さあ!ドアを開けよう♪ 女性軍師は今日もゆく。

企業研修講師&大学非常勤講師の日々徒然。
~ 貌言視聴思(ぼうげんしちょうし)~

ケンカのルール

2018年08月31日 10時42分00秒 | 幼児教育・保育
単なる昔話の徒然です。

幼稚園教諭時代、保護者に評価されたことの一つが
「正しいケンカのしかた」を教えたことでした(笑)。

もちろん、じゃんけんや、順番でとか、譲り合いも
教えていましたよ。
けど、現実は、それだけで、解決しないこともある。

普段は、やられた(手出しされること)ら、やり返してもよい、
と伝えていました。
一発やられるまで待て、とも。
やるなら、やり返されることを想定しておけということ。
両方とも、それを知っていてやるのだから、
それによって、相手の痛みを知るし、
自分のしたことの意味を知るんです。

意見の相違や、口喧嘩から、身体を使ったケンカに発展することも
この年代にはよくあること。
それを、ちゃんと経験しておくことは、
子どもの発達に必要なこととも思います。


私のクラスの【取っ組み合いのケンカのルール】。
●取っ組み合いのケンカは、一対一でやること
●誰も、どちらの応援もしないこと
●取っ組みあいをすることに双方が同意したら、素手で勝負すること。何も持ってはいけない。
●周りの子達は、あらゆるものをどけて、安全な場所を作ること。
●急所と、首を含めた首から上は攻撃してはいけない
●ルール違反があったり、どちらかが泣いたら、そこで終わり。
●周囲はルールをジャッジすること。


持ち上がりの5歳児クラスなどは、
おっぱじまると、わたしがいなくても
周りが「ちょっと待て」「机と椅子をどけろ!」と
声を掛け合って場を作る(笑)。

「やるの?」
「うん」「うん」
「じゃあいいよ」
で、双方の戦意を確認してから始まる。
片方が、「やらない」というと、ケンカは不成立なわけ。
これも子どもたちがやってる。
周囲は安全の見守りとジャッジメントで
どちらの味方もしないし、応援も一切しない。大きめの輪になって無言で見守る。


反則をしたら、即効で反則した方が負け!で
引き離されるので、ルールを守って戦う。


どちらかが泣くと勝負あり!なので、
周りに「はい、終了!」と言われるし、
泣きながらまだやろうとすると、負けだからと引き離される。
(泣きながらやると危ないのよね、見えないからさ。だから泣いたら終わり。)

終わったあとは、後腐れなし!
も、ルール。
どちらの味方もしないということは、
皆同等に仲良くするということ。


ただ、幼稚園のまだ本人たちの力があまり強くないときに
やられたら、痛い、ということ。
ケンカには、止める潮時があるということ。
ケンカは双方に戦意がないと成り立たないこと。
等々、子どもたちは知っていきました。


男の子は身体を使ってやりあうことに、
よく同意していました(笑)。
だから、強くなるために食べるとか
鍛える?(笑)とかも言っていたり。
それが、この年の子どもたちの
自然な姿なのかも知れないと、
彼らに教えられたような気もします。


そういう段階をちゃんと越えることで
怒りを感じたときに、どう解決するかを学んでいくんです。
取っ組み合いで勝っても負けても
なんだか、いい気分じゃないことを
身体を使って学ぶんですもの。
本物です。


段階を踏まずに、結果を求めても、
頭で考えるように教えても、説得なんかしても、
うわべだけで、
ちゃんと発達(成長と一般には言うのかな)しないのよね~。ホントは。


今の時代なら、どうなんでしょうね。
こんなこと、できないかもしれませんね。

当時は、イジメという言葉の出始めで、
とくに父親たちは自分の子どもにそれぞれのケンカのしかたを
伝授していると、笑って教えてくれたりしていました。
今でも、多かれ少なかれ、集団生活に入るときに、
仲良くする方法や、ケンカのときのコツなどは
それぞれの家庭でお話ししたりしているものではないでしょうか。


さて、
単に力が強いと、弱い方が負けます。

子どもたちに、こっそりと、誰がこの組で一番強いかを聞くと、
意外や意外。
一目おかれていたのは、
あまり、取っ組み合いにも参戦していなかった子。
ただ、ほんとうはアイツが一番強いと
男の子たちは言うのです。
子どもたちも年長クラスになると
単なる力の強さは、本当の強さではないと知っています。

当時、保護者のかたに、
小学校の2年生と5年生(私が年長児を担任した学年)の
全クラスの委員長と副委員長は
先生の教え子ですよって、
ええー!!スゴイねーー!って
笑い合ったりしていました。
きっと、彼ら、
問題への仕切りが上手かったのでしょうかね(^^)。





コメント
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