北朝鮮による拉致被害は当該家族だけの問題ではない。
日本が何十年にもわたり、今現在も受け続けている、形を変えた侵略戦争被害なのだ。
どれほどの国民という主権者が、それを認識しているのだろうか。
拉致被害者家族の方々の中にも、内心では「早く憲法を変えて自衛隊を派遣して救出して」と思っている方もおられるだろう。
有本さんご夫妻はそういうご意見を一部に明らかにしておられる。
だが、衆愚があまりの国防嫌い武力嫌いでそれも言えない。
おまけに拉致被害を戦争被害と認識できずに「平和な日本」「9条守れ」と言われれば、はらわたも煮えくり返るだろう。
かといって、救出運動はオールジャパンが建前だから、衆愚を批判することもできない。
そもそも、救出活動も交渉も「武器なき自衛戦争」なのである。
ここで日本があきらめてしまえば、また近い将来、新たな拉致被害者が出てしまう。日本はやっぱり弱虫だと舐められるのだ。
だから、経済制裁だけでなく、たとえ北朝鮮と戦争になっても取り戻すべき。
そのために、日本国土に北朝鮮のミサイルが撃ち込まれ、私を含めた他の日本人が犠牲になったとしても、それは「拉致被害者に対する人権侵害を見捨ててきた罪」という原罪によるものだ。
たとえ安倍総理であろうと、今上天皇陛下であろうと、例外ではない。
日本人が償うべき原罪は、70年前のことではなく「拉致被害者を見捨ててきた罪」の方である。