当時、小さな詩の同人誌に集っていました。詩を書いて活字になるのがうれしかったのです。
今のようにパソコンなどないので、同好の者が集まって作品を持ち寄り、印刷物を出版したのです。
そのほとんどは散逸してしまいました。作品は、今読むと、とても初心(うぶ)で赤面ものです。
主宰者のご厚意で、自分の簡単なスケッチを、表紙裏(とびら)に載せていただいていたのです。
あらっぽい絵ですが、なぜか、とても懐かい。
というのは、当時の、どこか、憂愁を帯びた神戸の街を思い出させてくれるのです。
三宮から北野町、三宮から中山手通りなどを通って、自宅へ帰る道は、
ふだんは、バスに乗っていたはずですが、歩いてもせいぜい3キロたらず、
何百回も、歩いたものです。
これらのスケッチには、観光地のしるしみたいなものが一切ないのですが、
毎日そこで暮らしていた時には、何でもない曲がり角や家の屋根の方が親しかったんですね。
今見て驚くのは、ほとんど鉄筋のビルが見えないこと。高層ビルなんか気配もなかった。
中山手通りは、ビジネスオフィスがあったと思うのですが。
三宮北
石屋川
北野町付近
中山手通り
神戸港