12月7日(月曜日)、加賀市は快晴に恵まれました。
そして真っ白になった白山の美しい姿を仰ぐことができました。
真っ白な白山(標高2702m)は、わたしたち加賀市民の心のよりどころ。
石川県だけでなく、福井・岐阜・富山などいろんな所から白山は見えるのか
もしれませんが、わたしたちは加賀市から見る白山が一番だと思います。
←大聖寺実高から見た白山
←東春日町からの眺め
大聖寺で生まれた『日本百名山』の作者・深田久弥(1903~71年)は、
加賀市から見る白山をとってもすてきな文章で紹介されています。
「日本人は大ていふるさとの山を持っている。山の大小遠近は
あっても、ふるさとの守護神のような山を持っている。そして
その山を眺めながら育ち、成人してふるさとを離れても、その
山の姿は心に残っている。どんなに世相が変っても、その山
だけは昔のままで、あたたかく帰郷の人を迎えてくれる。
私のふるさとの山は白山(はくさん)であった。白山は生家の
2階からも、小学校の門からも、鮒釣(ふなつ)りの川辺から
も、泳ぎに行く海岸の砂丘からも、つまり私の故郷の町の
どこからでも見えた。真正面に気高く美しく見えた。それは
名の通り一年の半分は白い山であった。・・・
・・・その加賀平野でも、私のふるさとの町から眺めるのが
最上であることを、私は自信をもって誇ることができる。主峰の
御前(ごぜん)と大汝(おおなんじ)を均衡のとれた形で眺め
得るのみでなく、白山の持つ高さと拡がりを、最も確かに、
最も明らかに認め得るのは、私の町の附近からであった。・・・
・・・夕方、日本海に沈む太陽の余映を受けて、白山が薔薇色
(ばらいろ)に染まるひと時は、美しいものの究極であった。
みるみるうちに薄鼠に暮れて行くまでの、暫(しばら)くの間の
微妙な色彩の推移は、この世のものとは思われなかった。」
(『日本百名山』(深田久弥著、新潮社刊)より)
真っ白な白山を、この冬何回みることができるでしょうか?