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考えさせられます~新しい障害~

2018-08-06 17:13:19 | 教育

ゲーム障害 のめり込んでは危ない

2018年8月4日・東京新聞社説より
 長い夏休み中、オンラインやテレビでのゲームのやり過ぎに注意したい。健康を損ない、日常生活に支障を来す「ゲーム障害」を患うリスクがつきまとう。世界各国を悩ませる新たな精神疾患だ。


 世界保健機関(WHO)は、病名と症状、分類を示す「国際疾病分類」に、依存症の一つとしてゲーム障害を加えた。新手の病気として認定したわけだ。来年五月の総会で採択され、二〇二二年一月に発効する見通しという。


 ギャンブルやアルコール、薬物などの依存症と同様に、脳の機能に障害が生じる。ゲームで得られる快楽は、覚醒剤を投与されたのに匹敵するという指摘さえある。自らの意思では断ち切れなくなるから恐ろしい。


 スマートフォンやタブレット端末の爆発的な普及は、世界規模でゲームへの依存度を強める結果を招いている。WHOによる病気としての認定を機に、国は実態把握を急ぎ、予防策や治療法の確立へ向けて環境を整えるべきだ。


 ゲームで遊びたい衝動を抑えられず、日常活動より優先してしまう。健康や学業、仕事、対人関係などに悪影響が出てもコントロールできない。こうした行動が一年続くと、ゲーム障害という。


 WHOはゲーム愛好家の2~3%程度を依存症とみている。殊に心身共に発達途上の若い世代への広がりが強く憂慮される。


 厚生労働省研究班の五年前の調査では、ネット依存が疑われる中高生は五十二万人に上ると推計された。ほぼ十二人に一人の計算になる。その80%以上はオンラインゲームへの依存とみられている。


 依存症に陥ると、人生設計が台無しになりかねない。


 昼夜が逆転し、不登校や引きこもりになる。適応障害やうつ病などを併発する。課金がかさみ、金銭トラブルに巻き込まれる。深刻な問題が多岐にわたり連鎖するリスクが高まるという。


 ゲーム障害の怖さについて、家庭や学校、地域社会で情報を共有することが重要だ。利用のルールを話し合い、予防につなげられないか。


 依存症は「家族の病」とも呼ばれている。家庭内に安心できる居場所がないケースが目立つからという。つらい現実から避難し、傷ついた自己を癒やすために依存症に逃げ込んでしまうという構図のようだ。


 ゲーム障害の研究は動きだしたばかりで、専門医の育成や医療機関の拡充が急務だ。ゲーム業界にも知恵を絞るべき責任がある。