誰しもが、長く生きていれば脳裏に焼き付いて忘れられない映像が、ひとつやふたつはあると思う。
太陽も少し前に沈み、疲れ果てた体を車の後部座席にもたれかけたまま、ケソンシティーの職場から6㎞ほど離れたオルティガスアベニューの自宅に帰る途中のことだった。私は信号待ちで止まった車の窓ガラスを通して、夕闇に包まれたカティプーナン通りの家々の黒い陰とチラチラとそれに対抗するように瞬くイリュミネーションをぼぉっと見ていた。と、窓の外に突然、トントンとガラス叩く音とともに人影が覆いかぶさってきた。私は驚くこともなく、反射的にトントンと窓の内から叩き返す。すると、人影はさっと横に移動していき、私のうしろの車の横でしばらく止まる。
「サー、もうすぐクリスマスですね。物乞いが増えてきましたよ。」
と、ドライバーのピーショーさんがフロントガラスの前方をアゴで示しながらしゃがれた声で言った。
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