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大人の必須書籍かと思われます>「きょうも涙の日が落ちる」渥美清のフーテン人生論

2024年11月16日 | ブックレビュー

 こちらの本を読みました。ご存じ寅さんこと渥美清さんのエッセイを含む内容です。目次は以下の通り。


第一部 エッセイ
・ぼくのアフリカ
・やっぱり男はつらいよ
・映画らくがき帳

第二部 対談 ぼくと寅さん
・近藤日出造:ちょっと“結婚恐怖症です”
・吉行淳之介:独身か結婚か“精神的二枚目”の迷い
・近藤日出造・杉浦幸雄:役者はつらいよ
・飯沢匡:敵役いつの間にか三枚目
・加藤芳郎:ディスカバーフーテンの寅さん
・團伊玖磨:人生は寝ることだよ
・荻昌弘:寅さんがボクか、ボクが寅さんか
・森繁久彌・竹脇無我:ビッグスリー新春芸談

第三部 対論 チャップリンとロイドについて
・安岡章太郎:チャップリン 狂気と天才が生んだ笑い
・淀川長治・和田誠:「ロイドの用心無用」のギャグの秘密


 この本は発行が2003年6月となってますので、実際は渥美さんが亡くなった7年後に出たわけです。なので帯には「ワタクシ、思い出せば7年前、奮闘努力もせず、そおっと消えさせていただきましたが、その後皆様にはいかがお過ごしでしょうか。」とあります。もちろんご本人の言葉ではありません。(当たり前)

 渥美さんはプライベートをほとんど明かさなかったとも言われますので、貴重なエッセイとのことです。(実際には自伝的な本がもう一冊ありますが。)

 対談はいろんな年代のがごちゃまぜになってますので、最新の「男はつらいよ」がどの話かということから推察しながら読んでいましたが、巻末にちゃんとリストがありました。

 それによると一番古いのが昭和38年、一番新しいのが昭和52年なので「嫁さんいない」という話があれば「息子が…」ということになってたりで、そういうところでご本人の心持がどう変化してたかもわかります。

 私は特に「男はつらいよ」のマニアではありませんが、あの国民的スターがいかに誕生したか、寅さんを演じながらどう考えていたかなどはちょこっとわかりますので、これは大人の必須図書かとも思います。まあエッセイとしては「渥美清わがフーテン人生」という本もあるそうで、そちらも読んでみねばと思ったり。

 実はこの本は買ったわけではなく図書館で借りたので寅さんには申し訳ないですが、「いいってことよ~」と言ってくれないでしょうか。