弟が入院してる時(意識がある時ね)、
弟の話し相手だと思ってた私。
でも実は、私の相手をしてくれててんなぁ、って。
弟が私の話を聞いてくれててんなぁ、って。
今になってわかった。
私がヘンな事言っても、優しく笑ってくれる。
「優しい」っていう言葉は弟にピッタリの言葉。
この間、母の姉妹たちが来ている時にこんな話をしてくれた。
姉妹が大阪へ来るのは約20年ぶり。
その20年前に、大阪の鶴見緑地であった『花博』に遊びに来た。
私たち家族も一緒に行った。
妹の子供で5才・3才の女の子も一緒。
通りすがりの人がつけてた何かを見て、
5才の女の子が
『ほしい!』 って言ったらしく、
それを聞いた弟が、いつの間にかいなくなり、
戻ってきたら、その『ほしい!』って言ってた物を、
遠くまで買いに行って、『はい』って渡してんて
『やさしか~、って思ったんよ』
って母の妹。
そんな事があったなんて、全然知らんかった。
5才の女の子だったと思うんやけど、
『大きくなったら、お嫁さんになる』
って言ってたもんなぁ。
今は、もう25才って言ってたかなぁ。
10才ぐらいになったのを最後に、もうずっと会ってないなぁ。
意識のあるうちに、弟のお見舞いに行った最後の日、
週刊ジャンプの発売日で、
母から『買って行って』って頼まれて、
持って行った時、ものすごく嬉しい顔をしてた。
私が行くって言ってなかったし、
この日は誰も来ないと思ってたみたい。
だから、ジャンプは諦めてたみたい。
そのすごいうれしそうな顔が忘れられない。
それと、窓から景色を見て立ってる後ろ姿も。
ダンナ君にもいろんな話をするけど、
話されへん事だってある。
でも、弟には隠し事なく、何でも話せた。
あらためてそれに気がついた時には、もう遅かった。
こんなにたくさん話してたんや、
こんなにたくさん聞いてくれてたんや。
気付くの遅いなぁ。
もっと、もっと一緒に色んな事話して、
無事に退院して、お互いのお家を行き来したり、
そういう事したかったのに。
私にとって、弟の存在は大きかった。