ポプラ社 佐藤雅彦『教科書に載った小説』を読了しました。
内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。
【目次】
はじめに
とんかつ ‥‥‥ 三浦哲郎
出口入口 ‥‥‥ 永井龍男
絵本 ‥‥‥ 松下竜一
ある夜 ‥‥‥ 広津和郎
少年の夏 ‥‥‥ 吉村昭
形 ‥‥‥ 菊池寛
良識派 ‥‥‥ 安部公房
父の列車 ‥‥‥ 吉村康
竹生島の老僧、水練のこと ‥‥‥ 古今著聞集
蝿 ‥‥‥ 横光利一
ベンチ ‥‥‥ リヒター 上田真而子
雛 ‥‥‥ 芥川龍之介
とんかつ ‥‥‥ 三浦哲郎
出口入口 ‥‥‥ 永井龍男
絵本 ‥‥‥ 松下竜一
ある夜 ‥‥‥ 広津和郎
少年の夏 ‥‥‥ 吉村昭
形 ‥‥‥ 菊池寛
良識派 ‥‥‥ 安部公房
父の列車 ‥‥‥ 吉村康
竹生島の老僧、水練のこと ‥‥‥ 古今著聞集
蝿 ‥‥‥ 横光利一
ベンチ ‥‥‥ リヒター 上田真而子
雛 ‥‥‥ 芥川龍之介
あとがき
著者紹介・底本一覧
【内容】
中学や高校の国語の教科書に載っていた小説を、編者が集めたもの。
【感想】
「とんかつ」は母と息子の話。一人息子を寺の住職にするための修行に出す母親の心情と、それに答えようとする息子の姿に心を打たれる。
細かな心情の描写があるわけではないのに、心に染み込むようにその様子が伝わってくる。
「絵本」は豆腐屋から作家になった私と旧友Fの話。Fは若くして病を得て亡くなるのだが…。不思議な、でも少しも怖さを感じない心温まる話。
「少年の夏」は小学生の敏夫に起こった、ある夏休みの悲しい出来事。自分の夏休みが終わり、無邪気で単純な世界であった子供時代が終わりを告げていく。
「とんかつ」は母と息子の話。一人息子を寺の住職にするための修行に出す母親の心情と、それに答えようとする息子の姿に心を打たれる。
細かな心情の描写があるわけではないのに、心に染み込むようにその様子が伝わってくる。
「絵本」は豆腐屋から作家になった私と旧友Fの話。Fは若くして病を得て亡くなるのだが…。不思議な、でも少しも怖さを感じない心温まる話。
「少年の夏」は小学生の敏夫に起こった、ある夏休みの悲しい出来事。自分の夏休みが終わり、無邪気で単純な世界であった子供時代が終わりを告げていく。
誰もが経験したことがあるだろう、子供時代の気持ちの変化に共感できると思う。
【余談】
私は子供の頃、夏休みは図書館に住みたいと思うほど本が好きだった。その当時ですら、びっくりするくらい古い木造校舎にある図書館は、ぎしぎしする木の階段を登りきったところにあった。入り口には購買部があり、文房具の独特な匂いも好きだった。
図書館独特の古い本の匂い、かさかさと音を立てる本のページ、外から聞こえてくる生徒の歓声、窓から差し込むキラキラした日差し、どれをとっても大好きな時間と空間。
私の小学校では、夏休みに借りられる本は3冊までと決まっており、3冊なんてものの3日で読んでしまい、後の30日以上を一体どうしたらいいの?という感じだった。自宅には自分が読みたい本はなかったので、とてもつまらなかったことをよ~く覚えている。学研の科学と学習は定期購読してもらっていたが…。
大人になったらミニ図書館を自分の家に持つんだぁ~!と、子供心に本気で思っていた。残念ながら大人になった今も実現はしていない。
国語の授業中、よく退屈になると(読書は大好きでも、国語の授業はつまらなかったので)関係ない単元の小説などをこそっと読んでいた。これらの話はどれも私の琴線に触れ、いつまでも心に残るものが多かったように思う。
教科書の編集にあたった方々の眼はとても素晴らしく、そのための労力は相当なものだっただろうな。。
こんなアンソロジーがもっと出版され、読まれればいいのになぁ。。と心底思う。
私は子供の頃、夏休みは図書館に住みたいと思うほど本が好きだった。その当時ですら、びっくりするくらい古い木造校舎にある図書館は、ぎしぎしする木の階段を登りきったところにあった。入り口には購買部があり、文房具の独特な匂いも好きだった。
図書館独特の古い本の匂い、かさかさと音を立てる本のページ、外から聞こえてくる生徒の歓声、窓から差し込むキラキラした日差し、どれをとっても大好きな時間と空間。
私の小学校では、夏休みに借りられる本は3冊までと決まっており、3冊なんてものの3日で読んでしまい、後の30日以上を一体どうしたらいいの?という感じだった。自宅には自分が読みたい本はなかったので、とてもつまらなかったことをよ~く覚えている。学研の科学と学習は定期購読してもらっていたが…。
大人になったらミニ図書館を自分の家に持つんだぁ~!と、子供心に本気で思っていた。残念ながら大人になった今も実現はしていない。
国語の授業中、よく退屈になると(読書は大好きでも、国語の授業はつまらなかったので)関係ない単元の小説などをこそっと読んでいた。これらの話はどれも私の琴線に触れ、いつまでも心に残るものが多かったように思う。
教科書の編集にあたった方々の眼はとても素晴らしく、そのための労力は相当なものだっただろうな。。
こんなアンソロジーがもっと出版され、読まれればいいのになぁ。。と心底思う。