無人島の一枚
「無人島に一枚だけ持っていけるとしたら・・」という良くある質問に、私は自分が所有する LP を想像するが（SP は持っておらず CD はあるけど）、世代が違うと CD を想像するみたいで、更にサブスク世代では 一枚って言われても・・となるのではかかろうか。更に、再生するプレーヤーや電気はあるのか？みたいな質問するのは野暮ってものだ。ってことで、この問いの目的は「君のコレクションから残したい一枚を選びなさい。」ってことか。誰も聞いてくれないので、自問自答してみた(笑)。
所有する LP といっても、たかだか 500 枚くらいしかないので、コレクターの末席にも加えていただけない程度だが、それでもその中から一枚だけを選ぶのは難しい作業だ。とは言いつつ、実は決まっている。それが見出し写真の一枚。
スタン・ゲッツ アット・ストーリーヴィル（LP 2 枚組）1973 年 SL-5045, 5046
YouTubeで内容を聞くことができる。ゲッツが若かりし頃の演奏。マイケル・ジャクソンで言えばオフ・ザ・ウォールからスリラーあたりかな。
https://www.youtube.com/watch?v=I4PEcomEdc4&list=PLjHOGI6F2vCWMYOfWeJmbkjCC8s6OYk2I
この盤にはいくつかバリエーションがあり、私が所有するのは 1973 年に発売された日本独自盤。オリジナルは At Storyville（RLP 2209）、At Storyville Vol. 2（RLP 2225）で、これを 2 枚組としてまとめたもの。実は他にも、同じ構成の CD を 1 枚、ばら売り？された LP を各 1 枚づつ持っている。なんで同じものを買うの？と聞かれても、（ジャズとゲッツ）ファンってそんなものだから。ただし、音質に関して言えば 73 年の 2 枚組 LP がベスト。CD は音がやせているような印象だ。良くある話。
ところでこの LP には忘れられない思い出がある。購入時は確か高 2。私が通っていた高校は（大した実績もないのに）3 年次は受験勉強に集中するために修学旅行は 2 年次に実施するシステムだった。持っていける小遣いも決まっていて（小坊かよっ）、3,000 円だった。バナナが含まれるか、知らんけど。旅行中は仲良しのダチと行動していて、ジュースとか奢ってもらい、小遣いには手を付けずに帰ってきた。もちろんお土産もなしだ。そして戻って来るや否や、レコード屋に走っていき、この LP（3,000 円 消費税無し時代）をゲットした。それだけでも一生ものなのに、中身も素晴らしい。
ゲッツの良さは語りつくせないが、全時代を聞いて、私はこの 50 年初頭の演奏が一番好きだ。MJ で言えば、確かに HIStory World Tour は超エンタメだが、Bad World Tour の若々しい生声の MJ を見ると、やっぱこっちだよなーってならない？そんな感じ。
そんな大事な LP なので、棺桶に入れてもらうのかというと、そうはいかないようだ。カミさんから聞いたのだが、娘ちゃんが「お父さんがタヒんだら LP は 全部 私がもらうからね」と宣言したそうな。ちょっと嬉しいような、複雑な・・。
PS：無人島の一枚って言いつつ、2 枚組なのかよ？とのツッコミはナシで(^-^;・。
