ジロ・デ・イタリアも7日目を迎え、注目の個人TTが始まった。40.6kmと近年にしては長目の距離(8年ぶり)に加え、最後には全長6.6kmの平均勾配は4.2%の登りが待っている厳しいステージです。中世の面影を残すペルージャ旧市街へと誘う道は、狭く曲がりくねり、石畳さえ顔を出し、時に勾配は大きく緩み、時には激しく険しさを増す。例えば上り始めた途端に最大勾配16%にぶち当たり、1.3kmにわたって平均11.8%の「壁」が続くのです。
このようなコースレイアウトでは、平坦はTTバイクで、登りはノーマルバイクに交換するケースが多いのですが、昨年のツール・ド・フランスの第16ステージではポガチャルがバイク交換をしたのに対し、ヨナス・ヴィンケゴーはTTバイクのまま走り切り、異次元の好タイムを叩き出し、ポガチャルとのタイム差を大きく広げてしまったのです。
このようなコースレイアウトでは、平坦はTTバイクで、登りはノーマルバイクに交換するケースが多いのですが、昨年のツール・ド・フランスの第16ステージではポガチャルがバイク交換をしたのに対し、ヨナス・ヴィンケゴーはTTバイクのまま走り切り、異次元の好タイムを叩き出し、ポガチャルとのタイム差を大きく広げてしまったのです。
この日もバイク交換があるのかに注目していましたが、最初にトップタイムを叩き出したフィリッポ・ガンナはTTバイクのままでした。現アワーレコード保持者で、TTイタリアチャンピオンのガンナの平坦でのスピードは圧倒的でした。最後の登りではやや減速したもの52分01秒のトップタイムでゴール。平均速度は46.8km/hでした。
88番目にスタートしたガンナはゴール後165番目と最後にスタートするポガチャルが走り終える迄ずっとホットシートに居続けることになりました。総合2位のゲラント・トーマスはガンナから2分近く遅れ、ダニエル・マルチネス(ボーラ・ハンスグローエ)からも11秒遅れ、総合で3位と順位を下げてしまいました。
後はポガチャルのタイム次第ということになりました。34kmの第2計測地点ではガンナに47秒も遅れていたポガチャル。やはりTTスペシャリストに勝つのは難しいのかと思っていたら、登りでもバイク交換はせず、軽快に脚を回す。ものすごい勢いで登って行く。TV画面ではホットシートにいるガンナの唖然とした表情が映し出される。解説人も熱狂する中、ポガチャルがガンナのタイムを17秒も上回ってゴール!!6kmちょっとの登りで1分以上のタイム差を稼ぎ出した計算です。平均速度は47.088km/h。途中13%の急勾配を20km/hで登るポガチャル。これは本物でした。
今年はTTが初めてというポガチャル。レース後はTTバイクでクールダウンする姿がTV画面によく映しだされていましたが、彼は間違いなくTTバイクでの登りのトレーニングをしています。昨年のツール・ド・フランスの経験が活かされた結果でしょう。それにしても強かった。昨年のヴィンケゴーも圧巻でしたが、このTTを見る限り、ポガチャルのTT能力が著しく向上しているのがみて取れました。これがストラーデ・ビアンケでの80km独走勝利の要因になっていたのかもしれません。
ただ、レース後の様子から目いっぱいの走りで明日のステージへの影響だけが心配です。昨年までのポガチャルなら明日の山岳で遅れてしまう可能性もあるのです。最初の1週間でステージ2勝を挙げ、2位のダニエル・マルチネスに2分36秒という差を付けているので、明日の山岳ステージでは無理をする必要は無くなりました。明日のステージでも大人の走りができるのか、はたまた果敢な攻めに出るのかに注目しています。
それにしてもTTレースは見所満載です。特殊な形状をしたTTバイクにヘルメット。DHバーに顔を付けるようなエアロフォーム等々、最新のエアロ機能が盛沢山で見ていても飽きません。この第7ステージはユーチューブで無料配信されているので、興味のある方は是非見てみてはいかがでしょう?
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