官僚たち 2004 6月1日(火)
“北京で会え”と自分の都合で勝手に決めといて、思い通りに言うことを聞かぬと、お為ごかしついでにイヤミと脅し、もし国民の目が無かったらもっと徹底した恫喝がなされるだろう、天下国家のために愚民なぞは依らしむべしってね。似たような体験を紹介する。
ペルー大使公邸事件も大詰めにさしかかった1997年3月下旬、人質解放時のロジについて外務省対現地策本部から人質企業側に提案がなされた。「マスコミを敵に回すと何を書かれるかわからない、あいつらのガス抜きはどうしても必要だから、解放後の人質の記者会見はやらざるを得ない、しかし青木大使は記者会見には出さない、本部からの通達だ、したがって解放後の記者会見はあなた方民間の人質に出席してもらう」 そう突き放すように命令口調で伝える外務省キャリアMの人を見下した冷たい目つきを今も良く覚えている。
自分たちの(警備上の)落ち度で来客を人質にしておきながら、被害者を表に晒して自分は被害者の裏に隠れて保身をはかろうとするこの傲慢かつ意地汚い姿勢には、人質の命がかかっている故にそれまでずっと我慢してきた民間もキレた、全ての企業が激怒し、人質引き取り場所には「(外界から隔離された最も安全な)日本大使館内を使わせよ」と、何だかんだと抵抗する外務省を押し切り、社有車を大使館敷地内に待機させ人質を回収したあと一斉に引き上げ、外務省には総スカンを喰らわした。
困り切った外務省は解放直後の青木大使に2時間余りブリーフィングをして記者会見に臨ませた。その結果が、フジモリファンのペルー人も呆気にとられ大顰蹙を買った、あのタバコスパスパ、「カーチャンに会えなくて寂しかった」と語った使記者会見である。(上述と別のある官僚はこうも語っていた、「役所もリークによる世論誘導などではマスコミを上手く利用していて、まぁおたがい持ちつ持たれつの関係にはあるんだがね」)
外務省に限らないが政策に関わるキャリア職員に比べればノンキャリの扱いは虫けら同然、自分の息子のような歳のキャリアに顎で使われりゃノンキャリ職員はウップンも溜まる、業者からのピンハネ裏金づくりも公金流用で囲った女も馬も、ノンキャリのガス抜きの意味合いもありキャリアは黙認しかつ便乗している。
こういう上から下まで糞と小便がズブズブに混ざり合ったような組織も外圧に対しては見事に一丸となって徹底抗戦する。2000年から始まった特殊法人改革の動きに際してはキャリ・ノンキャリあげてあらゆる存続理由をでっちあげて存続をはかった、その結果はみてのとおりである。ふだんは天下国家を論じているキャリアも、自分のシマを守るためには国も国民も売る。これは彼等の人間性というより、組織の特性なのだろう、思想の右左も関係なく、いわゆる“官僚的”なあらゆる組織に当てはまるように思える。
今この拉致事件の日本政府対応をめぐって覚える怒りの向く先には、日本政府も民社・共産も自民も、この官僚的組織保全の論理が見えてくる。我々が戦う相手は、金正日に加えにこの官僚の論理である。彼等がマスコミや世間の目を一番恐れるのは、それにより自分たちの権力が削られてしまう場合だけである、そこに大義はない。そして北朝鮮も中国も、独裁体制とは官僚体制そのものなのだ。
曽我さん、これはあなただけの問題ではない、外務省・政府はあなたの生命の安全のことは屁とも考えていない(ことはご自身が一番よくわかっているでしょうが)、自分と組織保全のためのメンツが優先している、そんな下らぬ奴らの下らぬメンツにあなたがこれ以上気を使って差し上げる必要はない、外務省があなたの言うことを聞かないならすっぽかせませんか、味方はたくさんいますから。さいわい参議院選が近い、公示前までなら我々も自由に騒げる、官僚も政治家にはかなわないのだ、つまるところでは。
