
ティレーノ〜アドリアティコの初日は11.5㎞の個人TTでしたが、現イタリアTTチャンピオンのフィリッポ・ガンナが2位のフアン・アユソを22秒も突き放す圧巻の走りでステージ優勝とリーダージャージを手にしています。昨年はアユソに敗れていたのでリベンジとなりました。

UATツアーの時にも感じていたことですが、距離の短い平坦のTTではトラック競技の選手に分があるようです。UAEツアーで個人TTを征したジョシュア・ターリングも今回のガンナもトラック競技でも強い選手たちなのですから。やはり、短い平坦コースだとビッグギアを回せることが大きいのだと思っています。

対してポガチャルやアユソはGCライダーですから、もう少し距離があるか、登りが無いコースでは彼らに勝つことは難しいのが実情でしょう。今回はアユソが弱いというより、ガンナの調子が戻ったと見るべきでしょう。この距離で唯一の平均速度が56㎞/hを超え、他の選手に20秒以上のタイム差をつけての勝利だった訳ですから。

ただ、ティレーノ〜アドリアティコは7日間のステージレースなので、このタイム差は登りゴールで簡単に逆転されてしまいます。ただ、総合を狙う選手たちはヴィスマに移籍したサイモン・イエーツが54秒遅れの28位、チューダーへ移籍したマルク・ヒルシは58秒遅れの34位、アユソとWエースを担うはずのアダム・イエーツは1分2秒遅れの40位、ストラーデビアンケでポガチャルとバトルを繰り広げたピドコックも1分6秒遅れの49位と出遅れてしまっています。

本格的な総合争いはこれからですが、UAEはアユソをエースとして戦いを進めて行くことになりそうです。そうなると登りでアダム・イエーツやラファウ・マイカといったポガチャルのアシスト勢が盤石の態勢を築いて来るはずです。加えて、TTでアユソと15秒差の9位と健闘したデルトロの存在も活きて来るでしょう。
アユソはTTで築いたタイム差をどこでどのように活かしてくるのかが勝敗を分けそうです。昨年は終盤ヴィンゲゴーの逆襲に会い、2位に泣いたアユソがこのレースを勝てばジロ・デ・イタリアでもマリア・ローザ候補として名前が浮上して来るはずです。
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