国立新美術館にて、『マグリット展』を鑑賞。
公式サイトはこちら。 → マグリット展
【展覧会構成】
第1章:初期作品 / Early Works(1920-1926)
第2章:シュルレアリスム / Surrealism(1926-1930)
第3章:最初の達成 / The First Accomplishment(1930-1939)
第4章:戦時と戦後 / War and Post-War(1939-1950)
第5章:回帰 / The Return(1950-1967)
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不思議でちょっと不気味な世界。あまり不快な感じはせず、どれもさらり。。とした感触。
筆跡を消した滑らかな絵肌。植物の葉だけは、特に細かく一枚一枚描きこまれている。
わざとなのか時折、パースが歪んでいるのが妙に不安を感じさせる。
幾度も同じモチーフが出てくる。銀色の球体(馬につける鈴)、劇場の幕、山高帽の男、切り絵、炎、西洋のケン玉、石など。
あと、サインが右上だったり右下だったり。多くの画家が右下で統一していたように記憶しているので、なんとなくその時々で変える方もおられるのだな。。と。
そういえば。。この山高帽の男、S.ベケットの不条理劇「ゴドーを待ちながら」と第三舞台「朝日のような夕日をつれて」を思い出した。演劇作品のほうはシルエットなのだけど。
「ゴドーを待ちながら」の刊行が1952年、「模範例」が1953年となっているし、同時代に生きて創作していたのだから影響はあったのでは?と推察。
気になったり、好きな作品は。。
D-5 プリムヴェール(ポスター) コケティッシュな女性が素敵♪
21 深淵の花 まるで人が磨きあげたような滑らかな岩肌、銀色の球体の花。静かな不気味さ。
22 恋人たち 死や不安を感じさせる。ムンクの「キス」「ヴァンパイア」を思い出した。あちらは女性に飲み込まれそうな感じだが。。
26 新聞を読む男 ?という疑問と共に、おもしろいなぁ~と素直に思う。
34 永遠の明証 自分が女性だからか、これは不快感をもよおす作品。男性の女性に対するセクシャルな視線と欲望を感じる。おそらく画家の意図もそこにあるのだろうな。。
49 哲学者のランプ ユーモアが感じられておもしろい!芥川龍之介「鼻」とシャーロック・ホームズを思い出した。
67 不思議の国のアリス 印象派のような筆使いと色彩。
75 飢餓 荒々しい筆使いと色彩。残酷なさまとは裏腹にユーモアさえ感じる。
84 オルメイヤーの阿房宮 塔の根、まさにそのまま。でも、魅力的で好き♪
93 ゴルコンダ 画面いっぱいに浮かんでいる山高帽の男たち。少しずつ向きが違っており、くるくると回転しているようだ。
94 模範例 山高帽、黒いコート、雨傘とブリーフケースを持った男性。赤褐色の背景に、ただ、ぽ~んと浮かんでいるように観える。
95 赤いモデル 靴と足が合体。なんだか気になる。。 こんなふうに関連のあるものを合体させたり、並べたりが多い。
125 空の鳥 最も有名な作品なのでは? 夜の滑走路に点々と灯る誘導灯。鳥のシルエットを切り抜き、そこから淡いセルリアンブルーの空が観える。
130 白紙委任状 江戸川乱歩「D坂の殺人事件」に出てくる格子戸のような構図。不安を掻き立てる。
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国立新美術館2F。緩やかなアールを描く一面の窓。開放感抜群♪
作品目録。全131点。
「マグリット展」鑑賞ガイド。8つのテーマに沿って解説。とても平易な文章でわかりやすい。
音声ガイド。貸出料金550円。ナビゲーターはあの石丸さん、よいお声♪
公式図録。2,800円。
お土産に購入したもの♪
ミニマグリット缶(クッキー)1,296円。ベルギー王室御用達だそうな。
A5ノート(表紙「空の鳥」裏表紙「光の帝国Ⅱ」)750円。アイデアノートにするつもり♪
東京都美術館にて、『バルテュス展』を鑑賞。
公式サイトはこちら → 『バルテュス展』
第1章 初期
第2章 バルテュスの神秘
第3章 シャシー - 田舎の日々
第4章 ローマとロシニエール
素描
アトリエのドア(複製)
アトリエの再現
愛用品の展示
※公式ツイッターより。会場内の展示のようす。
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5.17(土)に放送された、NHK BSプレミアム『バルテュスと彼女たちの関係』というドラマ仕立てのアート・ファンタジー番組があった。
公式サイトはこちら → 『バルテュスと彼女たちの関係』
美術界の裏側で調査をする探偵Cadre(額縁)。スイスの伯爵夫人と名乗る女性から、バルテュスがモデルとして描いてきた女たちについて調べて欲しいと依頼がある。Cadreはバルテュスを辿る旅に出る‥。
Cadre役は豊川悦司さん、スイスの伯爵夫人/節子夫人の二役で、節子夫人ご本人が出演。
この番組が予習、展覧会が復習のような感じで気分的にはゆったりとして鑑賞。会場自体は混雑していたが、人気のある展覧会はいつ行ってもそうなので。
バルテュスの絵はどうしてこんなにも人を惹きつけるのだろう。。
人物にあたるハイライトな光、マットな質感の絵肌。少し大きめな頭部、角ばった肩、細く直線的な手足、不機嫌そうにも憂鬱そうにも見える表情といった独特なフォルムをもつ人物たち。
観ていてざわざわとさせられる世界。いつまでも絵の前に佇んでいたくなる。
*作品番号1.『ミツ』(複製)
わずか11歳のときに描いたとは。。天賦の才に驚くばかり!
