生活に必要なものは、いっぱいある。食料品にしろ、衣服にしろ、靴にしろ。
靴でも、なかったら困る。裸足で歩くわけにはいかんからね。
でも、手に入らないなんてない。靴屋のおっさんがけったいな奴で、「この靴くれ」「そんな安い靴はダメや」「これにしろ!」「俺は、靴の専門家じゃ、言うこと聞けんねんやったら、よそへ行け」
そんな会話になっても、よそへ行ったら靴は買える。だが、薬はそういうわけにはいかんね?
病院を変えるにしても、紹介状がいるという決まりになっている。医者はあれを悪用しやがる。
診察室でふんぞり返って、自分に服従しない患者には、「出て行け」。女の医者でも平気でそれを言う。
私の生活に必要なものは、すべて必ず手に入る。だが、薬だけは医者によって相当苦労させられる。
私の敵は、医者だけです。