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“北京で会え”と自分の都合で勝手に決めといて、思い通りに言うことを聞かぬと、お為ごかしついでにイヤミと脅し、もし国民の目が無かったらもっと徹底した恫喝がなされるだろう、天下国家のために愚民なぞは依らしむべしってね。似たような体験を紹介する。
ペルー大使公邸事件も大詰めにさしかかった1997年3月下旬、人質解放時のロジについて外務省対現地策本部から人質企業側に提案がなされた。「マスコミを敵に回すと何を書かれるかわからない、あいつらのガス抜きはどうしても必要だから、解放後の人質の記者会見はやらざるを得ない、しかし青木大使は記者会見には出さない、本部からの通達だ、したがって解放後の記者会見はあなた方民間の人質に出席してもらう」 そう突き放すように命令口調で伝える外務省キャリアMの人を見下した冷たい目つきを今も良く覚えている。
自分たちの(警備上の)落ち度で来客を人質にしておきながら、被害者を表に晒して自分は被害者の裏に隠れて保身をはかろうとするこの傲慢かつ意地汚い姿勢には、人質の命がかかっている故にそれまでずっと我慢してきた民間もキレた、全ての企業が激怒し、人質引き取り場所には「(外界から隔離された最も安全な)日本大使館内を使わせよ」と、何だかんだと抵抗する外務省を押し切り、社有車を大使館敷地内に待機させ人質を回収したあと一斉に引き上げ、外務省には総スカンを喰らわした。
困り切った外務省は解放直後の青木大使に2時間余りブリーフィングをして記者会見に臨ませた。その結果が、フジモリファンのペルー人も呆気にとられ大顰蹙を買った、あのタバコスパスパ、「カーチャンに会えなくて寂しかった」と語った使記者会見である。(上述と別のある官僚はこうも語っていた、「役所もリークによる世論誘導などではマスコミを上手く利用していて、まぁおたがい持ちつ持たれつの関係にはあるんだがね」)
外務省に限らないが政策に関わるキャリア職員に比べればノンキャリの扱いは虫けら同然、自分の息子のような歳のキャリアに顎で使われりゃノンキャリ職員はウップンも溜まる、業者からのピンハネ裏金づくりも公金流用で囲った女も馬も、ノンキャリのガス抜きの意味合いもありキャリアは黙認しかつ便乗している。
こういう上から下まで糞と小便がズブズブに混ざり合ったような組織も外圧に対しては見事に一丸となって徹底抗戦する。2000年から始まった特殊法人改革の動きに際してはキャリ・ノンキャリあげてあらゆる存続理由をでっちあげて存続をはかった、その結果はみてのとおりである。ふだんは天下国家を論じているキャリアも、自分のシマを守るためには国も国民も売る。これは彼等の人間性というより、組織の特性なのだろう、思想の右左も関係なく、いわゆる“官僚的”なあらゆる組織に当てはまるように思える。
今この拉致事件の日本政府対応をめぐって覚える怒りの向く先には、日本政府も民社・共産も自民も、この官僚的組織保全の論理が見えてくる。我々が戦う相手は、金正日に加えにこの官僚の論理である。彼等がマスコミや世間の目を一番恐れるのは、それにより自分たちの権力が削られてしまう場合だけである、そこに大義はない。そして北朝鮮も中国も、独裁体制とは官僚体制そのものなのだ。
曽我さん、これはあなただけの問題ではない、外務省・政府はあなたの生命の安全のことは屁とも考えていない(ことはご自身が一番よくわかっているでしょうが)、自分と組織保全のためのメンツが優先している、そんな下らぬ奴らの下らぬメンツにあなたがこれ以上気を使って差し上げる必要はない、外務省があなたの言うことを聞かないならすっぽかせませんか、味方はたくさんいますから。さいわい参議院選が近い、公示前までなら我々も自由に騒げる、官僚も政治家にはかなわないのだ、つまるところでは。
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