ノアの小窓から

日々の思いを祈りとともに語りたい

落差

2017年10月10日 | 思い出


     なぜ、こんなことを思い出したのだろう。
     もう何十年も昔の浅丘ルリ子さんへのインタビューである。

     それも、その部分だけ。

     インタビュアーが、ルリ子さんに、「家にいる時は何をしていますか」と尋ねていた。
     ルリ子さんは、「家を片づけている。私は片づけ魔なの。いつも片づけている」と答えていた、


     ことばづかいの細かいところは、少し違うかもしれない。
     けれども、私はとても印象に残ったのに違いない。

     あでやかで、上品な「はっすぱさ」が魅力の女優さんだった。
     当時の日活の女優さんの、だれよりも華やかだった。
     片づけなんかと縁がない「妖精」に見えた。

     それで、印象に残ったんだね。

      

     先日、石坂浩二さんのインタビューをテレビで見ていた。

     インタビュアーが、彼の過去にかかわりのあった女性について尋ねていた。
     それは、はっきりと、浅丘ルリ子さんのことを指しているのではなかった。

     しかし、女優とのプライベートの時間を聞かれて、石坂さんが言った言葉で、
     一つだけ、印象に残った、

     「落差ですね」

     これも、私の中で意訳しているかもしれないので、ひょっとして違うかもしれない。


     女優さんでなくても、個人的な時間を共にするとき、当然、
     社会的な顔との間に落差があるのだけれど、

     私は、この言葉を聞いたときに、数十年前のルリ子さんの「片づけ魔」を思い出した、

     「家にいる時は、いつも片づけている」なんて、
     ある意味、素敵な女性だけれど、
     その落差が、彼女のイメージこわしたのでしょうか。

     「家のこと、なんにもしないんだよ。やはり、野に置け、レンゲソウだったよ」

     そんな風に言われる、美しい人がいたけれど、
     どちらがいいのでしょうか。
     とくに、男性にとっては。