*作品番号3.空中ごまで遊ぶ少女
公園で白いドレスを着た少女が空中ごまで遊んでいる。グリーン基調の画面にドレスの白、リボンの黄色、タイツの青が目をひく。
静かな画面なのに、「ひゅっ!」と空気を切り裂く空中ごまの音が聴こえてくるような気がする。
*作品番号8.夢見るテレーズ
椅子の座面に左足を乗せ両手を頭の上で組み目を瞑る少女。挑発的にも無防備ともどちらともつかない微妙な印象を受ける。
膝や膝下のしゅっとしたシャープなラインは少女特有のもの。膝小僧に歯を立てたら、「かりっ!」とした音と共に柑橘系の青い香気がほとばしりそう。
チケットにも使われている作品。
*作品番号15.樹のある大きな風景(シャシーの農家の中庭)
イエロー基調の落ち着いた田舎の風景。積み木のようなかわいらしい農家が点在。画面の前方に冬枯れの大木。
近くで観るとマットな質感。でこぼこ、ざらざらした絵肌をしている。
*作品番号22.朱色の机と日本の女
節子夫人がモデルをされておられる。西洋の遠近法が使われておらず、浮世絵のような雰囲気。
朱色の小机が鮮やかに浮き立ち印象的。
*素描エミリー・ブロンテ「嵐が丘」のための14枚の挿絵
登場人物のヒースクリフに若きバルテュス自身、キャシーにアントワネット(当時の苦しい恋愛の相手)を投影しているらしく、どれもひりひりするような感情が伝わってくる。
*再現されたアトリエ
終の棲家となったスイスのグラン・シャレのアトリエをそのまま再現されたとか。
明るいキャメル色をした木材を壁や天井に使った山小屋風の部屋。
椅子やイーゼル、絵具やパレット、灰皿など。まるで、部屋の主がちょっと席をたっただけのように観える佇まい。
*愛用品の展示
菩提樹の香水を愛用されていたとか。大ぶりのガラス瓶(ウイスキーの角瓶に似ている)が展示されて。
甘く気品のある菩提樹:リンデンの香りがお好きだったのですね。。
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フライヤー。作品は「美しい日々」。
出品作品リスト。
音声ガイドプログラム。貸出料金500円。ナレーターは池田秀一さん♪(シャア!)
公式図録 2400円。表紙の作品は「美しい日々」。
裏表紙。作品は「地中海の猫」。
朝日新聞記念号外。出口付近にフライヤーと一緒にあったので、一部いただいてきました。
国立西洋美術館にて、生誕150周年記念 国立西洋美術館所蔵 『エドヴァルド・ムンク版画展』と『東京国立博物館』を鑑賞。
国立西洋美術館 新館2 階版画素描展示室に展示されていて、『モネ展』のチケットを提示すれば無料で鑑賞できる。
公式サイトはこちら → 『エドヴァルド・ムンク版画展』
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作品番号1.「病める子ども」
2.「接吻」
3.「マドンナ」
4.「ヴァンパイアⅠ」
この初期の4点が印象的で、個人的に好きな作品。
「マドンナ」
画面を縁取る精子と胎児は生と死の象徴。マドンナの顔は目は落ち窪み、影がさして生気がなく、まるで死顔のように観える。
ふわふわとした長い黒髪は水に浮かんでいるようで、水面に漂うミレイの「オフィーリア」を思わせる。
ムンクにとって女性とは、永遠に謎であり、愛とエロスの対象でありつつ、畏敬と憎悪の対象でもあったのだろうと思う。
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余談。
随分以前に『ムンク展』を鑑賞したときに図録を購入していたのだが、引っ越しの折に処分してしまい。。今さらながら激しく後悔。
処分しなければよかったなぁ。。吐息。
もう、絶対に図録も画集も含めて、本は処分しないのだ~!手に入らなくなることだって多いのだし。
自宅に図書室が欲しい。そして、心おきなく蔵書を並べるのだ♪
もちろん、夢だけど(苦笑
国立西洋美術館にて、国立西洋美術館×ポーラ美術館『モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新』を鑑賞。
公式サイトはこちら → 『モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新』
Ⅰ 現代風景のフレーミング 作品番号1~20
Ⅱ 光のマティエール 作品番号21~54
Ⅲ 反映と反復 作品番号55~70
Ⅳ 空間の深みへ 作品番号71~85
Ⅴ 石と水の幻影 作品番号86~99
