除されて、淋しい状況をしていらっしゃる他の例はたくさんあるわけです。
そういった諸々のことも解決できないような日本のままで行ってしまう。
それは許されないことではないか?と思っております。
その上で、何らかの国民としてのお一人、お一人のやはりちょっと覚悟というかですね、そういったものが重要になる問題だろうと思っております。

ウチの荒木は乱暴な人間ですから、来年の12月までに拉致問題解決しなかったら、国会議員は全員辞任しろと言っておりますよ。(苦笑しながら)
本人も責任取るとか言ってやってます。
彼自身は、やはりそういう覚悟を国会議員にも求めたし、自分自身にも課してるというふうに思っております。
私もその覚悟というものを、少し見習ってこれからも頑張って行きたいと思っております。
皆さんもどうか今後ともご支援のほど、心よりお願いを申し上げまして(拍手が始まり、聞き取りにくい)ごあいさつとさせていただきます。(拍手)
ありがとうございました。(拍手)

司会者
ありがとうございました。
踏み込んだ話になりまして、ありがとうございます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このエントリーのテキストは、原良一さん提供のテキストを元にぴろんさんが再構成したものです。
原さんのご好意、ぴろんさんご努力に感謝を申し上げます。(momoedake・金木犀)
参照:話の花束

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