最近、知人も小生のブログを読んでくれるようになったので、あえて書かせていただきます。いつも以上に長くなります(笑)が、付き合ってくださいね。
もうニュースでご存知の方も多いでしょうが、1月29日午前、フィルピンのメトロマニ近郊のダスマリニャスという地域で、またまた、日本人男性が殺されました。友人のうちに行くためにジプニーという小さな乗合タクシーに乗り込んだ時、あとから入って来た3人の強盗犯に襲われ、逃げたところを4発も打たれ、即死状態だったそうです。
フィリピンに詳しくない方は、フィリピン人って簡単に日本人他外国人を殺す国民なんだと、ますますもって思われたと思いますが、ちょっと待ってください。それは違うのです。
薄々分かっている方もいると思いますが、まったくの純粋な観光でフィリピンを旅行する方は、海外を旅行する際の必要最小限の身を守る注意を怠らなければ、すりとか置き引きくらいの犯罪(これも結局は本人の不注意ですから、それを日本に帰って堂々と話すのは恥。陰で笑ってあげましょう)にしか遭わないのが当たり前です。
滞在期間の長い日本人でも、過敏な程、常に注意を怠らない人はけっして小さな犯罪すら巻き込まれません。小生がそのいい例です。いつも目つき鋭く厳しい顔で歩いていましたし(よく他人に言われてましたし、他人には日本人よりも韓国人だと思われることが多かったです(笑))、危険だという場所には昼間にだけ行き、慣れて来てもけっして複数で出かけるようにし、夜は決して行きませんでした。外出時の格好も向こうで買った高くないジーンズにTシャツ(でも、しっかりアイロンはかけてパリっとしてあります)で、時計やネックレスなど値段に関係なく身につけませんでした。日本製のカバンなど以ての外です。日本人だと分かると金持ちだと思われますから。
面白いことに、身のまわりの知り合いで犯罪に遭うのは、ふたつパターンがあって、ひとつは日本の会社や官公庁からの海外赴任組で、普段、しっかりガードされフィリピン人社会と隔離されたような生活をしている人たちで、まあ、上品なものを身につけたいかにも日本じ~んという格好をしていて、それで空港内で、つい日本的に手荷物を床に一瞬置いただけでもう荷物がなくなっていたというようなパターン。
もうひとつが、いわゆるボランティアで来ていてがんがんにフィリピン慣れしている地元根ざし組で、普段大丈夫だからと、たまに油断したとたん殴られひったくられるというようなパターン。
いずれも、ちょっとした油断で起こるパターンでした。殺されるというパターンではありませんでした。
だいたいフィリピン人は、外国人をむやみに殺すことはありません。ちょっとしたお金のためにでも簡単に外国人を殺してどこかに捨ててしまうのは人気のタイランドのほうが遥かに多いのです。
私が在比中にも、幾度か邦人が殺害されたということを聞きました。中には北関東からの観光客の中年女性とその息子が殺されたということで、まさかぁ、と非常に驚いたことがありました。
しかし、事実が分かってみると、やっぱりなぁと納得してしまいました。
実はそのふたりがフィリピンに来た理由は観光ではなく、中年女性が日本で知り合ったフィリピン人とエビの養殖を共同で行うその話し合いのためだったのです。要はお金がらみで、それでトラブッてしまった結果でした。小生から言わせるとフィリピンの事情を知らず勉強もせず、欲ばかりを先行させた結果に他ならないということです(ごめんなさい)。
今回の1月29日の邦人殺害事件も、きっとお金がらみ、愛情がらみだと、かなり強く思います。
きっとダスマリニャスに恋人か愛人を囲っていたのでしょう。そして、たびたびダスマリニャスを訪れており、地元民と同じようにジプニーに乗れるほどご本人は地元に慣れているとつい油断していたことでしょう。それでも地元では目だつカバンや携帯を持ち、ピカピカの時計やネックレスをしていたのかもしれません。
でも、それでも普通はわざわざ3人のそれもガンを持ったギャングがあとをつけて乗り込み、4発も弾丸を撃ち込むようなことは偶然では滅多にありません。
前述した親子殺人事件と同じように、きっと何らかの金がらみ愛情がらみが、その裏にはあるような気がします。いや、あるだろうと思います。きっとあります。
