朱い鳥 火の鳥
わたしの心を乗せて飛べ
わたしの身の暗い淵より
宇宙(そら)に向かって旅立ってゆけ
遥かなる宇宙(そら)をめぐりながら
情熱の炎に輝く時
わたしの心もまた
同じ炎の中に燃え立たせて
固い殻が焼け去り
わたしは解けて流れるものになれる
朱い鳥 祈りの鳥
沈黙に続く孤独の宇宙(そら)に
いつか星のきらめき聞こえてくる
澄んだ響きで奏でる方へ
翔けてゆけ
恐ろしさに引き入れる茫漠とした宇宙(そら)に
情熱の炎に照らされて
やがていくつもの星座が浮かび上がり
星座の中に忘れられ凍りついていた
神話が解けて語り始められる
朱い鳥 生命(いのち)の鳥
力強い羽ばたきで
わたしを神話の中に吹き込んで
人生がそこから生まれては還ってくる
人々の感情(おもい)の原型が宿っている
同じ感情(おもい)に触れて
わたしは解けて流れてゆく
永遠(とわ)に結ばれ
宇宙(そら)に鏤められてような
無数の生命(いのち)に流れてゆく