9月27日、中華街にまた新しい店がオープンした。 その名を「大喜(Taiki)」という。食べるラー油ならぬ、食べるスープの専門店だ。 場所は開港道。近くには「永楽製麺所」、「麺恋亭」、「福満園新館」などがある場所柄で、こんなところにスープの店…? と思うかもしれないが、これがなかなか素敵な店なのである。 実は、オープン当初から気になっていたのだが、お店のファサード、宣伝っ気のないディスプレイ、胡散臭いメニューなどを見て、なんとなく危ない感じがして避けてきたのだ。 日が暮れかかった頃に見ても、こんな感じ。 身体にシェイプを起こします…なんて謳い文句に、いつもと変わらぬ店頭風景。 ガラス越しに見える店内は、お客さんゼロ!! でも、なぜかこの5種類のスープメニューが気になる。 400円のキャベツとトウモロコシのスープから1350円の水を使わない野菜スープまで、たった5種類しかないのにこの価格帯は…なんだろう… そして、このマーク! 完全禁煙の店だ。 さらに、このマーク! 補助犬の同伴OKだ。 もしかしたら、心安らぐ店なのかもしれないと思い… 11月上旬、とうとう店内に足を踏み入れた! 白を基調とした店内は清潔そのもの。空気までクリーンな気分がしてくる。 町内のごちゃごちゃした中華料理店と違って、テーブル間も贅沢な余裕が! 天井からは耳に心地よい50年代のオールディーズが、まるでミストのように降り注いでくる。表から見ただけでは分からない、なんとも素敵な空間が、そこにあった。 『居酒屋大全』を記した太田和彦が言っている。初めて入った居酒屋の良し悪しを判定するのは暖簾をくぐってからの3秒間だと。1秒で店主の顔を伺い、1秒で客ダネを判断し、1秒で壁のお品書きを見極めるそうだ。 だが、この店では店主が厨房にいて顔が見えない。先客はゼロ! そしてお品書きどころか、余計なポスター、張り紙のたぐいもなし! だが、私の第六感では、ここはいい店だと思えた。 お客さんのバッグなどを入れる籐籠。こんな入れ物は「三和楼」にもあるが、こちらでは籠の内側が布張りになっている。 脂ぎった床ではないのに、こういう心遣いは嬉しくなるよね。 さて、肝心のスープである。 400円の「キャベツとトウモロコシのスープ」というのもなんだし、初回から1350円のも危険が伴うし、っていうことで、イチバンのお勧めである「豆とリボンマカロニのトマトスープ」にしてみた。 もちろん+150円でパン、デザート、コーヒーor紅茶のセットにしてね。 これがそのスープである。 ひと口啜ってみて、美味しい~~~~! この甘み、旨みは何だろう! 店主に聞くと、ダシや砂糖などは使っていないという。 全て材料から出た味、旨み、甘みなのだ。 セットで出されたパン。その右横にあるものはバター2種。一つは普通のものであるが、手前の黄色が強いものはオリーブの実から採ったバターだそうだ。 初めて食べたが、フランスパンによくあう。 パンの奥にあるのは古代米のおにぎり。これはオープン記念のサービス品であるが、普通に美味しい。 食後のデザート。 右から「小松菜+バナナ+リンゴ+レモンを2度ミキサーにかけたもの」。 その隣はローズヒップのゼリー。 その隣は梅肉を使ったゼリー。 すべて自家製で、余分なものは使っていないそうだ。 その中から最も健康的そうな緑色のものをいただいた。 これが、すばらしく美味しい! 水や氷、砂糖など一切使用していない。そこから出た美味しさが際立っている。 左のケーキは、これまたオープン記念で限定サービスされていたヨーグルトケーキ。 シットリしていて、結構美味しい。 これは翌日に食べた「大根と人参の鶏肉スープ」。 自然の甘みが突出しているスープである。これも聞くまでもなく、甘味料やダシなどは一切使っていない。 そこにスライスされた生姜がタップリ! これがまた野菜から出た甘みと合体して、不思議な旨みを演出している。 そして、スープをかき回すと、底の方から思わぬサプライズが!! なんと、素麺が発掘されたのである。 スープと合わせて食べると、やっぱり美味しい! さらに翌週、お店を再訪すると、セットの内容が変化していた。 開店記念サービスで提供していたパン+古代米が終了し、どちらかの選択制になっていた。 で、古代米を頼む。 スープはクリーミーな味で、これまた美味しい。 最後はおにぎりでスープ皿をぬぐったほど。 そしてこの日のデザートは、ローズヒップのゼリー。 これがまたまた、美味しい! もっと大きな容器で食べたいくらいだった。 サービスのヨーグルトケーキ。 