Rスズキの毎日が大食い

おいしいものと食べることが好き。マンガもね。

赤マルジャンプ2007SUMMER号感想

2007年08月18日 | マンガ
週刊少年ジャンプが合併号なので、今週は赤マルジャンプを読みました。表紙は銀魂とグレイマンなので、4コマか何か載ってるのかと思ったら、付録のみ。袋とじがあると良かったなあとちょっと思いました。

新人の投稿入選作が掲載されてるんで、原石の中からきらりと光るものを見出す楽しみもあるという、マニアックな漫画ファンとなりつつありますが、今回はこれといった新人が見当たらなかったかも。

巻頭カラー「魔法少女しげはる」大亜門先生の読みきりです。いきなり股間が亀ですよ。むかしのジャンプはジャングルの王者ターちゃんなど連載してたのにくらべれば、たいしたこともないように思えますが、いきなり主人公の存在がかすむような亀。股間と話をしている主人公というのはあまりなかろうかと思います。お母さんを心配し、桜木さんに赤面させて激しく後悔する、実にまともでこんなに好青年なのに不幸の連続です。この漫画を通して人生はままならぬものだということが少年読者にも理解できるでしょう。
魔法少女に変身したところは可愛くなってていい感じですね。うさもえきゅん!っていうセリフだけでも十分恥かしいと思います。もっとも人間というのは何事にも慣れてしまうので、そのうち変身するのがやみつきになっても知りませんよ?!

「F・GAME」(相模恒大)相模先生は銀魂のアシスタントだったそうですよ。空知先生より絵が上手。(だからね、デビューしたとき空知先生にはうまいアシスタントをつけてやってくれとあれほどいってたでしょう?いいアシさんが居てくれてよかった・・・。)さて、運動オンチの主人公が一念発起して女子に混じってフットサルを始めると言うお話でした。フットサルって男女混合チームができるんですね。しらなんだ。女性陣の個性が強すぎてイクラナンデモといった趣ではありますが、ゲームの世界から自分の肉体を使う世界に飛び込んでいくというはなしには魅力がありますので、そこは面白く読めました。
姫奈ちゃんの顔が、向かって右向きはかわいいのに左向きはイマイチなのは何とかして欲しいです。

「アバカス トレーダー」(春日 真)主人公がいでたちから売り方から、RPGのなかに登場する「商人」そのままのイメージで閉口しました。大阪弁のところもなんだかなあ。そろばん玉で闘うところもカッコイイと思えないのでまたまたがっかり。

「柔王」(角石 俊輔)運動神経抜群で身体は大きいしスポーツと言うスポーツは何をやっても素晴らしい成績をおさめるという天才型主人公。昔体育の授業で柔道をやった時にはひたすら受身の練習ばかりで、毎回畳をバシバシたたいていましたっけ。天才は地道な練習なしですぐにものになるんですねえ。最後が勝利で終わらなかったところがこの先もストーリーを考えてあるのだと思わせてくれました。
絵は丁寧に書いているものの、線に躍動感がなく動きが感じられないので、スポーツ漫画には向いてないかもです。でもデビュー作を思い出すと隔世の感あり。

「おろち2号」(いとうみきお)本誌連載経験者ですが、前作の「村雨くん」が早々に打ち切りでしたから、ここはぜひとも連載につなげていきたい読みきりです。表紙のおろち1号の絵がタテに引き伸ばした写真みたいで変じゃありませんか?
ギャグのことごとくが微妙にセンスが古くてたまりません。主人公の大和くんと来たら、月イチの試合に仮病を使って逃げの一手なのですが、じつは裏ですごい努力をしていたらしい。で、その必殺技が相手をぐるぐる回して気持ち悪くさせると言う・・・・。これじゃいつまでたっても弟に勝てるようにはならないんじゃないかな。

「子牟田鐘 闘ウ日記」(川口 幸範)ヘタレな主人公が恵まれた体格を生かして格闘技に目覚めるというお話。冒頭すぐにけんかが始まるのですが、どうなっているのか良くわからないまま話が進みます。途中でも過去の回想と現在、妄想と現実がはっきりしないのとで話がわかりづらいことはなはだしいです。喧嘩の途中で相手がアドバイスを受けている間待っていてくれると言うのもまたよくわからない事態。そして日記を書いているのにほとんど意味がないのがねえ。

「ZEN力ダッシュ!」(原作 渡辺一平 漫画 薙澤なお)筋肉フェチの陸上部のマネージャーが寺の跡取り息子を選手にスカウトするお話。ギャグ満載のわりにはそんなに笑えるギャグがなくてやや残念。
ゼン君のへアスタイルですがもうちょっとかっこよくしてやってもバチはあたらないだろうとおもいますがいかが。
そして僧帽筋がどうのこうのと筋肉について語ってるのにもかかわらず、漫画で筋肉を描けていないので全く意味がないのでした。またニホンアマガエルとモリアオガエルの書き分けもして欲しかったところです。

「宇宙の海 星太郎」(後藤竜之輔)宇宙人がちゃんこを食って寝て大汗かいたし、空気吸ったら膨らんだというお話。絵がくどくてカンベンして欲しいタイプの絵柄でした。

「紅」(原作 片山憲太郎 漫画 山本ヤマト 脚本 竹田裕一郎 コンテ構成 中嶋諭宇樹)このまんがは4人がかりであるということにびっくりしました。絵はきれいですし、女の子もかわいい。ハーレムで女難に悩む少年が主人公です、これでもかというオタクごのみの女性が一杯出てくるのでそれなりに楽しめそうです。続きはジャンプスクエアにて。

「サンライズ」(久保崎 太一)ここからは新人枠。男子ではマイナーなソフトボール漫画です。小学生のうちはソフトボールでも、その後は硬式野球にシフトすると言うのが現状だと思います。ソフト部の紹介と勧誘に大部分を割いてしまいまして、肝心な試合部分が薄くなってしまいました。赤い球が速いよというだけでは魅力を伝えられていないと思いました。
絵はボールの描きかたすら安定していないという投稿レベルで、要精進。目の書き方が「手抜き」を連想させるので、この辺どうにかしたほうが良いと思います。

「クリティカルヒーロー」(羽田 豊)昔なつかしいアメリカのアニメを思い出させる絵柄です。スーツが電池で働くという設定はどうかとおもいましたが、ちゃんとヒロインを助けてくれるヒーローはすがすがしくて、読後感は悪くないです。

「テンコ」(堀越 耕平)梅図かずをとかどろろとか連想させる絵柄ですが、絵はかなりのレベルですし、ストーリーも起伏があってキャラの心情もそつなく書けています。将来性こみで今回イチオシ。
ただ、ヒロインのポジションであるはずのハナちゃんが男勝りで年齢不詳(母ちゃんくらい?)、リアルな農民で野良着、特技は縄ないというのでは少年読者はついてこられないのではないかと。私にはおもしろいんですが、勝負するならジャンプより高年齢層の雑誌にしたらもっといけるんじゃないかと思います。

「髑ロマン」(今地庵)ニコラス・ケイジのゴーストライダーばりにガイコツ姿で活躍する主人公です。のろいを解くのに善行を積まなくてはならないという設定ですが、そういうのはよくある話ですな。センスが良くてセリフのやり取りが面白く読ませます。