朝日新聞 be on saturday (Red) に、『作家の口福』というタイトルで川上弘美さんのエッセイが連載中です。
このエッセイは一人の作家が何回か続けて書き、また次の作家が同じタイトルで綴るというリレー形式。内容はそれぞれの作家が「食」に関して思うところを綴っていて、その人によって違う、「食」に対する思い入れや記憶がなかなか興味深いところ。
7月20日付けは「スイッチが入ったときの献立は」。
>そのスイッチは、気温が二十八度以上になると、「かちっ」という音をたてて、まえぶれもなく突然オンになる。
(中略)
そのスイッチとは、「真夏スイッチ」。
真夏スイッチが入ると、台所に立つ時間はミニマムになる。
(中略)
台所滞在時間は七分と十八秒(ちゃんと計りました)。なんというか、人間が、百八十度とはいわないけれど、百三十五度くらいは、変わってしまった感じ。あんなに好きだった男が、「なんかめんどくさくて、あんまり会いたくないし」になってしまった感じ。
真夏の力、おそるべしだ。
誰か、「置くだけクッキング」あるいは「正真正銘三分でできる料理」を出版してくれないものだろうか。猛暑続きのこの夏の候、せつに願う次第である。
くすくすと笑いつつ、あ~わかるわぁ。。と、ひとりうなづいてみたり。
確かに、真夏のキッチンに立ち続けるのは体に悪いと思うもの。夏になるとスーパーの惣菜売り場で、天ぷらなどの揚げ物が売れるのも納得できるし。真夏の揚げ物は地獄よね。。作るのは。
川上弘美さんが綴る、こんな感じの文章の軽妙さと、「食」に関するさらりとした感じが好きです♪
6月30日(日)付けの朝日新聞 朝日求人。仕事力「『人の光』を見つめる」有川 浩が語る仕事 を読みまして。。
作家の有川浩さんが、ご自身の仕事に対する考え方などを語っておられます。
>夢を免罪符に現実をさぼっていた
作家になる前のOL時代は、お給料をもらうことしか考えていない見事なダメ社員だったそうです。
夢を免罪符に現実を軽んじていて、目の前にあることを大事にできない人間が、読者という現実の人の心を動かす小説なんて書けるわけがないことに気がつかなかったと。
>これが最後、と自分に引導を渡すために
結婚退職し、誰に読んでもらうあてもなくせっせと小説を書く日々。
これで落選したら、きっぱりあきらめようとした応募した作品でプロデビューすることになったとか。
仕事のできなかった自分は、「ただの社会の不適格者」と言い切る有川さん。
ご自分の小説のダメな人間に対して厳しい、と読者の方から指摘されるらしいのですが、それはご自身がその部分を許したくなくて、たたきのめしているからだとか。
>残念な社会人スタートだったからこそ、うそのない人の気持が書けるようになったのだと思います。
痛く辛い経験も決して無駄にはならない、ということでしょうか。
そのときには、そんなふうには思えないんでしょうけどね。。
作家さんの紡ぎだす作品には、ご自身の身を削っているような感じを受けることが多々ありまして。
「書かずにはいられない」、なにかをお持ちなのかもしれませんね。。
ORBIS の冊子 「hinami」7月号に連載中の小川糸さんのエッセイ、今回は人生初の富士登山についてでした。
酸素が薄いせいで頭痛がしたり、頭がぼんやりしたり、ひたすらしんどかった登山の様子がこと細かに書かれています。
>それでも、登ってよかったと思うのだ。たとえ精一杯登っても、頂上から期待通りの景色が見えるとは限らないことは人生にもよくあるし、山登りは、物語を書く作業にも似ている。
人生は思い通りになんていかないし、常に何が起こるかわからない。そのことを、日本で一番高い富士山が、圧倒的な力強さで教えてくれたのである。
そうね、登山と人生は似ているね。。と、しみじみ思うのでした。
いつも楽しく読ませていただいている、イラストレーター こぐれひでこさんのエッセイ『くらしのたね』。今回は vol.56 「おじいさんのぬいぐるみ」を読んで思わずくすくすと笑ってしまいましたよ~^^
まず、最初にで~んとアップになっているお写真はこぐれさんの旦那さま。背中が写っているのですけど、その左肩口になにやら乗っているというか、張り付いているというか。。
赤いぬいぐるみのくまちゃんなんですよね。なんでも、このぬいぐるみはバッグだそうで、それもお子様用ではなく、GENERAL RESEACHという男性用ファッションメーカーの製品。売り出したのは50歳を過ぎたおじさまとのこと。
> オチャメなおじさんとおじいさんにエールを送りたいと思います!
なんだか微笑ましくって、素敵だなぁ。。♪♪
以前から時折、のぞいている水島かおりさんという女優さんのブログ。いつも、その女優さんとは思えない暴れっぷりに驚き、その馬鹿正直さ(褒めております)に感動しつつ拝見しておりました。
映画の脚本なども手がけておられるので、文章が読みやすくおもしろい。独特の感性が好きだったりします。
3.27(水)付けの記事「ゴジラ」 は、今は亡き尾崎豊さんとの思い出を綴ってありました。デビュー当時の尾崎さんの姿が垣間見れて感慨深いです。
あれからもう、20年くらい経ったのね。。