グラスの横にある窪み。写真で分かるだろうか。 親指があたる部分が、うまい具合に凹んでいるのだ。 聞けば、グラスを持ちやすいように、このような形になっているという。ユニバーサルデザインな素敵なグラスである。心なしか水が美味しく感じられる。 スープの容器にも同じような心遣いのデザインが施されている。それは左手の親指を添えるための凹み。 写真には写っていないが、これがあるお陰で、非常に食べやすくなっているのだ。 こんなところにも、この店のこだわりが感じられる。 さらに翌週、いただいた「ジャガイモと豚肉入りポトフ」。 ジャガイモがホクホク。人参は臭みもなくサックリ。 豚肉は余分な脂が落ちて健康的な感じ。 もちろん美味しい。 そして店内フロアはこんなゆとりがあるし、この日も60年代ポップスや古いジャズなどが流れていて、至福の時間を過ごすことができた。 食後のデザートは梅肉のゼリー。 これもいけるが、イチオシはやっぱり小松菜+バナナ+リンゴ+レモンのあれだろう。 ああ、また食べたくなってきた。 馬さんの店「龍仙」でも、こんな張り紙を見たが、これは鍋じゃないのかな。 食べるスープなら、「大喜」がお勧めだ。 そういえば、ここの店主のことについて言い忘れていた。 経営者は洋風割烹着の似合う元美人のお母さんだ。 どこか上品で、押し付けがましいところの無い、まるでここのスープのような穏やかな雰囲気の方。 どなたかのブログに「友だちのお母さんみたい」と書かれていたが、私は優しくて上品な親戚の叔母さんという感じがする。 最近の一部えげつない中華街業者とはまるで正反対のお店。ゆったりと時間を過ごすには最適な場所が、また一つオープンした。 ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね 「ハマる横浜中華街」情報はコチラ⇒ |
スープストックには寄る気がしませんが、ここなら、と思います。
ここは好みだろうなと思いながら書いていました。
中国料理、特に南方ではスープで健康を維持するという考え方が強いので、
いろんなスープがあります。宴会などで人数が集まるようとき、廣東人とか
香港人がコックの店なら、予約時に希望を伝えると美味しいものができます。
香港あたりだと、スープ専門店もあります。中華街にもスープ専門店があっ
てよいとは思いますが、需要そのものがないだろうから商売にはならないで
しょうね。
伊勢佐木町商店街のPapa Johnの近くに「鑫城靚湯」というスープ専門店では
ありませんが、スープをウリにした店があります。種類も豊富で、効能によっ
て、使い分けができます。スープは大変に美味しいのですが、料理の方は、
突出したものがないのがちょっとアレです。こういうスープを前面に押し出し
た店がもっと増えて欲しいところです。
中国料理におけるスープの展開は出遅れていますが、洋風のスープは、
SoupStockTokyoの拡大で、受け入れられやすくなっているのだと思います。
「大喜」も息の長い商売をしていってほしいですね。
>実は、オープン当初から気になっていたのだが、お店のファサード、
>宣伝っ気のないディスプレイ、胡散臭いメニューなどを見て、なんと
>なく危ない感じがして避けてきたのだ。
確かに、年寄り相手に不当な価格で健康食品を売りつけてそうな、そし
て2ヶ月もしたら姿かたちも残ってなさそうな佇まいですね。ちょっと
手を加えるだけでも、暖か味のあるものになりそうなのに。
最初はSF商法の店かと思っちゃいましたよ。
ただ宣伝がうまくないんですね。
スープの金額は表にしか出ていないし、
初めてだとちょっと不安になるかも。
伊勢佐木町商店街の近くにスープをウリにした店があるとは知りませんでした。
行ってみます。
ワシというよりも我妻向けと思いますが、酔華サンのココロに結構刺さっているようなのでワシにも会うカモ♪
とりあえず、むやみに誘われています。
テラ盛りとか、ギガ盛りはないですよ。
女性向の分量でしょうね。
断食の前後にはいいかもしれません。
運動しない健康マニアとしては、ぜひとも行ってみたいお店ですよ♪
レポート有難う御座いました!
あっ!
ここって、私の職場からちかぁい♪
やた♪
運動もしながら通ってみてください。
私は血圧が下がってきました。
あと10キロは脂肪減らさないと。
いいお店ができましたね。
油まみれのオレンジ色の麺類は当分自粛です・・・
油と炭水化物の取り過ぎの人には、
トマトスープがお勧めです。
水曜・日曜が定休日ですよ。