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チームTTでヴィスマが圧倒

2025-03-12 11:40:42 | プロ・ツール
 パリ〜ニース3日目は独自ルールのチームトライアルでした。丘を含む28.4kmコースを平均55.962km/hで駆け抜けたヴィスマ・リースアバイクが圧勝し、マッテオ・ヨルゲンソンがマイヨジョーヌに袖を通しました。前日に行われたティレノ・アドレアティコは11.5㎞の平坦コースで優勝したフィリッポ・ガンナの平均速度が唯一56㎞/h超えでしたが、28.4㎞で登りもあるコースで同じ速さになるのはチームTTならではでしょう。一人と7人ではこれほど速さが変わるのですから、ロードレースは空気抵抗との闘いなのだと思い知らされます。

 昨年までチームTTでは圧倒的な強さを見せて来たUAEチーム・エミュレーツは今年はチームTTでは振るわず、EFやデカトロンからも遅れアルメイダにマクナルティ、ナルバエスがヨルゲンソンから40秒以上も遅れ、総合トップ10に誰もいなくなってしまいました。これでブエルタ・ア・ラ・コミュニタット・バレンシアナに続きチームTT大敗という結果になってしまいました。このレースでもアルメイダはサンティアゴ・ブイトラゴに最終日に逆転されているのです。

 今回はティレノ・アドリアティコとチームを2分し、エースのポガチャルが出ていないこともあるのですが、第3ステージを終えてヴィスマに完敗する可能性が強まっています。特にヴィンゲゴーとヨルゲンソンのWエースで挑むヴィスマ・リアースバイクの強さは強力です。

 昨年はヘルメットに注目が集まっていたレースですが、今年のTV中継ではクランクが多く映し出されていました。流石に走っている状況でクランク長までは分かりませんでしたが、ヴィンゲゴーの脚の回り具合を見る限りショートクランクであることは間違いなさそうです。ただ、ヴォルタ・アオ・アルガルベと同じ150㎜かどうかは不明です。

 ツール・ド・フランスでのリベンジを狙うヴィンゲゴーはポガチャルと互角に戦う武器を手に入れようとしているようです。今回のコースは若干の登りもあり、ティレノのような平坦ではなかったので、単純な比較は出来ませんし、チェーンリングの大きさも違います。ティレノでは勝ったガンナや2位のアユソは64Tのビッグギアを使っていました。ヴィンゲゴーはせいぜい56Tか58Tをハイケイデンスで回す走りでした。昨年のツールの山岳でフロントシングルを試したりしていたので、心肺機能の高さを活かしたハイケイデンス走法へシフトしているのではと思われます。加えて筋トレを増やしているという情報もあるので、チェーンリングを少しでも大きくしたいという考え方があるのかもしれません。
 ヴィンゲゴーはツールに向けてティレノではなくパリ~ツールを選んでいて、今後登場する山岳ステージでどんな走りを見せてくるのかが楽しみです。TTで大きく遅れたUAEは山岳では思い切った攻撃を仕掛けて来るはずです。

 

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