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旅人の宿りせむ野に霜降らば 吾(あ)が子 はぐくめ天(あめ)の鶴群(たずむら) 万葉集(巻9)
作者は遣唐使随員の母と分っているのみの歌という。
“鶴よ私の子が凍えぬように翼で包んでおくれ“(読売新聞編集手帳)
3月に北海道で猛吹雪の中、自らの命を賭して少女の命を守って父は亡くなった事件に関する記事だった。新聞はその後助かった少女が親族宅で元気に立ち直っている様子を1ヵ月後詳報した。それが契機になって国は携帯電話の位置情報を、緊急の場合は通信会社に通信の秘密の保持に縛られず、迅速に救急機関に通報できるよう法整備を進めることになった。
大阪の登山中行方不明になった小6の男女2人が、翌日無事発見されよかった。2人は道に迷ったことを自覚し、滝のそばでシートを敷き、持っていた水筒の水、おにぎりやお菓子を食べ、身を寄せ合って一夜を過ごした。
無駄に動き回らなかったことが生存につながった。それと心配された雨が降らなかったことだろう。翌日の夜は梅雨入りで雨となった。幸運が幸いした。天(あめ)の鶴群(たずむら)が守ってくれたのであろう。鶴は情の深い鳥だといわれる。
登山事故の教訓はいくつもあるだろう。野外学習は事前の下見が大事と、身内から聞いている。今回は現地の案内人も頼んでいたし、二手に分かれる登山道の分岐点にはテープも張ってあったとか。それをくぐって近道しようとつい遊び心を起こすのが児童特性なのだろう。
教員が山頂で点呼をとったこと、警察に早めに捜査依頼したのはよかった。危ない分岐点に教員を配置しなかったこと、最後尾に誰も配置しなかったことは良くない。最後尾の4人組みがテープを潜り、内2人は途中で引き返している。
自宅の前を昨日も近所の保育所の幼児たちが野外学習して帰ってきた。幼児の小鳥のさえずりでかしましく表へ出て見た。家の前はT字形三叉路になっている。3、4人の保育士の1人は、定石通りこの三叉路に停まって行列を監視していたし、最後尾にも一人ついていた。
学校行事の事故とか、いじめは身内に教職がおり、今は働き盛りになっているので、ニュースをみると他人事とは思われない。元養護教員の嫁は昨年から産休教員の代役で、臨時職の養護教員として隣の市の小学校にお世話にもなっている。彼女は夏休みもない。
図書館の文芸春秋4月号(当月号は貸し出し禁止)を、最近号を運良く借りることができて、「大津いじめ自殺父闘いの全記録:独占手記」と、尾木ママこと、尾木直毅法政大教授の「ご遺族が第三者調査委員会に訴えたこと」を読んだ。氏は第三者調査委員会の委員を遺族から頼まれ任務を果たされた。オギ・ブロ
この自殺した息子の父は、当時妻と別居中だったこと、息子と2人暮らししていたこと、亡くなった日にお通夜をして、翌日にお葬式を出したことで、何かを隠そうとしたと誤解された、などが学校や教育委員会に家庭に問題がある自殺と誤解され、なかなかいじめによる自殺と認めなかったらしい。
この父親はいじめにあっているとは、全く気づかず、お葬式が終わって妻の実家(銭湯を営んでいる)から電話があって、お客のある下級生のお母さんから「あんなん、いじめ殺されたみたいなもんやで」と教えられて、それから執念の真相探しに発展して行ったことがよく理解できた。
尾木ママは私も22年間、中、高の教師をしていたし、8クラスの学年主任をして、大規模校の難しさが分るといっている。調査を始めるに当って、心がけたことは市教育委員会や学校に協調的スタンスで望もうとしたが、調べを進めていくうちに教師の「教職性の欠如」の問題と同時に、いじめや思春期特性に対する理解不足があげられると指摘しておられた。
大事な子どもを預かる職業なので苦労も多いが、身内には誠心誠意がんばれといっておきましょう。
気になります。小6の二人の行方不明
も気になっていましたが、翌日出てきて
良かったと思いました。幾つかの幸運が
幸いしたようですね。胸をなでおろし
ました。
(朝日:かたえくぼ)
はんちくてぃ君 コメントありがとう。
君はよう登っているねぇ。君は登山家なのでGPSもコンパスも持参しているので迷うことは無いなぁ。でも気をつけてね。