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作品番号1.クロード・モネ「並木道(サン=シメオン農場の道)」
暗い色調の画面に黒々としたそびえ立つ樹木。並木道に斜めに伸びる影が美しい。
作品番号2.クロード・モネ「雪のアンジャントゥイユ」
どんよりと思い灰白色の空。道路に降り積もった雪と溶けて泥混じりの雪。
静かな冬の風景から雪の匂いまでもが漂ってきそう。
作品番号10.ポール・セザンヌ「ポントワーズの橋と堰」
くっきりとした樹々の緑、橋と堰が横切る構図が観ていて心地よく。
作品番号18.クロード・モネ「花咲く堤、アルジャントゥイユ」
遠方に霞む蒸気船と煙突から引き出される煙。前方には華やかな花が咲き乱れて印象的。
作品番号19.フィンセント・ファン・ゴッホ「ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋」
浮世絵を思わせる色使い。人物を縁取る鮮烈な赤が印象的。
作品番号41.クロード・モネ「セーヌ河の日没、冬」
周囲を朱く染めて、今にも沈みそうな朱色の夕日。胸にぐっと。。くる。
作品番号46.ギュスターヴ・クールベ「波」
ピンク色が交じる荒天の空。深いオリーブグリーンの海の色。波立ち、泡立ち、岩に砕ける波。
観るものを惹きつけずにはおかない迫力ある画面。
どうしたらこんな波の瞬間を描くことができるのだろう。。?
作品番号75.クロード・モネ「睡蓮」
穏やかな水面に散在する睡蓮の丸い葉の塊と花。可憐な印象。
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フライヤー。
展示作品目録。
音声ガイド 貸出料金500円。こちらは音声ガイドシート。
シートの中を開けて‥この絵か数字を専用ペン先でタッチすると音声が流れるという仕組み。
いつの間にタッチペン式になったのかな~? 『ターナー展』のときは入力式だったのだけど。
記念に購入したA4クリアファイル「舟遊び」 400円。他にも何種類かありました。
公式図録 2300円。
やっぱり絵画をゆっくりと鑑賞するのはよいね♪
心が洗われる気がするもの。次はなにを観に行こうかなぁ~
東京都美術館『ターナー展』を観てきました。公式サイトはこちら → 『ターナー展』 。
そういえば昨年の今頃は、『メトロポリタン美術館展』を観に行ったのでしたっけ。一年が経つのって早いなぁ。。
そのときの記事はこちら♪
「海といえばターナー、ターナーといえば海」と言われるように、海をモチーフにした作品が多かったですね。
スケッチも含めた水彩画は緻密で繊細。油彩は間近で観るとよくわかるのですが、何層も厚塗りしたり、表面をひっかくように削っていたり、重厚で雰囲気のある質感。
こういう質感や色合い、とても好きです♪
愛用の金属製の絵具箱も展示され、中には顔料入れの豚の膀胱や当時発売されたばかりのチューブ絵具も。往時を彷彿とさせる風情が感じられ、ついつい見入ってしまいました。
携帯用の小さなスケッチブックには、小さな紙面にびっしりと緻密なスケッチが。こちらも見入ってしまいました。
特に印象に残った作品は、出品作品No.26[グリゾン州の雪崩]、No.50[レグルス]、No.114[平和-水葬]。
[グリゾン州の雪崩]は、画面一杯に雪崩や巻き込まれ折れて落下していく巨木、下敷きになって潰される民家。観るものを圧倒し不安と恐怖を与える作品です。
[レグルス]は、陽光で失明したレグルス将軍の逸話。画面やや左奥から発せられる眩い光。その光がとても印象的。
[平和-水葬]は、友人の画家デイヴィット・ウィルキーの実際の葬儀。真っ黒な船、シルバーグレイの空と海、そこにぽっ。。と灯る灯り。ありのままを描写するのではなく、観るものに伝えたいことが伝わるように描いてあり心に響きます。
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チケット。当日券1600円。
フライヤー。
出品作品リスト。全116点。
音声ガイドプログラム。音声ガイドの貸出500円。語りは辰巳琢郎さん。
公式図録 変形A4判 2400円。
チケットファイルホルダー 「嘆きの橋」。250円。
これにチケット入れて観劇に行きま~す^^♪
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今後の展覧会のフライヤー。行きたいなぁ~と思うものを。
『バルテュス展』
『モネ展』