東北訪問2019・・・8

2019年10月28日 | 日記

さて。八木駅を抜けて、次に向かったのは…ここももう何回も来ていますが・・・

 

 

柳田国男著「清光館哀史」の舞台となった、清光館の跡地です。

あらすじは、国男が昔、訪れたことのあるこの地域(当時は岩手県種市町小子内)を再度訪問した時、以前宿泊した旅館を訪ねたところ、すでになく、一家の離散・没落の事実を知り、驚くとともに時の無常を感じる・・・・という内容の短い随筆です。以前は教科書にも載るほどの有名な話でした。

そこで紹介されている、女性たちが飾りをつけてお盆の夜に集まって踊る風習が、盆踊りの発祥といわれています。

 

書いてしまえばそれだけのお話なのですが、哀愁漂う内容と名文に、幾度も読み返してしまいます。

今では碑文と古い井戸の跡しかないこの場所ですが、訪れた時には立ち寄らずにはいられません。

国男の随筆にも出てくるのですが、普段自分が過ごしてない地域では、変わらない日々が続いているものと思い込みがちです。私も、自分の毎日は変化に富んでいるのに、一年ごとに訪れている東北は、変わらない日々を過ごしているんだろうな、と漠然と思ってしまっています。が、そんなことはあるはずがなく、ここにはここの暮らしがあり、当然変化もあるわけです。

何が変わって、何が変わってないか。

 

旅はそれを確かめさせてもくれます。

 

そんなことを思いつつ。

 

人は常に、次の場所へ行かねばなりません。

 

さようなら清光館。

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