亡くなった方には申し訳ないと思うのですが、もしかしたらその恋人か愛人の家族とのお金がらみの問題からとか、近所の人間からの嫉妬からとか、あるいは、他の愛人からの愛情がらみからかもしれません。それはフィリピンのある種の家族とかかわっていたことのある方なら分かるでしょうし、フィリピンについてあまり知らない方でも感づいて来たと思います。
フィリピンは一つの国家ですが、国民国家というよりも、多種の家族の集まった国家だと思います。お金持ちであったり、日本では信頼し尊敬できる職業の方であったり、普通の庶民であったり、極端に貧しい人達であったりしても、その中でも家族によって大いにモラルが違い、どれがフィリピン人の典型的パターンだとは決め難いです。そして、それが多くの階層社会から成る国家では当たり前なのです。
日本もわずか10年前に較べても、明らかにその兆候が表れています。給食費を払わない親、モンスターペアレント。理解できないというよりも、モラルが違うから当然なのです。
残念ながら、国家が日本よりも信頼できず、どうあがいても滅多なことでは階級差を縮められる望みもない国では、極論を言えば信頼できるのは家族だけです。幸せになってほしいのは家族だけです。当たり前だと思います。多くのフィリピンの人達には他人に対してお互い様だからという相手を思いやる気持ちやマナーが欠如しています。親から伝えられる素地もないのですから、仕方がありません。自分と家族が喜べるなら、他人の心の動きなど読む本能はないのです。他人の心がどう傷ついているのか感じる力を持ちにくいのです。自分と家族を守るのは自分達だけで、他人ではないのですから当然だと思います。そして、私達がそういう世界に生まれていたなら、日本人だって当然そうなっていると思います。だから、よく考えず、頭を使わず、フィリピン人はどうのこうのと言う人ほど、フィリピンに生まれていたらそうなっていたのだとも思います。
幸いにも、小生がある程度幅広い階層に渡って付き合えた人達は、少数の、お互い様の心を感じられる派の方達がほとんどでした。だから、そんな信頼おける彼らを逆反面教師として、その他大多数の人達のなぜそうなのかという理由も理解できたし、彼らの行動を否定できません。
そして、話はちょっとずれますが、悲しいことに、頭を使いよく考えて情報を流さねばならない日本のマスコミ程、そうではないことが、フィリピンに関しては多いです。
今回の事件でも、四大ネットワークのテレビ局のニュースで、駐在の記者の情報をよく聞きもせず、『バス』で日本人が襲われたと言っています。知らない日本人が聴くと大きなバスにギャングが乗り込んで来て人を撃ち殺すなんて、フィリピンはスゴイところだと思ってしまいます。バスではなく小さな庶民の乗る乗合タクシーのジプニーです。とにかく、日本のマスコミはフィリピンの悪いイメージを強調したがります。一般の日本人がフィリピンの悪いニュースを期待しているのだと勝手に決め付けています。心温まるニュースを送っても、日本側が悪いニュースではないからと、よいニュースは拾ってくれないと在住記者が言っていました。
また、ある新聞にはその邦人はたびたびダスマリニャスの『知り合い』を日本から訪ねていたと書いてありましたが、なぜ、せめて『女性』と書かないのか不思議でもあります。プライバシーの問題でしょうか。日本に日本人の奥さんがいるからでしょうか。そうでなければ、堂々と女性と書いていたのでしょうか。日比を行き来する日本人男性とフィリピン人女性が存在するのは、ほとんどの日本人成人なら知っている既成事実であり常識です。マスコミがそれを隠してどうするのでしょうか。何かフィリピンの悪いイメージを強調する一方で、日本のダークなイメージは薄めようとするマスコミの独善性を感じてしまうのは、小生だけではないと思います。
フィリピンでは、あなたさえ同じ感性の持ち主であるなら、次のような日本人やフィリピン人もたくさん存在します。フィリピンという国とフィリピンの人達を冷静に理解し、家族や親戚や友人達と良き関係を築く努力をし、皆でさまざまな困難を乗り越えながら、その地を永住の地として過ごそうと頑張っている日本人の方々が少なからずいらっしゃいます。また、自分と同じ感性を持つ日本人を応援し、利害関係を考えずに助け船をいとわないフィリピンの方々も少なからずいらっしゃいます。
そういう方達を掘り起こし世間に示す努力をするのが、正義を標榜する真の報道人のあるべき姿のひとつでもあるのではないでしょうか。
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