3月9日木曜日、銀座に映画を見に行った。新聞の広告で見つけて見たいと思った。珍しくドキュメンタリーなのだが。
内容が思ってたのと大幅に違ってた。これは邦題の付け方が上手くないなーと思う。勝手な思い込みだけど、シルクロードを旅しながらそこで出会ったいろいろな民族楽器たちとヨーヨー・マのセッションが見られると期待していたのだが全然違った。
シルクロードプロジェクトなるものが行われていたのも知らず、シルクロードアンサンブルなる存在ももちろん知らず。主役はヨーヨー・マのチェロではなく、シルクロードプロジェクトそのものなのだった。しかもこの活動は16年にもなるらしい。楽器演奏だけでなく歌手やパフォーマーも混ざっている、そしてその時々でメンバーが違うそうだ。
プロジェクトにはつながるのだろうが、演奏より人となりに焦点をあてている。アンサンブルメンバー数人のインタビューと活動や国に対する思いまでカメラが追う。それとともにヨーヨー・マの思いが本人と息子のインタビューで語られる。時系列でもなく、ひとりずつ順番に掘り下げていく、というのでもなくあちこち飛ぶので戸惑ってしまった。最初と最後にメンバーでの演奏場面がでてくるが、結局主題が見えずに消化不良だった。
このプロジェクトを知ったことはよかった。全編音楽が流れていたのもよかった。どんな楽器が登場するかと思ってたがサントゥールとハーディーガーディーだけだった。あとは中国で影絵をやっているおじさんたち、というよりおじいさんたちかな。楽器が珍しく、手作りのように見えた。影絵の人形を作るのにお金がかかるらしい。手間もかかるだろう。後継者はいないという。影絵劇だけでなくあの楽器や歌もなくなってしまうのだろうか。こういう市井の人たちが奏でる民族楽器とヨーヨー・マのチェロとの絡みが見たかったな。各地の独特な楽器を愛して演奏して守って伝えていくプロの存在も大事だけど、音楽好きな素人のちからは大きい。
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