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川越熊野神社で銭洗い。
(川越駅東口)
仕事を辞めて以来、電車に乗って出かける機会がなくなった。都心まで行くのに50分ほど掛かるので、何か用事でもなければ行く気も起こらない。またしばらく体の具合が悪かったこともあり遠くまで電車に乗ることをひかえていた。ちょっと賑やかなところへ出かけたいと思えば、自宅から近い川越へ行くことができるので用事もそれから何か未知のものを求めたいと思う気持ちもすんでしまう。
都心に通っていた頃は川越といえば地方都市のひとつでしかなく自分としてはそれほど魅力を感じていなかった。しかし、最近では観光的な要素も洗練され地域主導による工夫も進められており、自分にとっては何より便利だしあらためてその良さを味わっている。
(クレアモール)
(大正浪漫夢通り)
先日も川越にフラッと出掛け、繁華街のようなクレアモールを散歩しながら通り抜け「熊野神社」へお参りしてきた。熊野神社は東武東上線川越駅東口から徒歩約20分ほどのところにあり、クレアモールを抜けた先の「大正浪漫夢通り」の向かって左側に参道入口がある。西武新宿線の本川越駅からなら川越栗橋線の道路沿いに歩いたところに神社の入口があり10分もかからない。
(熊野神社入口)
川越の熊野神社は一五九〇年に紀州熊野から分祀された神社であり、御祭神は伊弉諾命(いざなぎのみこと)と伊弉冊命(いざなみのみこと)、事解之男命(ことさかのおのみこと)、速玉之男命(はやたまのおのみこと)の四祭神である。これら由緒から開運・縁結び・厄払いの神として人々から信仰され敬われており、自分のように信仰心の薄いものにとっても心強く有り難みが感じられる。
(神社正面)
(運試し輪投)
境内には主祭神だけでなく家内安全、芸能、盗難などの神様や、導きの神・八咫烏(やたがらす・サッカー協会のマークでも有名)様も祀られており、運試しの輪投げや銭洗弁財天もあり、観光地の神社に相応しいちょっとおもしろい場になっている。ちなみに輪投げをしている人はいなかった。たぶん輪投げをしているとみんなが見物に寄って来て目立ち恥ずかしいので避けているのだろう。と、自分はそんな気がして行動に一歩踏み出せなかった。いまとなってはやっておけばよかったと思い残念である。
(宝池(弁天池))
(銭洗)
このご時世のせいか銭洗いをしている人は何人かおり、自分も用意されていたザルに千円札を入れてサラサラと洗ってみた。もっと大金ならジャブジャブ洗うのだが千円札一枚ではサラサラ以外に例えようがない。ふと池の注意書きを見ると洗ったお金は無駄使いせずに「大切に有効に」使うよう記されており、神妙な気持ちでそうしようと思った。洗ってから気がついたが濡れたお札は財布に戻すわけにいかず、しばらく考えてからティッシュペーパーに挟んで湿り気をとり挟んだままボディ・バッグにしまった。
(境内おみくじ売り場)
おみくじを引くと「大吉」だった。信心深い訳ではない割には、おみくじだけはどこの神社に行っても引いてしまう。これまで初詣以来ずっと小吉のおみくじが続いていたが、今年初めての大吉である。天気の良い爽やかな日におみくじで大吉が出ることほど嬉しいことはない。いい気分で神社を後にした。
(クレアモール方面)
(おしまい)