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森茉莉『恋人たちの森』あらすじと感想

2016-06-04 09:04:48 | 紙の書籍
新潮文庫 森茉莉『恋人たちの森』を読了しました。

あらすじと感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
ボッチチェリの扉
恋人たちの森
枯葉の寝床
日曜日には僕は行かない
解説 富岡多恵子


【あらすじ】
頽廃と純真の織りなす官能的な恋の火を、言葉の贅を尽して描いた表題作『恋人たちの森』。
禁じられた恋の輝きと傷を綴る『枯葉の寝床』など。


【感想】
以前に雑誌で「退廃的な美しい物語」というような表現でオススメ!されていたので読んでみた。みたのだが、、稀にみる外れだった。
あんまり酷評するのもなんなのだけど、、でもなぁ~という感想に尽きる。
書かれた時代が昭和30年台後半とか、ご本人が明治生まれとかを考慮しても、これはないだろう~と。
近代以前のヨーロッパが舞台ならまだしも、昭和30年台後半の東京が舞台で登場人物がハーフ、美貌、富裕層、おまけに名前が由里(ユリア)・巴羅(パウロ)・ギラン・レオ・半朱(ハンス)ときては、これはもう笑うしかないだろう。登場人物に誰一人として共感できないし。
やたらに女性を貶めるような表現が多いのも不快だし。「女のような軽薄」とか、老女をここまで細かく外見を罵らなくても、、と思ってしまう。
なにか恨みでもあるんだろうか?「女」という存在に。ご自分も女性なのになぁ。。
「ジインパンツ」のような表現に目は瞑れるが、、「出会ったので、あった。」というような独特の句点の使い方がまた読みにくいし。
大体が状況説明が多く、後半になるまで冗長で退屈する。カタログか雑誌の説明のようなのだ。ひたすら目の前の家具や調度類を事細かに、くだくだしく説明しているので飛ばし読みしたくなる。
設定もBL小説のような。BL小説、読んだことないけど。
小説という文字におこすと、どうしてこうも陳腐になってしまうのか、、説得力がまるでない。そもそも小説の時点でリアルでないものを、さらに輪をかけて非現実的な設定にされても白けるだけだ。
どうやって読めばいいのかわからない、、となったとき、ふと思ったのが脳内変換。つまり、これは小説ではなく少女漫画だと思うことにするのだ。
そこで、漫画家竹宮恵子の絵柄と設定で変換させていただいた。(ファンのみなさま、怒らないでくださいね~。)
とりあえず、がんばって読了はした。小池真理子の『恋』を読んだ後だったので、余計になんだなかなぁ~と感じたのかもしれない。
時代設定は10年位しか違わないし、どちらも常識からは外れた感のある恋が描かれているのだが、こうも作品の質が違うとは。
森茉莉はエッセイのほうがよいのかもしれない。いや、多分、もう読まないと思うけど。


【リンク】
小池真理子『恋』の記事はこちら。 → 小池真理子『恋』あらすじと感想










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