居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

小さい池

2012-12-16 15:48:23 | ポエム

小さい池

 

江戸時代から
埋められもせず
澄んだり濁ったりしながら
その池はいまもある
アメンボウの家族が
太ったり痩せたりしながら
池の主になっているだけ
ほかのいきものはすみつかない
たまにゲンゴロウがニサニチいたが
すみにくいのかすぐ立ち去った
さいきん、波紋を描くアメンボウが
ひとりになっているらしい
まわりの立木が切りとられ
この池がめだちはじめ
将来、いよいよ埋められるらしい
一疋残っているアメンボウ
じつとその日をただまつている
それでもせっせと波紋を描きながら
ひとりで、我が物顔は失はないで
夢うつつのような
波紋とあそんでいる

 

 


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