数年前に白内障手術し、メガネ作製(他店購入)した方来店。眼科さんから何とかしてもらえとのことらしいです。その方は裏からその眼鏡を見たほうが、左目に関してよく見える気がするとの訴えです。レンズというのは外面に凸面が来るように設計されているので、度が同じでも余計なレンズ収差を感じるはず(見にくい)。
しかしそれを飛び越え見やすいと感じるというのは、気のせい、と片付けるのは終わってしまうので検査します。調べてみると、度の強さと乱視の軸方向の問題がありました。度に関しては、凹レンズの場合、角膜とレンズ後面の距離が近いと度数が強くなります。通常12mmの距離で設計しているのですが、眼に近づけると度を強くすることができます。ひっくり返せば自在となります。もう一つは乱視軸もひっくり返せば、水平、垂直の軸でない限り、変わってしまいます。
結果、乱視軸がひっくり返したときの軸に近いほうが現在の眼に合っていました。度も強く。結局訴えられたことは理にかなっていたということに。しかしなかなかひっくり返してみようとする人はいないと思うのですが、ちょっと面白かったです!