皆様もご存知と思うが,宮内庁ホームページに皇室関連報道について というページが設けられている.
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/houdou-taiou.html
趣旨は
>>
最近の報道の中には,事実と異なる記事や誤った事実を前提にして書かれた記事が多々見られます。このことにより,事実でないことが事実として受け止められ,広く社会一般に誤った認識が生ずることが懸念されます。このため,あまりにも事実と異なる報道がなされたり,更にはその誤った報道を前提として議論が展開されているような場合には,必要に応じ宮内庁として,正確な事実関係を指摘することといたしました。
<<
とのことである.
やや古い話だが,ここに少々気になる文面がある.
「サンデー毎日」(平成20年2月3日号)の記事について(平成20年1月24日)
「週刊文春」(平成20年1月31日号)の記事について(平成20年1月29日)
ここで両誌の文面の要約についてお仲間のLost and Found様から引用させていただく.
http://blog.livedoor.jp/fanny_valentine/archives/51045199.html
>>
サンデー毎日[ 2008年02月03日号]によると
1/1、新年祝賀の儀を午前中に切り上げた雅子さまは
午後は東宮御所で小和田の両親と昼食)
切り上げて という表現が凄い。
週刊文春では雅子さまと小和田夫妻「元旦おせち事件」
新年祝賀行事を皇太子を残し早退された雅子さま。
その東宮御所では実家のご両親と妹一家がおせち料理を囲んでいた。
ご療養中とはいえ、一日中激務をこなされた天皇皇后の周囲からは
疑問の声が上がっている――
・小和田夫妻と池田一家は皇居で新年祝賀行事が行われている最中に東宮御所へ
雅子さんは皇太子がお戻りになるのを待ち、ご一家揃ってご親族にお会いになられた。
・ご親族には大膳課が用意したおせちが振舞われた。
・東宮職関係者「元日とは限らないが、正月に小和田夫妻や池田一家がいらっしゃるのは
毎年のこと。
・宮内庁関係者が、歌会始と乗馬同日の件について触れ、東宮職の配慮の無さを指摘。
小和田夫妻についても、元日以外の日に伺うべきであった。
<<
これに対する宮内庁の反論は前述のとおり,
>>
平成20年1月24日
「サンデー毎日」(平成20年2月3日号)の記事について(平成20年1月24日)
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/taiou-h200124.html
「サンデー毎日」(平成20年2月3日号)に「美智子さまにのしかかる”三つの心労”」の見出しで書かれた記事に関する事実関係及び宮内庁東宮職としての対応は下記のとおりです。
1 | 記事では,「元日,雅子さまは新年祝賀の儀を午前中に切り上げ,小和田家のご両親と東宮御所で昼食を共にされたとも。」とありますが,皇太子妃殿下には,そもそも,元日に宮殿で新年行事が続いている間に,ご親族と過ごされた事実はなく,したがって,東宮御所で小和田家のご両親と昼食を共にされたということもありません。 |
2 | 宮内庁東宮職においては,「サンデー毎日」編集長に対して,事実関係の誤りを指摘し,抗議しました。 |
<<
「週刊文春」(平成20年1月31日号)の記事について(平成20年1月29日)
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/taiou-h200129.html
>>
平成20年1月29日 「週刊文春」(平成20年1月31日号)の「雅子さまと小和田夫妻『元日おせち事件』」と題する記事の中に「陛下が皇太子の頃,正田夫妻が東宮御所へ食事に招かれたことは一度もなかった。」という記述があります。 しかし,昭和天皇の時代,正田様ご夫妻が,お正月に東宮御所で当時の皇太子同妃両殿下とお食事を共にされるということはありませんでしたが,両殿下それぞれのお誕生日に際しては,お招きにより東宮御所にあがられ,殿下方とお食事を共になさいました。 なお,この事実関係については週刊文春にもお伝えしました。 |
<<
サンデー毎日への反証文は雅子妃・小和田のシンパで固められた東宮職からのものなので信頼性には疑問が残るが,ここではそれは問わないことにし,頭から疑問視せず一旦信用することにして…
ここで注意しなければならないことがある.
