空気抵抗の対象とするホイール、自転車および乗員などの形状係数(抵抗係数)Cdと前面投影面積Aの積がCdA値です。この値が小さいほど空気抵抗が小さいことになる訳です。Cdは無次元数そしてAの単位は2乗mで、CdAの単位も2乗mとなります。
例えば、タイムトライアルの乗車姿勢やタイムトライアルヘルメットは、CdAの値が小さくなるように設計されています。CdAは風洞 で計測しますが、乗員と自転車を合わせたCdAの値は、体形および自転車の違い等により差があります。競技者の体形でスキンスーツを着て対応する自転車で走った場合、ロード競技車でロードヘルメットを付けてドロップハンドルで走る場合はCdA=0.30そしてタイムトライアルバイクでタイムトライアルヘルメットを着けてエアロバーのハンドルで走る場合はCdA=0.23という一つの測定データがあります。この差が時速にして5km~10km差となって行くのです。
パワーウェイトレシオは確かに重要な一つの要素ですが、物体の速度が上がれば上がるほど空気抵抗との戦いが重要になってくるのです。速度の2乗に比例して空気抵抗も増える為、出力が高くても空気抵抗に負けてしまいスピードがでなければ意味が無くなってくるからです。これまでパワーのある大柄な選手が有利とされてきた個人TTで、身長171cmのレムコ・エヴェネプールが圧倒的な強さを見せているのがその証左といえるでしょう。
ホイールをディープリムにするより先に、上半身の空気抵抗を抑えたほうが楽になったりとエアロダイナミクスは奥深いものです。一見空気抵抗は「見えない」のでその重要さを見落としがちです。そこで機材とエアロダイナミクスがタイムにどのような及ぼすのか調べてみました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます