どるち & えこう の 『美術館・博物館めぐり』 & 『美味しいもの』日記なのだ

プレーリードッグのぬいぐるみの『どるち』と 飼い主?の『えこう』が書く 美術館・博物館や 飲食店の感想なのだ

『あやしい絵展 <後期展示>@東京国立近代美術館』なのだ

2021年05月29日 | アート【展覧会 & 常設】(~2022年)

先月下旬のことで もう終わっている展覧会のことだけど 東京国立近代美術館で開催していた<あやしい絵展>『後期展示』を見たのだ



ぼくらわ 前期展示も見に行っていて 見たい作品があったので 後期も始まってすぐに行ったのだ 今考えたら すぐに臨時休館になっちゃったので 早めに見に行けて良かったのだ・・・

↓前期展示の感想なのだ
https://blog.goo.ne.jp/dolci_ekou/e/a6309afc3c1ab0f219710f99e440e29d


ぼくが気になった作品なのだ(※一部の作品を除き 写真撮影がOKだったのだ)

岡本神草<化粧>なのだ


3年ぶりの再会なのだ

卒業制作で発表した時にわ 顔と着物の細かい柄は未完だったそうだけど 黒い着物 襦袢の赤 白い肌との対比がそれぞれの色を鮮やかに見せていると思うし 左上の金色のろうそくの炎が美しいのだ

あと 首周りなどの着物の模様が ちょっと盛り上がっている感じで立体的に見えるのだ



橘小夢<安珍と清姫>で こちらも著作権のことがあるので2点撮りにしたのだ(※左の作品なのだ)


ぼくのいない写真も載せるのだ(クリックすると大きな写真で見れるのだ)


写真が見づらいので もっとわかりやすい展覧会のチラシの画像を載せるのだ


本来であれば 鐘の中に隠れた安珍を ヘビに化けた清姫が鐘に巻き付き焼き殺そうとしている場面なんだけど 橘小夢さんの作品わ 鐘の中にいる安珍に巻き付き 抱き着いていて 殺すほど好きだったのだけど 清姫の立場から見ると ちょっとロマンチックのようにも思えたのだ・・・


あと 10年ぶりくらいに見た 松園さん<花がたみ>も良かったのだ



あやしくも美しい作品の数々を見れたし 好きだった作品の再会も嬉しかったのだ

東京会場わ もう終了しているけど 7月から大阪で開催されるので 気になった方わ ぜひご覧になってほしいのだ



ここから先わ えこうの感想なのだ

東京国立近代美術館 <あやしい絵展> 終了しました

https://www.momat.go.jp/am/exhibition/ayashii/

公式サイト
https://ayashiie2021.jp/

作品リスト
https://www.momat.go.jp/am/wp-content/uploads/sites/3/2021/03/ayashiie_list_0316.pdf




展示構成

1章 プロローグ 激動の時代を生き抜くためのパワーをもとめて(幕末~明治)

2章 花開く個性とうずまく欲望のあらわれ(明治~大正)
 2章ー1 愛そして苦悩――心の内をうたう
 2章ー2 神話への憧れ
 2章ー3 異界との境で
 2章ー4 表面的な「美」への抵抗
 2章ー5 一途と狂気

3章 エピローグ 社会は変われども、人の心は変わらず(大正末~昭和)

幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿絵など、美しいだけでなく、退廃的、妖艶、神秘的、エロティックなど、様々なあやしい絵が、前後期合わせて160点展示。


気になった作品

50.青木繁 《わだつみのいろこの宮》下絵


アーティゾン美術館の<わだつみのいろこの宮>の下絵で、下の部分のみが描かれていた。

古事記の上巻、山幸彦(やまさちひこ)と海幸彦(うみさちひこ)の話が題材で、山幸彦が兄の海幸彦から借りた釣り針を探して綿津見神(わたつみのかみ)の宮殿に降り、そこで海神の娘・豊玉毘売(とよたまひめ)と出会った場面が描かれ、左にいるのが豊玉毘売(とよたまひめ)。

※展示していませんが、参考としてアーティゾン美術館の<わだつみのこの宮>の写真も載せます。



56.小林古径 清姫 日高川(※右の作品)



84.杉浦非水 「三越呉服店 春の新柄陳列会」ポスター(※右の作品)


モダンでミュシャっぽい?


86.村上華岳 裸婦図 重要文化財


6年ぶりくらいに見たけど、裸婦だが、仏様的な美しさを感じる。


94.甲斐庄楠音 毛抜(※右の作品)



100.甲斐庄楠音 春宵(花びら)(※左の作品)


ネットの画像で見たことがあるが、実際に見るのは初めてでこんなに大きな作品だとは思ってなかった。豊満な太夫(遊女)や左下にいる禿?(かむろ)のインパクトがすごいし、背景の色も含めてちょっと怖いというか、不気味・・・。

前後期合わせて、甲斐庄楠音の作品をいろいろ見ることが出来て思ったのですが、甲斐庄楠音の大規模な回顧展を開催してほしいと思った・・・。


102.甲斐庄楠音 母(※左の作品)



103.岡本神草 化粧


解説には、こう書かれています。
『ろうそくの明かりのもとで紅を差す舞妓。塗りこめた白粉の肌と赤い紅の対比が妖艶である。着物からのぞく白い肌にほんのりと赤みが差し、柔らかな感触を想像させ官能的だ。ところが彼女の身体に目を転げると、きらびやかな着物のために気づきにくいが、帯で締めあげた胴は異様に細く、痛々しささえ感じさせる。本作品は製作当時、女性の中に潜む「或る物」をよく表している、と評された。』


106.岡本神草 骨牌を持てる半裸女



126.上村松園 花がたみ


解説には、こう書かれています。
『謡曲「花筐(はながたみ)」を題材とした作品。照日前(てるひのまえ)は、継体(けんたい)天皇として即位するため離別してしまった王子を追いかけ、形見の花かごを手に都にのぼる。紅葉見物の道中に彼女を見つけた王子は、彼女に狂い舞う指示する。その通り舞った彼女は再び王子と一緒になることができたという話。焦点の合わない女性の瞳、着崩れた着衣は、照日前の舞い狂う様子を表す。松園は製作にあたり病院を取材し、最終的には、神の乗り移った巫女や狂乱する女性を示す能面・十寸神(ますかみ)を参考に照日前の顔を描いたという。』

右下に描いた髪の毛が艶めかしかったし、他にも壊れた扇子や、立体的な花かごとかが印象に残った。







前期に続き、素晴らしい作品を見ることが出来たし、普段見る機会があまりない甲斐庄楠音の作品を見れたのは、もちろん、しかも写真撮影までがOKっていうのも、嬉しかった。

他にも、所蔵先では写真撮影が禁止の作品も写真撮影がOKだったり、ちょっとお得な感じもあってよかったです。

どるちの方でも書いていますが、7月には大阪に巡回しますし、素晴らしい作品が展示されるので、ぜひご覧ください。


巡回情報

大阪歴史博物館 7月3日~8月15日


この後わ 築地駅に移動して<築地トゥットベーネ>でランチをしたんだけど そのことわ 今度書くのだ