Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~

日常の中にも旅があり、旅の中にも日常がある。僕たちは、いつも旅の途上。

美麗的日本和我 (美しい日本と僕)/東京散策倶楽部

2021-05-01 21:27:35 | 旅行

2020年の記録

 

“東洋一美しいモスク”東京ジャーミイ。クリスチャンの僕でも、なぜか、ここに来ると、心がサラーム(平安)になれる。

 

井の頭線駒場東大前~旧前田侯爵邸(目黒区)~東大駒場キャンパス(目黒区)~渋谷区循環バス~東京ジャーミイ(渋谷区)~東京メトロ千代田線~ニコライ堂(千代田区)~旧岩崎邸(台東区)~不忍池(台東区)~JR上野 (記載なき移動は徒歩)

 

Before Covidの穏やかな休日、東京南部の目黒区から北東に進み台東区まで、バス、地下鉄、そして徒歩で散策した。昨年末の群馬大学が、最後の大学訪問だと勘違いしていたが、今回の東京大学が、ほんとうに最後の訪問になった。大学敷地内には、近代建築も多く、早くコロナが終息し、キャンパスへの立ち入りが許される日が来ることを祈る。

 

目黒区立駒場公園内に建つ旧前田侯爵邸洋館は、昭和4年に竣工の近代建築。重要文化財指定は、意外に遅く2013年である。冒頭に「・・・・公園内に建つ」と記述したが、厳密に書くと旧前田侯爵邸とその周囲が、公園になったのである。なお、隣接して1年遅れで竣工された和館もある。前田侯爵というとピンと来ない人も少なくないだろうが、加賀百万石大名前田家といえば知名度はグッと上昇すると思う。華族令発布により侯爵の爵位を授与されたのである。

 

駒場公園周辺は、それなりのお宅がならぶ、外車も少なくない、「23区内で、クルマは要らないだろ!」と思うのは、余計なお世話だ。安心した気持ちで散策できる反面、猥雑な下町や繁華街の好奇心を駆り立てる面白さはない。まぁ、住宅地なのだから、それで良いのだ。

 

東大駒場キャンパス正門を入ると、真正面に1号館(時計台)があり、左手に講堂がある。休日のためか、人影がなく、落葉した銀杏並木は清々しい。「香港反政府闘争支持!」の立て看板、今時の日本の大学生は、どれだけ政治に関心を持ち、権力の横暴と理不尽に怒りを覚えているのだろうか?僕が大学生だった頃には、立て看板はあっても、大学のオブジェになっていたような気がする。

 

冒頭にも記したように東京ジャーミイは、イスラームの美しいモスクだ。駐日トルコ大使館所属の宗教法人が運営しているので、“トルコの飛び地”と呼ぶ人もいる。礼拝堂そのものは、2000年竣工(設計はトルコの建築会社代表のハッレム・ヒリミ・シェナルプ、躯体建築は鹿島建設、内外装資材はトルコから輸入、トルコ人職人100名により施行された。

 

東京ジャーミイは、日本に在住、滞在のムスリムの礼拝の場であるとともにイスラームの正しい理解と普及に尽力している施設だ。例えば、「イスラームは、豚肉をなぜ食べてはいけないのか?」「日本も江戸時代までは、4本足の動物を食べることを禁止していましたよね。禁止していたのは、為政者、つまり人です。イスラームで豚肉食を禁止したのは、アッラー(神様)です。人の言葉は、人が訂正することもできますが、神様の言葉を人が訂正することはできないでしょ。」 厳密な解ではないが、とても理解しやすい解だと感心している。

多くの宗教施設が、礼拝堂の中での撮影を禁止しているが、東京ジャーミイは、商業目的のケースを除いてフリーです。ただし、イスラームの最低限のマナーとして、女性が肌や髪を露出させることと、礼拝者の前を横切らない(礼拝者はアッラーと対話しているので、前を横切ることは、アッラーとの間に割って入ることになる)こと。礼拝堂には、2階があり、女性のためのスペース。僕は2階からも礼拝堂を見てみたいと思うが、そればかりは、生涯叶わないだろう。

 

代々木上原から東京メトロ千代田線に乗り向かったのは、東京復活大聖堂(ニコライ堂)。日本ハリストス正教会の大聖堂なので、僕自身の節操のなさを感じなくもないが、キリスト教やイスラームの宗教施設に行くと、穏やかな気持ちになれるのである。(神社仏閣を造形的に美しいと思うことはある) なぜ? と言われでも、そう感じるからそうなのであるとしか答えられない。

 

正教会の教えを日本にもたらしたロシア人修道司祭(のちの大主教)聖ニコライに由来するニコライ堂は、1891年に竣工したビザンティン様式の教会建築、1962年重要文化財に指定された。

 

ニコライ堂のあるお茶の水から上野の旧岩崎邸へ、テクテク歩いて向かう。旧岩崎邸の入り口から見えたブロックのようなオフィスビル。昭和時代の熱血サラリーマンが24時間戦っていたオフィスだろうか。

 

旧岩崎邸は、三菱財閥の創業家の迎賓館として、1896年竣工の木造2階建ての洋館。1961年重要文化財指定。南面のベランダは、コロニアル様式、内部はイスラーム風のデザイン、さらにはペンシルべニアのカントリーハウスのイメージまで取り込まれているという。お雇いイギリス人建築家ジョサイア・コンドルの設計である。同時期に和館も竣工されていたが、こちらは解体されて現存しない。外観はスイスの山小屋風の木造ゴシック様式のビリヤード室が併設されている。全体として僕好みであるとともに通勤途中にあるので、緊急事態宣言が解除になったら平日にサクッと、寄ってみたい。

 

上野恩賜公園にある不忍池は、意外にも天然の池で、ハスに覆われている。皇居も含め、東京は緑の多い都市だと思う。

 

 

旅は続く