雪が積もるリヴィーニョの山頂ゴールを征して見せたタディ・ポガチャル。過去にここをマリア・ローザが制したのは伝説のロードレーサーエディ・メルクスのみだという。ちなみに、これでポガチャルは今大会4勝目だが、マリア・ローザでの3勝目は1934年のレアロコ・ゲレーロ、1973年のエディ・メルクス、2018年のサイモン・イェーツに次ぐ4人目となる。そしてポガチャルはグランツールのステージ勝利は18勝目となった。また15ステージ終了時の2位とのタイム差6分41秒は、1954年以来70年ぶりの大差となっている。
往年の名選手一人ベルナール・イノーが、「タデイ・ポガチャルはすでに史上最強のエディ・メルクスに並びつつある。」と語る通り、今我々は歴史的な瞬間を目撃しているのかもしれない。
往年の名選手一人ベルナール・イノーが、「タデイ・ポガチャルはすでに史上最強のエディ・メルクスに並びつつある。」と語る通り、今我々は歴史的な瞬間を目撃しているのかもしれない。
とはいえ、昨年と一昨年のツール・ド・フランスでのポガチャルの姿を知っている者としては、一抹の不安はぬぐい切れないのも事実。個人の能力がモノをいうワンデークラシックとは異なり、21日間のステージレースではチーム力が問われる。チーム力ではヴィスマ・リアースバイクが間違いなく上回っているのだ。それでもポガチャルがWツールを征するとなれば、確かにエディ・メルクスの再来といえるのかもしれない。
今年のジロでポガチャルは初日から何かを試しているように見えた。自身が先行したゴールスプリントではナルバエスに差し切られたものの、翌日のオロパの山頂ゴールを征しマリア・ローザを奪取。第3ステージでは残り3kmの登りでホノレのアタックに素早く搬送し、ゲラント・トーマスとともにゴールを目指した。
その後、個人TTに向け無難な走りをみせる中、チームメイトの発射台にもなって見せたのだ。注目の個人TTでフィリッポ・ガンナをラストの登りで大逆の凄技を披露してみせた。続く1級山岳プラティ・ディ・ティーヴォの頂上ではゴールスプリントに持ち込み3勝目。
休養日明けの2週目は大人の走りを見せ、これまでのリードを保ち続ける。そして、2週目の最終日がこのリヴィーニョの山頂ゴールだった。最後の20%近い急勾配でこそ腰を上げ、苦しい表情を見せたものの、総合上位勢には3分近い差を付けてしまう。
明日からの3週目は厳しい山岳ステージが増えますが、ここでポガチャルが積極的に動く理由がない。タイム差は6分41秒もあるのですから。ここからはWツール制覇のための準備期間に入るはず。チームもポガチャルを守る動きに徹することになるでしょう。パンターニ以来のWツール制覇に期待がかかります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます