2回目の休養日明けの第16ステージは悪天候のため、チマコッピ(大会最高地点)を回避する短縮ルートを取ることになってしまった。このステージは当初ステルヴィオ峠(標高2758m)をチマコッピに設定していたが、雪崩の危険性があるとして事前にコース変更が発表されていたのだが、チマコッピそのものが回避される事態に…チマコッピの無いジロ・デ・イタリアはこれまでにないので、終盤のどこかで山岳に組み込まれるかもしない。
118.7kmに短縮されたステージは雨の中でスタートした。気温の低さが選手のウェアでも分かる。とにかく選手たちの無事を祈るステージになってしまった。176人で始まった大会だが、既に30人がリタイヤしているのだから。ただ、そんな中でも選手たちは果敢にアタックをし、31km地点からジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)、アンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト)、ダヴィデ・バッレリーニ(アスタナ カザクスタン チーム)、ミルコ・マエストリ(チーム ポルティ・コメータ)の4人が逃げ出す事に成功する。
118.7kmに短縮されたステージは雨の中でスタートした。気温の低さが選手のウェアでも分かる。とにかく選手たちの無事を祈るステージになってしまった。176人で始まった大会だが、既に30人がリタイヤしているのだから。ただ、そんな中でも選手たちは果敢にアタックをし、31km地点からジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)、アンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト)、ダヴィデ・バッレリーニ(アスタナ カザクスタン チーム)、ミルコ・マエストリ(チーム ポルティ・コメータ)の4人が逃げ出す事に成功する。
集団は山岳賞を狙うモビスターチームがコントロールし続けるも、ゴールまで残り35.6kmで上り坂が始まり、先頭の逃げからアラフィリップがアタックし、独走を開始する。冷たい雨のなかを区間2勝目を目指して単独で逃げ続けるアラフィリップ。1級山岳パッソ・プルネイの登坂では何人かの選手がアタックを見せる。ベテランの意地を見せ懸命に逃げるアラフィリップ。
パッソ・プルネイも終盤にさしかかると一旦モビスターがメースを上げるもUAEは食らいつく。その中には半袖姿になったポガチャルがいた。アシストはマイカだだ一人。ゴールまではまだ16km以上もある。山頂をポガチャルと40秒ほどの差でアラフィリップが先頭で通過。
ここから5kmほど下りになるのだが、半袖になったポガチャルは大丈夫なのか?個人的にも7月の雨の峠の下りで低体温症になりかけたことがある。気温は9度とのことだが、選手たちの体感温度は確実に5度以下だろう。
最後の登りでUAEが牽引を始めペースを上げて行く。このステージも狙っているのか?半袖姿はポガチャルのモチベーションの高さだったのか?残り2kmを切って勾配が上がる。残り1.3kmでマイカがコースを空け、ポガチャルがアタック。ゲラント・トーマスが遅れる。シッティングのままたんたんと脚を回すポガチャル。後ろを振り返りながら差を確認しながら、指を数えながら悠々と5勝目のゴール。26歳以下でグランツール19勝はあのベルナール・イノーに並ぶ偉大な記録なのだ。
2週目で6分41秒という大差を付けていたポガチャルには積極的に動く必要がないと書いたのだが、距離が短縮されたこと、モビスターがレース大半を牽引してくれたこと、ライバル達に脚が残っていないこと等々を考慮しての判断なのだろう。結果的にライバルたちとの差を7分以上にすることに成功したのだが、この気温の中、半袖で走った反動が心配だ。
驚かされたのは最後の2級山岳で飛び出したグランツールデビューの20歳ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)だった。残り700mまで先頭を走り。ステージ2位でゴール。ゴール後はおねだりしたのか、ポガチャルからアイウエアとマリア・ローザのジャージをプレゼントされていた。昨年のツール・ド・ラヴニールの総合2位。その時の優勝者は今季からUAEに加入したアイザック・デル・トロなのだ。勿論、ポガチャルも2018年の総合優勝者である。デル・トロが総合系の選手なのに対し、ペリツァーリはクライマー系の選手なのかもしれない。
今日も厳しい山岳ステージだが、またまたポガチャルが動くのか?ここで勝てばエディ・メルクス以来のマリア・ローザを着ての5勝に並ぶのだが、チームに負担をかけたくないのであれば、逃げが決まるステージになりそうだ。
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