らしい僕
僕がぼやけて
あっさりとすがたをけし
本になって
図書館にいる、と
さる人が
つい、さっきおしえてくれた
ポスターにも蜘蛛のデザインで
発表されていると
僕は蜘蛛の巣になっているらしい
細い糸の手足をのばして
大の字になっているらしい
そのポスターは
いつか、想いが痩せた日に
僕が描いたものらしい
らしい言葉ばかりが吹いてくる
それは僕の好きな、らしい言葉
らしくないより、らしいほうが
僕は好きだ
ひとは、らしいのではなく
明確な手足をみる眼をもてという
その手足、どんなもの?
蜘蛛の巣でゆれているらしい
僕の手足
たのしいらしいよ
きもちよく、酔っているらしいよ