Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~

日常の中にも旅があり、旅の中にも日常がある。僕たちは、いつも旅の途上。

美麗的日本和我 (美しい日本と僕)/栃木市

2021-05-12 23:02:27 | 旅行

2020年の記録

 

街歩きに疲れたらお洒落なカフェで休憩、隈なく周ると結構な歩き甲斐がある。

 

栃木市は、廃藩置県による栃木県設置の明治4年(1871年)から明治17年(1884年)に宇都宮市に県庁が移るまでの14年間、栃木県の県庁所在地だった。

 

今は東北新幹線、JR東北本線のルートから外れ、JR両毛線と東武鉄道が走る県下3番に没落してしまっているが、江戸時代は、江戸との舟運と日光東照宮へ派遣された使者の通行する宿場町として栄えた商都で、「小江戸」の別名を持つ。戦災を免れた市街地は、江戸から明治にかけての蔵や商家が多く残り、「美しいまちなみ大賞」を受賞している。

 

栃木の街は、魅力的な建物が “まちなみ”として連続的にならぶ。しかも、その多くが、現役である。洋館と木壁の美しい和館が混在しているが、雑然とした空気はない、それぞれが凛としている。

今までは、白黒フィルムやモノトーンに処理した写真を残してきたが、今回は、美しい青空そのままの色にしている。

 

最近開店したイタリア料理店「蔵の街ダイニング蒼」。映画『ALWAYS  3丁目の夕日』の
ロケ地になった。

 

栃木を代表する有力商人として知られ櫻井家の櫻井肥料店は、登録有形文化財となっている。

 

栃木を開拓した岡田嘉右衛門の屋敷を一般公開した岡田記念館には、栃木県初の理容遺産である市村理髪館を含む。また、周辺の嘉右衛門町は、伝統的建造物群保存地区に指定さている。

 

大正2年(1914年)竣工の栃木病院は、スモーキーグリーンにハーフティンバー※の洋館で、まさに大正浪漫の空気が流れる。

※ハーフティンバー:外部と接する柱・梁・筋交いなどの木材を露出させ、その間をレンガや漆喰で埋めて外壁としたイギリスはじめ北ヨーロッパに多い木造建築。

 

写真は栃木高校記念図書館(大正3年=1914年竣工)、栃木高校は明治29年(1896年)創立の伝統校で、敷地内には記念図書館のほか講堂、記念館の3つの登録有形文化財がある。

 

栃木高校のすぐ近くには、美しい洋館の栃木市役所別館があるが、あいにく修復中で防炎シートに覆われていた。またの機会にご紹介したい。

 

栃木聖公教会前の電線には、ハトが留まっていた。

 

冒頭に記したように江戸への舟運の路となる巴波川。鯉が泳ぎ、休日は手漕ぎの遊覧船が浮かぶ。

 

大正13年(1924年)竣工の洋館を改修したCafe15。土日祝日は、休業のため内見できなかったが、内部は大正浪漫を維持しているようだ。

 

洋館のCafe15の向かいには、「善野家土蔵(通称おたすけ蔵)」(江戸時代後期建築)を改修した市指定文化財とちぎ蔵の街美術館がある。

 

蔵の街大通りに戻り、レトロな商店街を抜け、クルマを停めた新市役所駐車場(旧福田屋立体駐車場)へ。

 

今回ご紹介したのは、ほんの一部。自宅から近いため隈なく散策といった気持ちにならないのである。次の機会には、別の建物をご紹介したいと思う。

 

 

【メモ】 栃木を散策した2020年2月8日の前日には、中国内のロックダウンが本格化するが、日本では、まだまだ“対岸の火事”。しかし、コロナの暗雲は、日本にも確実に迫っていたのだ。

 

 

旅は続く