大喪の礼で捕まった想い出

もう30年も前の話だが……。 　あの日、大喪の礼が行われるというので、悪友と二人して赤坂あたりに出かけて行ったら、たまたま100メートルほど先で警察官が検問をしているところに出くわした。 　当時の私たちは望遠レンズのついたカメラを持っていた。そこで、記念に検問風景を撮影しようということになりカメラを構え、５，６枚撮ったところで後方からタッタッタと駆け足の音がいくつも響いてきた。 　振り返ると機動隊員が我々に向かって迫ってくるところだった。 　こんなに離れているから大丈夫だと思っていたのに、まさか後ろから攻めてくるとは！ 　あっという間に我々は確保されてしまった。連れて行かれたところは、プレハブで造った臨時派出所のような箱。 　 　「なんで撮影していたんだ！」 　「キャノンのカメラで撮影していました」 　「そうじゃない！　なぜ、という意味だ」 　「昭和の記録にと思って……」 　「お前たち、過激派じゃなのか？」 　いや、激辛派だと言いたいところを我慢して、 　「めっそうもないです。単なる庶民でして…」 　 　そんなようなやり取りのあと、住所と名前、勤務先などを訊かれたが、私はいっさい喋らなかった。ところが悪友の方が、「免許証を出せ」と言われて素直に出してしまったのだ。 　すぐさまそこから本部だかどこかに問い合わせが行き、その結果、彼の素性などが判明。さらにヤツは勤務先なども自白してしまったのである。 　結局、この二人は思想などまったくない無教養な男たちで、危害を与える恐れはないということで放免された。 　天皇が替わり、これからいろいろな行事が行われるだろうけど、写真撮影には気をつけようね。 　冒頭の写真はこの記事とは何の関係もない。お蔵入りしていた熊本ラーメンだ。 　地下鉄グリーンラインの東山田駅近くの「しぇからしか本舗」で、熊本地震の被害、被災者を思い出しながら食べた。 　美味しいし、いい感じのお店だった。こっち方面にはほとんど用はないけど、近くまで行ったときは再訪してみたいと思う。 　 ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね