どるち & えこう の 『美術館・博物館めぐり』 & 『美味しいもの』日記なのだ

プレーリードッグのぬいぐるみの『どるち』と 飼い主?の『えこう』が書く 美術館・博物館や 飲食店の感想なのだ

『渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画@東京藝術大学大学美術館』なのだ

2021年05月17日 | アート【展覧会 & 常設】(~2022年)

先月中旬のことだけど ぼくらわ 東京藝術大学大学美術館で 今わ 臨時休館中だけど 5月23日まで開催する<渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画>を見に行ったのだ



素晴らしい作品が展示しているけど 今回の感想わ えこうに任せるのだ

東京藝術大学大学美術館 <渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画> 5月23日(日)まで ※現在臨時休館中

https://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2020/seitei/seitei_ja.htm

公式サイト
https://seitei2021.jp/

作品リスト
https://seitei2021.jp/img/list.pdf




渡辺省亭は、花鳥画を中心に海外で評価が高く、日本だと赤坂迎賓館の七宝額の原画として有名ですが、中央画壇から離れ、市井の画家を貫いたので、展覧会で紹介されることは少なかったそうです。

今回、海外からの里帰り品や、個人コレクションを中心に展示しており、私が見た前期だと約80点を展示していました。


気になった作品

5.龍頭観音

細い筆で描かれており、美しくて神々しく、そして慈愛に満ちた表情の観音様で、小品ながらも、ずっと見ていると拝みたくなるくらいすごい。

あと、観音様の後ろには満月を背にしているようだが、後光のようにもなっていた。


10.牡丹に蝶の図


解説には、こう書かれています。
『画面中央に大きな牡丹の花が克明に描かれ、白い花の蜜を吸うクロアゲハがひときわ精彩を放つ。咲き誇る花の後方には花鳥画には珍らしく花弁を落とした花が描かれている。そこからはらはらと花弁や雄しべが舞い落ちて、静謐な世界の微かな動きに捉えられている。』


16.雪中鴛鴦之図 ※展示終了


初見、若冲っぽいっと思ったら、<雪中鴛鴦図>に倣って描いたものだそうで、サイズも合わせているが、省亭のは、右にいる鳥を番にして寄り添わせているのだが、若冲のは、その場所には1羽でおり、もう1羽は、池に潜っていて、違うがある。

所蔵が東京国立近代美術館だから、見る機会はありそう。

※この作品は展示していませんが、見比べの参考として若冲の<雪中鴛鴦図>も載せます。



17.猛乕之図 ※展示終了

大正3年、数え歳64を迎える年の正月、旭日を背景に虎の図を描き、画面左下に「甲寅歳初省亭試作」と署名があり、墨で描かれたトラだが、穏やかな表情をしていた。試作とは思えない出来だと思った。


21.花鳥魚蝦画冊

百舌鳥に蜘蛛図


百舌鳥の目の前を、糸を垂らす蜘蛛が降りてくる。蜘蛛を狙った百舌鳥の表情が、目の前にちょうどいいエサが来て、よだれを垂らしそうな感じに思えた。 


金魚図


他にも、躍動感のある<翡翠図>も良かった。この作品は、メトロポリタン美術館所蔵なので、見る機会はあまりないかも?


31.牡丹之図 ※展示終了

花びらが散る牡丹の下には雀が描かれいる。牡丹の散る様は、「もののあわれ」を表現しているように思え、NO.10の<牡丹に蝶の図>の時間が経ったものを描いたように思えた。


36.月夜木菟(※部分画像)


猛禽類なので眼光鋭いが、それに反して、丸みを帯びた体のフォルムや触ってみたくなるようなふわふわな羽の質感で、可愛かった。

描かれているのは、身の模様がトラの斑に似ていることから、トラフズクだそうです。


38.萩のうさぎの図 ※展示終了

解説に書いてあったが、萩は月とともに描かれることはあるが、月で仙薬をつくるとされる兎との組み合わせで吉祥画としているそうです。

写実的で質感がモフモフなウサギが描かれ、一番手前のウサギの丸い胴体が月に見立てているように感じた・・・。


50.蓮に鼠図

ロンドンからの里帰りの作品。蓮の茎や花の部分は写実的、種をかじる輪郭線を用いていないネズミは丸々として可愛い。

この作品と同じデザインの七宝の花瓶もあるそうです。


55.迎賓館赤坂離宮 七宝額原画 淡紅鸚哥に科木 ※展示終了


最初に展示していた作品。ピンク?(紫?)のモフモフの胸の羽の質感やグラデーション、眼光の鋭いオウムと、葉と実に奥行きを感じる立体感がのある科木(しなのき)がいい。

もう展示は終わってしまったが、迎賓館赤坂離宮 七宝額原画は他にも4点展示していて、光沢感のある羽が特徴的な<真鴨に葦>も良かった。

トーハク(東京国立博物館)所蔵なので、見る機会があるはず?


65.四季江戸名所

季節ごとの4幅の掛軸で、冬の<墨堤の雪>が良かった。(※部分画像)


周りに薄く墨を塗り、塗られていない掛軸の素地の部分を雪に見立てており、薄闇の中、凛としたたたずまいで鮮やか着物の女性が描かれ美しい。


84.鍾馗に鯉 ※展示終了

双幅の掛軸で、右幅は端午の節句に魔除け、悪疫除けとして丸めた鬼で蹴鞠のように蹴り上げる鍾馗様が描かれ、左幅には、滝を登って龍と化すという登龍門の故事から立身出世の象徴の鯉を描くが、滝登りでなく、アザミの下で優雅に泳ぐ鯉が描かれていた。


あと、双幅で人間味のある<群猿>や、原画が渡辺省亭で、濤川宗助制作の<七宝四季花卉図花瓶>も良かった。


展覧会のチラシの画像を載せます。(クリックすると大きな写真で見れます。)
 


渡辺省亭の作品は素晴らしく、海外からの里帰りの作品も含め見れたことは嬉しいかったのですが、新型コロナの影響で今は臨時休館中なのが悔やまれますし、後期展示も見たかった・・・。

会期はあと1週間で開館するのは難しそうですが、オススメの展覧会だと思いますし、巡回先に見に行くのもいいのでは?と思いました。


巡回情報

岡崎市美術館 5月29日~7月11日

佐野美術館 7月17日~8月29日


この後わ 荻窪駅に移動して<ピッツェリア トラットリア ダ オカピート>に行ってランチをしたんだけど そのことわ 今度書くのだ