どちらの反証文面も,
>>小和田夫妻と池田一家は皇居で新年祝賀行事が行われている最中に東宮御所へ
訪れたこと自体は否定していないことである.
週刊文春への反証文について気になることがある.
まず1つは,サンデー毎日に対して行った抗議が抜けている.
>>皇太子妃殿下には,そもそも,元日に宮殿で新年行事が続いている間に,ご親族と過ごされた事実はなく,
に相当する文言がないことだ.
そうなると東宮職の主張=サンデー毎日宛の信頼性に疑問が残る.
次に,文春宛の文面は,直接的にとらえれば「記事の中の事実関係に一部誤りがあった」という指摘である.
それ自体は理解できる.
しかし,主たる論点になっている事実に対する反論ではない,ということを見落としてはならない.
少しうがった見方をすると,特に文春宛の文面は結果的に印象操作になってしまっていないか?
そう思った点が2点ある.
()は印象操作により読み手の起こす錯覚
>昭和天皇の時代,正田様ご夫妻が,お正月に東宮御所で当時の皇太子同妃両殿下とお食事を共にされるということはなかった
(→小和田家が元日に正月に行くはずがない.)
のように
>両殿下それぞれのお誕生日に際しては,お招きにより東宮御所にあがられ,殿下方とお食事を共になさいました。
(→小和田家が行くことは問題ない.)
■
話を戻す.
宮内庁が事実誤認について指摘するのは当然ではある.
しかし,読み手側は,主題になっていない部分についての反論があったことだけでも,主題への反論であるかのように錯覚しかねない.
宮内庁もしくは宮内庁東宮職が印象操作を狙ったという確証はないが,結果的に印象操作にもなる文面となっている.
あるいは,雅子妃の暴走を温存しようとする,あるいは雅子妃に肩入れする反日勢力が,この抗議文を誇張しての情報操作・印象操作に利用しようとしてくる可能性がある.
皇室関連報道について には,時折そういった主題への反論ではない反証文が掲載されているので印象操作にあわないように注意して読まねばならない.
【追記】
かの竹田恒泰氏の主張についても末節の点ではあるが誤りが指摘されていることを申し添えておきたい.
「週刊朝日」(2008年5月23日号)の記事について(平成20年6月12日)
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/taiou-h200612.html
>>
「週刊朝日」(2008年5月23日号)の「さまよう平成皇室」と題する記事の中の竹田恒泰氏の記述に「毎週,皇太子が天皇の御所にあがるような事例は歴史的にも珍しいことです。故秩父宮殿下は,自らのおじいさまであられる明治天皇にお会いしたのは年に数回の拝謁の機会だけで,人生で一度も明治天皇の肉声を耳にしなかったそうです。」とあります。
しかし,現在の天皇皇后両陛下が皇太子同妃両殿下時代には,当時の天皇陛下の御希望もあって,できる限り御一家で毎週1回は御参内になるということを定例にされていました。また,常陸宮同妃両殿下も当時は,少なくとも毎月2回程度は御参内になられていました。したがって,皇太子殿下や他の皇族方が御所に御参内になることが歴史的にも珍しいとは,認識していないところです。
さらに,秩父宮殿下が10歳1ヶ月になられた時には,明治天皇は崩御されており,いずれにしても,明治時代の頃のなさりようを引用して,皇太子殿下や他の皇族方が御所に御参内になることが歴史的にも珍しいこととするには,無理があるものと考えております。
この事実関係については,週刊朝日にもお伝えしました。
<<
ちなみに,この宮内庁ページではWILL5・6月号の西尾幹二先生の指摘への反論はまったくなされていない.
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関連エントリ
東宮問題についての論調もどこかおかしい <wbr></wbr>
http://bluefox-hispeed.iza.ne.jp/blog/folder/22306/
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