虹と白砂に彩られた、どこか遠い国
風邪をひいたことにして、夏休みの部活を休んだ。いや、サボった。 水泳部は —— ...
遙か遠い南太平洋の、例えば...
夏が来る度、昔、訪れた島の風景が思い出される。 * 『島で道に迷ったら、風が吹いてくる辻の方角が南だ』。 ぼく達...
せわしない音を立てて通り過ぎていく
明治政府が欧米にならい大陰暦から太陽暦に改めたため、それ以来暦が凡そひと月...
アドーニスになった夏
グラナダ製とかいうビタミンカラーの陶製の小鉢に手を伸ばして、ひとつかみしたジャイアントコーン ...
カラパナを聴こう
六月。 季節も変わり、日中、窓という窓を開け放して暮らせるようになった。 この先、南風が吹いて余程気温が上がらない限り、ぼくもイチ子さんもエアコンのスイッチに手を...
本当に大切なもの
「本当に大切なものって、目に見えないんだってさ」。 【Fools Gold - ...
手は休めないように
海が近いと風雨で運ばれてくる海のミネラルが土中にあるため、実のなるもの・根...
曝しちゃ駄目よ
夕食後。「欧州大戦時にドイツの兵隊が野戦で配給される食料のメニューに玉葱い...
夏の妹
定期考査中の放課後。 教室の掃除。 水口イチ子に映画に行こうと誘われる —— 同じク...
何気なく暮らしていると難題かもしれない...
薄雲の広がる、梅雨の晴れ間の十四時過ぎ。 紫陽花寺の長い山道を登る。 "ハイドレインジア" ...